Vostro V131では“Sandy Bridge”世代のCPUを採用したが、パフォーマンスはどう変わったのだろうか。評価機のシステム構成は、デュアルコアでHyper-Threading対応による、最大4スレッドの同時処理を可能とするCore i5-2410M(2.3GHz/最大2.9GHz)とIntel HM67 Expressチップセットの組み合わせに、2Gバイトのメインメモリ(DDR3-1333)、320GバイトのHDDを搭載し、OSは64ビット版のWindows 7 Professional(SP1)をプリインストールしている。
なお、Vostro V131ではメインメモリを標準で2Gバイト(DDR3-1333)搭載するが、BTOで4Gバイトも選べる。データストレージには2.5インチHDD(7200rpm)を採用しており、評価機におけるHDD容量は320Gバイトとなる。同じくBTOで500Gバイト(7200rpm)や750Gバイト(7200rpm)も選べるが、光学ドライブは搭載できない。
一方で比較用のV130の構成は、旧世代のCore i5-470UM(1.33GHz/最大1.86GHz)、4Gバイトメモリ(DDR3-1066)、500GバイトHDD(7200rpm)、64ビット版Windows 7 Professionalとなる。Vostro V130との違いを検討するために、まずはWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアで確認する。
Vostro V130とVostro V131では、CPUおよびCPUに統合されたグラフィックスコアの性能に依存するグラフィックスとプロセッサのスコアに大きな差が出た。ベンチマークテストでは、PCMark 7、PCMark Vantage、CrystalDislMark 3.0、CINEBENCH R10、CINEBENCH R11.5を行った。Vostro V130はPCMark Vantageの結果を比較すると、ほとんどの項目でスコアは大体が1.4倍から2倍程度の差がつき、3DMark06の結果ではスコアにほぼ2倍以上の差が出た。
ベンチマークテスト項目 | Vostro V131 | Vostro V130 | ||
---|---|---|---|---|
PCMark7 | PCMarks | 2294 | ― | |
lightweight | 1930 | ― | ||
productivity | 1368 | ― | ||
creativity | 4504 | ― | ||
entertainment | 2200 | ― | ||
computation | 9042 | ― | ||
system_storage | 1769 | ― | ||
PCMarkVantage | PCMarks | 6768 | 3982 | |
Memories | 4212 | 2559 | ||
TV and Movies | 4313 | 2754 | ||
Gaming | 4477 | 2651 | ||
Music | 7178 | 5062 | ||
Communications | 6390 | 3302 | ||
Productivity | 6475 | 3546 | ||
HDD | 4979 | 4871 | ||
3DMark06 | 3DMarks | 3695 | 1152 | |
SM2.0 | 1216 | 357 | ||
HDR/SM3.0 | 1482 | 458 | ||
CPU | 3237 | 1733 | ||
CrystalDiskMark3.0 | 1000M | Seq | 96.1 | ― |
512K | 41.40 | ― | ||
4K | 0.608 | ― | ||
4K QD32 | 1.270 | ― | ||
Seq | 93.09 | ― | ||
512K | 59.94 | ― | ||
4K | 1.296 | ― | ||
4K QD32 | 1.353 | ― | ||
CINEBENCH R11.5 | OpenGL | 8.56 | ― | |
CPU | 2.61 | ― | ||
CINEBENCH R10 | Single CPU | 4529 | ― | |
Multi CPU | 9729 | ― | ||
バッテリー動作時間のベンチマークテストは、BBench 1.01(海人氏作)で測定した。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」だ。電源プランはWindows 7標準の「バランス」を利用し、ディスプレイは中間の輝度(レベル8)に設定した。
動作時間の公称値は約9時間30分となっているが、テスト結果は8時間8分でバッテリー残量5%となり、休止状態に移行した。Webサイトの閲覧、テキストの入力などで使うなら、1日中外出する場合でもバッテリーは持つと考えてよさそうだ。
ベンチマークテストで負荷が高い処理が続くと、冷却ファンの音が気になる。本体手前5センチの距離で計測すると、騒音レベルは45デシベルだった(測定条件は、オフィス内で暗静音時33デシベル、室温25度)。合わせて高負荷時のPCの表面温度を測定してみる(室温25度)と、タッチパッド付近が一番が高くて34.6度となり、キーボードは31度、パームレストは約30度となった。通常の作業では、タッチパッド付近でなければ室温とあまり変わらない表面温度となる。
13.3型ワイドで1366×768ドットというディスプレイのサイズはユーザーにストレスを感じさせるほどには狭くはない。ボディも薄く、バッグへの収納性がよい。ただ、画面サイズに比べて重量が1.82キロとやや重い。一方で、バッテリーは8時間程度動作し、仕事をするには申し分ない性能のCPUを備えるという長所もある。
この製品はビジネス向けラインアップに投入されるが、コンシューマーのユーザーにも十分通用する。ビジネス用なのでプリインストールされているソフトがほとんどない代わりに価格が安い、ということを好むユーザーも多い。その価格でも、Core i5シリーズを搭載し、オフィススイートをオプションで選んでも8万円程度。エンターテインメント要素をあまり必要としないユーザーならば“買い”のPCだろう。
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超薄型軽量のスタイリッシュなデザインに高い処理能力と新しいビジネス機能を凝縮。価格は4万9980円(8月16日現在)
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