Phenom II X6 1100T Black Editionは“Thuban”コアを採用したPhenom II X6の最新モデルで、その性格は「1090Tの高クロック版」というひとことに尽きる。Phenom II X6 1090T Black Editionの動作クロックが3.2GHz、“Turbo CORE Technology”有効時で最大3.6GHzだったのに対し、Phenom II X6 1100T Black Editionは動作クロック3.3GHz、Turbo CORE Technology有効時で最大3.7GHzとそれぞれ100MHzのクロックアップとなる。これまで6コアのThuban世代Phenom II X6は“1090T Black Edition”以外にPhenom II X6 1075TとPhenom II X6 1055Tが登場しているが、それぞれ動作クロックは200MHz刻みだった。“1100T”で100MHzの上昇に抑えられている点には注意が必要、というよりも、AMDのモデルナンバーがやや不親切と感じるところだ。
TDPは従来のPhenom II X6と同様の125ワットで、リビジョンも「E0」のままだ。“1055T”で125ワット版のあとに95ワット版が出たように、同じリビジョンでも優良なコアが生産できるようになった、あるいはリビジョン変更するほどではない改良などで実現した高クロック版という可能性もあるだろう。
| ラインアップ | Phenom II X6 Black Edition | Phenom II X6 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| モデルナンバー | 1100T | 1090T | 1075T | 1055T | |
| OPN Tray | HDE00ZFBK6DGR | HDT90ZFBK6DGR | HDT75TFBK6DGR | HDT55TFBK6DGR | HDT55TWFK6DGR |
| OPN PIB | HDT90ZFBGRBOX | HDT55TFBGRBOX | HDT55TWFGRBOX | ||
| ソケット | AM3 | ||||
| リビジョン | E0 | ||||
| 動作クロック(MHz) | 3300 | 3200 | 3000 | 2800 | |
| Turbo CORE Technology(最大) | 3700 | 3600 | 3500 | 3300 | |
| HT Linkクロック(MHz) | 4000 | ||||
| コア電圧(ボルト) | N/A | 1.125-1.40 | 1.075-1.375 | ||
| Max Temps | N/A | 62 | 71 | ||
| TDP(ワット) | 125 | 95 | |||
| 1次キャッシュ(KB) | 128 | ||||
| 1次キャッシュ数 | 6 | ||||
| 2次キャッシュ(KB) | 512 | ||||
| 2次キャッシュ数 | 6 | ||||
| 3次キャッシュ(KB) | 6144 | ||||
| プロセスルール | 45ナノメートルSOI | ||||
| Virtualization | Yes | ||||

OPNは「HDE00ZFBK6DGR」。“HD”に続く3桁が1090Tの“T90”から“E00”へと変更されている(写真=左)。CPU-Zで確認できる情報も動作クロック以外の項目は変更ない。リビジョンも同じで、AMDが次のアーキテクチャに開発リソースを振り向けているという雰囲気を感じなくもない(写真=右)100MHzのクロックアップが6コアPhenom II X6にどのような効果を与えるのか。Phenom II X6 1100T Black Editionと、現在市場で流通している、“1090T Black Edition”、“1075T”、“1055T”(TDP 95ワット版)と比較してみた。マザーボードにはAMD 890FXチップセットを搭載するASUSの「Crosshair IV Formula」を使用している。
| マザーボード | Crosshair IV Formula |
|---|---|
| チップセット | AMD 890FX+SB850 |
| メモリ | DDR3-1333 4GB(2GB×2) |
| GPU | Radeon HD 5870 |
| HDD | WD5000AAKS(500GB/7200rpm/16MB) |
| OS | Windows 7 Ultimate |
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