エプソン、顔料系A3ノビ対応インクジェットプリンタ「PX-5V」さらに使いやすく、高画質に

» 2011年02月03日 14時00分 公開
[ITmedia]
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PX-5V

 エプソンは2月3日、プロ/ハイアマチュア向けの「プロセレクション」シリーズとして、A3ノビに対応するインクジェットプリンタ「PX-5V」を発表した。価格はオープン、予想実売価格は8万円台後半。2月下旬に発売する。

 PX-5Vは、2008年5月に発表された「PX-5600」の後継機にあたるモデル。濃度が違う3種類のブラックインクを使い分ける高いモノクロ表現や、ビビッドマゼンタ/ビビッドライトマゼンタによる色再現性(ブルーおよびバイオレット領域)で定評のある、顔料系のK3(VM)インクを踏襲しつつ、新たに最小インクドロップサイズを2ピコリットルまで微細化し(PX-5600は最小3ピコリットル)、粒状性を抑えつつ暗部の階調表現を向上したのが特徴だ。

 また、各色独立式のインクシステム(マットブラック、フォトブラック、グレー、ライトグレー、シアン、ライトシアン、ビビッドマゼンタ、ビビッドライトマゼンタ、イエロー)は、光沢紙向けのフォトブラックと、マット紙向けのマットブラックを同時搭載できるようになり、印刷メディアにあわせてドライバ側から自動で切り替えるように変更したのもポイント(従来は2色のブラックインクを手動で切り替える必要があった)。

 さらに、ノズル数は各色180ノズルと同じながら、新エンジンの搭載によりPX-5600に比べて印刷速度を20%ほど高速化。これにあわせてボディ設計を見直し、フレーム剛性を上げることで振動などによる負荷を低減し、紙送りの精度も向上している。同社によると、特にフチなし印刷時の用紙後端部(用紙がローラーから外れた後も紙送りを続ける部分)で画質が向上したとしている。

 LUT(ルックアップテーブル)は、エプソンとマンセル研究所(米ロチェスター工科大学)の共同開発による「LCCS」(Logial Color Conversion System)を引き続き採用。LCCSにより、色域、階調性、粒状性、カラーインコンスタンシーを高いレベルでバランスよく制御し、これまで同様に印刷品質に関する各要素を最適化している。

 “画作り”の部分では従来モデルを踏襲するいわば“正統進化”だが、使い勝手の部分には大幅に手が加えられた。天板をフルフラットにした新デザインのボディは、前面側から給紙し、用紙がスイッチバックして前面側に排紙される機構を採用している。本体奥から給紙するPX-5600は、ストレートパスを採用する他社製プリンタに比べて奥行きのスペースをとらない半面、ラックなどの高い場所に設置した場合は用紙をセットしづらいという声があった。スイッチバックの給紙機構を採用したPX-5Vではこの問題を解消しつつ、ラックに設置した際でも見やすい位置にくる前面側に、2.5型のカラー液晶モニタを搭載している。

 また、インクカートリッジも「大判印刷ではインクをすぐに消費してしまい交換の手間がかかる」という声を反映して、1枚あたりの印刷コストを変えずに大容量化を実現した(エプソンダイレクト販売予定価格は各色2430円、9色パックが2万700円)。このほか、本体背面にはUSBポートに加えて、ネットワーク経由での印刷に対応する有線LANポートも搭載する。本体サイズは616(幅)×369(奥行き)×228(高さ)ミリ(収納時)/616(幅)×814(奥行き)×424(高さ)ミリ(使用時)、重量は約15キロ。

交換の手間を減らす大容量のインクシステムを採用したほか、9色同時に搭載できるようになり、フォトブラックとマットブラックを手動で入れ替える必要もなくなった(写真=左)。前面給紙、前面排紙のスイッチバック機構に改められた(写真=中央)。フルフラットな天板は、印刷物を眺めたりインクが乾くのを待ったりするときちょっと置いておくのに便利だ(写真=右)

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