既報の通り、米Hewlett-PackardのImaging & Printing Group(IPG)が中国・上海でアジア太平洋および日本地域向けのプレスカンファレンスを開催した。IPGの事業戦略で注力しているのはクラウドサービス、特にSMBとエンタープライズ向けのソリューションである。ビオメッシュ・ジョーシ(Vyomesh Joshi)副社長による基調講演では、ハードウェア新製品についてほとんど触れられなかったが、唯一かなりの時間を割いて紹介したハードウェアが、SMB向けに投入する「HP TopShot LaserJet Pro M275」だ。
HP TopShot LaserJet Pro M275は、本体にカメラを搭載し、立体オブジェクトを2D画像でスキャンできる“世界初の複合機”。3方向のLEDライトとカメラを用いて、個別に撮影した6つの画像を合成し、高解像度なスキャン画像を生成する仕組みだ。主にネットショップを運営する中小企業の商品見本や、オークションに出品する際の商品写真といった用途を想定しているという。会場に展示されているデモ機を見た限り、出力サンプルはデジタル一眼レフで撮影した画像と大差がないように感じられが、正確なパースできちんとしたライティングの商品写真を撮るには、カメラやバック紙、PCといった一定の設備が必要になる。その辺りのコストを抑え、製作時間を短縮できるのがメリットだろう(もっとも、原稿台からはみ出るサイズのオブジェクトはスキャンできないが)。
また、Web接続機能を持つ他のモデルと同様に、直接クラウド上にデータをアップロードする機能や、プリンタに固有のEメールアドレスを割り当てることでユーザーがどこにいても印刷できる「ePrint」、コンテンツプロバイダーが提供する100以上のアプリを拡張機能としてプリンタ本体に組み込める「Print Apps」なども利用できる。なお、発売時期や価格も含めて、HP TopShot LaserJet Pro M275の細かい仕様などは、現時点で明らかにされていない。
このほか企業向け製品として、小型複合機「HP LaserJet Pro 100 color MFP M175nw」(349米ドル)をはじめ、モノクロモデルの「HP LaserJet Enterprise M601」(699米ドル)/同「M602」(899米ドル)/同「M603(1399米ドル)、「HP LaserJet Enterprise 500 color M551」(649米ドル)、「HP Officejet Pro 8600 e-All-in-One」(299米ドル)と「HP Officejet Pro 8100 ePrinter」(149米ドル)、および大画面タッチスクリーンを搭載したスキャナ「HP ScanJet Enterprise 8500fn1 Document Capture Workstation」(3199米ドル)も発表している。
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