Aspire Timeline Ultra M3に搭載した“モバイルなKepler”で遊ぶUltrabookで3Dゲームをするぞー!ホントだぞー! (2/3 ページ)

» 2012年04月06日 16時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

消費電力20ワット+αでIntel HD Graphics 3000の5倍

 GeForce GT 640Mの性能検証における比較用としてAcerのAspire S3を用意した。ただし、CPUにCore i7-2637M(1.7GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大2.8GHz)を搭載し、データストレージにSSDを内蔵する。あくまで、ハイエンドのCPUに統合したグラフィックスコアに対するGeForce GT 640Mの性能評価という視点で比較する。なお、Timeline M3では、Optimus Technologyを有効にした状態と、明示的に統合グラフィックスコアを有効にしてIntel HD 3000を用いた状態のそれぞれで測定している。

 用いたベンチマークテストは、3DMark Vantage、PCMark 05、MHFベンチマーク「大討伐」、Final Fantasy XI Official Benchmark 3で、3DMark Vantageの測定では、HDMI端子より外部ディスプレイに接続し、各プリセットを計測している。

3DMark Vantage:3DMarks
PCMark 7:Graphics

MHFベンチマーク【大征伐】
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
消費電力

 3DMark Vantageにおいて、GeForce GT 640Mを搭載するTimeline M3の結果は圧倒的で、P7850 3DMarksを記録している。Timeline M3でIntel HD 3000を有効にした状態と比較して4.5倍、Aspire S3と比較すると5.2倍の開きが出ている。さらに、High設定やExtreme設定では、最大で6.4倍も開きが生じた。

 PCMark 05の総合結果であるPCMarksでは、SSDを搭載するAspire S3が飛び抜けたスコアだが、GPU関連のテストでは、やはりTimeline M3に軍配が上がる。3DMark Vantageほど明確ではないが、約1500ポイントほどスコアに差を付けている。

 MHFベンチマーク「大討伐」(このベンチマークテストのみ、設定条件の制約により1360×768ドットで測定している)は、GeForce GT 640Mを有効にした状態で、Intel HD 3000有効時の約5倍のスコアになる。一方、Final Fantasy XI Official Benchmark 3では、GeForce GT 640M有効時のスコアが一番高いものの、Intel HD Graphics有効時におけるスコアとの差がほかのベンチマークテストと比べて少ない。

 消費電力は、100パーセント充電の状態でコンセントの先に電力計の「Watt's Up Pro」を接続して測定した。ただし、この測定に限りTimeline M3のGPU設定を、GeForce GT 640M有効、Intel HD Graphics 3000有効と明確に指定したそれぞれの状態と、Aspire S3とで比較した。

 OS起動後10分放置した間での最小値は、GeForce GT 640Mを有効にした状態で12.7ワットであるのに対し、Intel HD Graphics 3000有効状態で8.5ワット、Aspire S3は9.3ワットとなった。GeForce GT 640Mを有効化しただけで約4ワット上昇したことになる。一方、Intel HD 3000同士ではほとんど差がない。

 続いて、BBenchを「Web巡回間隔 60秒」「キーストローク間隔 10秒」の設定で実行したときの最大消費電力は、GeForce GT 640M有効時が34.4ワット、Intel HD Graphics 3000有効時で26.8ワット、Aspire S3が22.6ワットとなった。Intel HD Graphics 3000有効時を見ると、Timeline M3がベースとしての消費電力が高いようだ。

 3D描画処理における消費電力の比較では、まず、MHFベンチマーク「大討伐」を実行したときにおける最大値を調べた。Intel HD Graphics 3000を有効にした状態とAspire S3は、どちらも30ワット台だが、ここでも3ワット程度Timeline Ultra M3の消費電力が大きい。一方GeForce GT 640Mを有効にした状態では、Intel HD Graphics 3000を有効にした状態にプラス19ワットほど高い。

 グラフィックスコアに高い負荷をかける3DMark VantageのGT1とGT2の実行時における最大値では、どれもMHFベンチマークテスト実行時より10ワットほど消費電力が増えている。さらに、Intel HD Graphics 3000を有効にした状態をAsprire S3が上回った。測定誤差も考えられるが、ほかにも、高負荷な状態で冷却機能に電力を使ってしまった可能性もあるだろう。Aspire S3は本体サイズが小さいだけに、冷却性能は不利だ。一方、GeForce GT 640M有効状態では、先とほぼ変わらぬ17ワット程度の差がある。GeForce GT 640Mを有効にすることでおよそ20ワット増、ベースの回路部分の消費電力を加えても、GeForce GT 640Mによる消費電力増加は20ワット台半ばあたりになるだろう。

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