SIMロックフリーであること、ポケットにすっぽり入る小型ボディ、どんなSIMカードで使えるのかをチェックした前編に続き、後編では「b-mobile WiFi(BM-MF30)」の通信機能面をじっくり見ていこう。
まず、b-mobile WiFiの3Gデータ通信機能は、APN(Access Point Name:3G網を経由してインターネット接続するための設定名)を含む接続先設定をプロファイルとして複数登録でき、SIMカードを差し替えながら使うユーザーはそれを切り替えながら利用できる。前編で触れたように日本通信のSIMカード用APNが初期設定済みとなっており、NTTドコモやソフトバンクモバイル契約のSIMカード、あるいは海外で使用する海外キャリアのSIMカードを使うなら、その通信キャリア(ないしプロバイダ)が指定するAPN設定を登録して使用する。
APN | ユーザー名 | パスワード | |
---|---|---|---|
b-mobileSIM(標準設定) | dm.jplat.net | bmobile@u300(bmotile@13.jplat.net) | bmobile |
NTTドコモの定額データプラン+mopera U(例) | mopera.flat.foma.ne.jp | (mopera Uのユーザー名) | (mopera Uのパスワード) |
Taiwan MobileプリペイドSIMカード(海外での使用例) | Internet | (なし) | (なし) |
ルータ機能は、本機のIPアドレス(Web設定ツールへのアクセス用URL含む)、DHCPサーバ機能のオン/オフ、DHCPサーバが配布するIPアドレスの範囲を設定できる。一般利用であればとりあえず設定変更なしの初期設定のままで別によいと思われるが、セキュリティを考慮するなら範囲を狭めてもよいだろう。
無線LANのセキュリティ方式はWEP、WPA、WPA2より選択でき、暗号接続の設定が容易に行えるWPS(Windows Protected Setup)にも対応。あわせて、指定したMACアドレスを持つ無線LAN機器のみ利用できるようにするMACアドレスフィルタリング機能も備えている。
使用する無線LANのチャネルは1〜13チャネルから選択する以外に、電源オン時に空きチャネルを自動選択する機能、無線LANの最大通信速度、無線LAN内機器間の通信可/不可の設定機能など、ポータブル無線LANルータだからこそ必要な機能もある。同時接続可能な無線LAN機器は最大5台だが、接続可能な機器を1〜4台の範囲に絞って設定することもできる。
無線LANの暗号化をWPA/WPA2に設定した場合に利用できるのが、暗号化接続の自動設定機能である「WPS」だ。本機はプッシュボタン方式とPIN方式に対応しており、本体側面の「WPS」キーを5秒長押しすると無線LANのインジケータが点滅から点灯に変わり、プッシュボタン方式での自動設定が可能になる。確認した範囲では、Windows 7上ソフトのバッファロー「クライアントマネージャーV」、スマートフォン「IS02」、無線LAN搭載の携帯電話「SH008」で問題なく自動設定できた。
Web設定ツールからの操作も可能で、この場合はPIN方式での自動設定も行える。本機がレジストラになり、端末側で指示された番号を設定画面から入力するだけ。PCなら多少長い暗号キーの入力もそれほど苦労はしないが、携帯電話や携帯ゲーム機といった機器では長い文字列の入力がかなり面倒になる。もっとも、1度無線LAN接続の設定してしまえばその後は使う機会はないのだが、PC以外の無線LAN機器も併用するユーザーにとってWPSはやはりあれば便利な機能である。
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