サイレックス・テクノロジーは10月27日、同社のコア技術「USB Virtual Link Technology」(USBデバイスサーバとSX Virtual Link)に関する説明会を実施。2010年10月にNTT東西が発売した「N-TRANSFER」を含めたOEM展開の採用事例とともに、「USBデバイスサーバの今後の展開」を説明した。
2009年12月に発売され、一部PCユーザーの間で話題になったアイ・オー・データ機器「ETG-DS/US」も同社のUSB Virtual Link Technologyを採用した製品の1つ。net.USBは、“USBデバイスサーバの別名称”としてアイ・オー・データ機器版製品で用いられている。
2010年現在は単体製品とともに無線LANルータ機器への内蔵化も促進し、net.USB機能を内蔵した「WN-G300DGR」などが登場。USBデバイスサーバ機能を「無線LANルータの付加価値」として訴求するトレンドも生まれている。
USB Virtual Link Technologyは、プリンタやスキャナー、HDD、テレビチューナーなど既存のUSBデバイスを、“ネットワーク上で”あたかもUSBケーブルで直結しているように利用できるようにする技術。ユーザーからは、USB機器をあたかもPCに直接接続したかのように動作するのがポイントで、USB機器の純正アプリケーションもネットワーク越しに利用できてしまう。
今後、速度や互換性、安定性の向上やセキュリティ・省電力、NAT越え技術の取り組み、そしてUSB 3.0やiOS/Android OSなどを含めた複数OSへの対応をテーマに開発を進める。現時点では原則としてLAN内での利用を想定するが、外出先からNAT越えして利用する場合はデータ漏えい対策や、一般ユーザーも利用しやすくするネットワーク設定機能などが必要になってくる。これらの課題を解決することで、外出先のPCから自宅のHDDやUSBテレビチューナーを利用──といったより手軽なシーンも想定できる。
PC本体にも標準搭載されはじめ、普及が期待される新世代の高速インタフェース「USB 3.0」への対応も望まれる機能だろう。USB 3.0対応については、現在USB 3.0ホストコントローラ μPD720200とAtom D510を搭載するLinuxマシン上で動作するサーバモジュールと、Windows用クライアントソフトで“USB 3.0化”のプロトタイプが完成したとし、今後、無線LANルータや単体製品に搭載できるよう技術開発を進めるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.