Aspire Timeline Ultra M3に搭載した“モバイルなKepler”で遊ぶUltrabookで3Dゲームをするぞー!ホントだぞー! (3/3 ページ)

» 2012年04月06日 16時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

Ultrabook(ただしBASELINE基準)でMidium設定ゲームが動いた!

 GeForce GT 640Mの3D描画性能をゲームタイトルを使ったベンチマークテストで確認してみる。3DMark 11の測定では、3DMark Vantageと同様に、外部ディスプレイに接続して実行している。ゲームタイトルは、Battlefield 3とF1 2011、The Elder Scrolls V:Skyrim(以下、Skyrim)を用いた。解像度はTimeline Ultra M3標準の1366×768ドットをそのまま使い、ゲーム標準のプリセットを変更するかたちで、Frapsからフレームレートをて測定した。

 なお、この検証では、Intel HD Graphics 3000で動かないゲームタイトルもあるため、GeForce GT 640Mのスコアのみを挙げている。

ベンチマークテスト Timeline M3(Optimus有効)
3DMark 11 Entry 2751
Performance 1795.5
Extreme 583.5
Battlefield 3 Average FPS Low 56.908
Midium 47.167
High 39.775
Ultra High 26.375
Minimum FPS Low 53
Midium 40
High 36
Ultra High 24
F1 2011 Average FPS Ultra Low 67
Low 61
Midium 49
High 43
Ultra 28
Minimum FPS Ultra Low 57
Low 52
Midium 42
High 37
Ultra 23
Skyrim Average FPS Low 57.883
Midium 45.578
High 33.711
Ultra 25.939
Minimum FPS Low 47
Midium 36
High 27
Ultra 21

 3DMark 11の各プリセットで測定した結果は、それぞれE2751、P1796、X584となった。デスクトップPC用のハイエンドGPUがP10000に迫る現在の状況では低い値だが、モバイル利用を重視した薄型ノートPCで3DMark 11が動き、P1000以上のスコアを出している時点で評価できる。

 3DMark 11の各プリセットで測定した結果は、それぞれE2751、P1796、X584となった。デスクトップPC用のハイエンドGPUがP10000に迫る現在の状況では低い値だが、モバイル利用を重視した薄型ノートPCで3DMark 11が動き、P1000以上のスコアを出している時点で評価できる。

 Battlefield 3は、キャンペーンモードの「Thunder Run」チェックポイントで、戦車の自動走行シーンを用いて測定した。Battlefield 3のベンチマークテストで、よく利用するシーンだ。さすがにUltra設定では30fpsを超えないが、High設定では、40fps近くをマークした。Minimum FPSでも、High設定なら36fpsと、30fpsを1度も下回ることなく測定を終えた。また、Midium設定なら40fps台、Low設定なら50fps台となった。

 ただし、Thunder Runとマルチプレーヤーモードとでは、“ゲームの快適度”が異なるので注意したい。マルチプレーヤーでHigh設定にすると、画面の描画にひっかかりが生じる。快適なのはMidium設定、マップによってはLow設定も検討しなければならない印象だ。とはいえ、フレームレートの下降傾向をみていると、GPUではなくCPUやメモリなどにボトルネックがあるように感じられる。Battlefield 3は、GPUだけでなくCPU性能もかなりハイスペックを要求するタイトルでなので、このゲームを快適に動かすなら、CPUのスペックも注意してノートPCを選びたい。

 F1 2011は、Ultra設定で28fps、High設定で43fpsとなる。30fpsを超えるのはHigh設定だが、実際にゲームをプレイしてみると、Ultra設定でもプレイには支障ない。ドライビングテクニックの再現とレースの勝利を重視するユーザーには30fps以上が最低条件かもしれないが、レースゲームの雰囲気を盛り上げる「リアルな描画」も重要で、この部分を重視するユーザーなら、画質を落として無理に30fpsを維持する必要はない。

 Skyrimはアクション要素が強いため、30fps以上の確保が目安になる。各プリセットでのフレームレートは、Battlefield 3と似た傾向をみせる。ただし、Minimum FPSとの開きがBattlefield 3よりも大きく、High設定の場合、Average FPSでは30fpsを維持するが、Minimum FPSでは下回る。GeForce GT 640Mでもギリギリ及第点というあたりだ。

省電力で高性能なGPUでノートPCゲーマーが急増するか!

 GeForce GT 640Mのパフォーマンスは、モバイル利用を重視する薄型ノートPCの3D描画性能で常識を打ち破る。“GT”という、ミドルレンジのGPUでも、今回の評価環境である「解像度1366×768ドット」「画質設定はMidium」でPCゲーマーが満足するフレームレートは満たせるだろう。

 もちろん、BASELINEの基準を満たすノートPCをUltrabookと呼ぶことに関しては評価が分かれるだろう。据え置きだった高性能GPU搭載ノートPCが、従来よりはスリムになってして、モバイルが“可能”になったというレベルにあることは否定できない。ただ、外付けGPUを搭載したシステムを13.3型液晶ディスプレイ搭載ノートPCまでサイズダウンするのは、冷却機能の大幅な性能向上なしには課題が多そうだ。

 Ultrabookという枠にはめ込むよりも、ゲームができるスペックを持ち運べる“新たなカテゴリー”と考えれば、無理がないかもしれない。それならば、ゲーム以外にも、モバイルワークステーションのように、大型で高性能なノートを持ち運ばなければならないというニーズをカバーできる。ともかく、需要としてはややピンポイントであるかもしれないが、注目していきたい試みといえるだろう。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  5. QualcommがPC向けSoC「Snapdragon X Plus」を発表 CPUコアを削減しつつも圧倒的なAI処理性能は維持 搭載PCは2024年中盤に登場予定 (2024年04月25日)
  6. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  7. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. AI PC時代の製品選び 展示会「第33回 Japan IT Week 春」で目にしたもの AI活用やDX化を推進したい企業は要注目! (2024年04月25日)
  10. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー