日本ヒューレット・パッカードの「HP Omni 100」は、2010年秋冬モデルで追加された液晶ディスプレイ一体型デスクトップPCの新機種だ。日本HPが販売する液晶一体型PCにおいて、「HP TouchSmart PC」や「HP All-in-One PC200」の下位に位置しており、エントリークラスをカバーする。
かつてHPは「OmniBook」のブランド名で幅広くノートPCを展開していたため、Omniという名前に愛着がある人もいるのではないだろうか。従来機種との関連性は見られないが、久しぶりにOmniの名を冠したPCが復活したことになる。
Omni 100の特徴は、何といってもコストパフォーマンスの高さだ。CPUに低消費電力のAthlon II X2を採用しており、シンプルなデザインの省スペースボディとWindows 7を快適に使える性能を両立しつつ、直販モデル(HP Directplusモデル)で5万9850円という低価格を実現している。さらに、HDD容量とOSのグレードが上がり、Office Personal 2010やHP 安心サポート365が標準添付された量販店モデル(実売価格は10万円前後)も用意されている。
今回は低価格な直販モデルの「100-5210jp」を入手したので、気になる性能や使い勝手を検証していこう。
CPUにはAMDのAthlon II X2 270uを搭載している。Socket AM3に対応するデスクトップ向けCPUだが、Omni 100のような液晶一体型PCなどへの搭載を意識し、TDP(熱設計電力)は25ワットと消費電力をノートPC並に抑えた低消費電力モデルだ。動作クロックは2.0GHz、2次キャッシュ容量は2Mバイト(1Mバイト×2)となっている。
メモリはPC3-10600 SO-DIMMに対応し、標準で4Gバイト(2Gバイト×2)を搭載する。低価格な機種でもメモリ容量を最初から4Gバイト搭載しているのは好感がもてる。データストレージには3.5インチのHDD(Serial ATA 3Gbps対応/7200rpm)を採用しており、容量は直販モデルで320Gバイト、量販店モデルは500Gバイトとなっている。
2基のメモリスロット(SO-DIMMスロット)と3.5インチHDDベイには、背面のカバーを外すことで比較的容易にアクセスできるが、省スペース性を重視した液晶ディスプレイ一体型ボディゆえに、メモリスロットやHDDベイの空きはない。光学ドライブとしては、ボディ右側面にスリムタイプのDVDスーパーマルチドライブを内蔵している。
Webページのスペック表によれば、チップセットはAMD M880G、グラフィックス機能はチップセット内蔵のATI Radeon HD 4270となっている。AMDの公式スペックではAMD M880GはATI Radeon HD 4250を内蔵することになっているが、OEM向けの少し仕様の異なるものを利用しているのだろう。
GPU-ZでGPU情報を見てみると、Radeon HD 4250と基本構造は同一で、GPUコアクロックが少し引き上げられたもののようだ。DirectX 10.1対応でHD動画再生支援機能のUVD2を搭載しており、Blu-ray DiscタイトルなどのHD動画、またYouTube動画などもCPUに負担をかけず快適に再生できる。
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