Aspire Timeline Ultra M3に搭載した“モバイルなKepler”で遊ぶ:Ultrabookで3Dゲームをするぞー!ホントだぞー! (1/3 ページ)

» 2012年04月06日 16時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

電力対性能の向上でゲーミングUltrabookが実現する

 NVIDIAによると、「GeForce GT 640M」の性能は、GeForce GTX 285MやGeForce GTX 460Mに相当する一方で、GeForce 600世代のモバイルGPUは、消費電力が従来の半分程度に抑えられているという。これが事実なら、これまで強力な冷却機構や巨大なACアダプタが必要だったノートPCへのハイエンド外付けGPU搭載が、薄いボディのモバイルノートPCでも可能になる。

 Kepler世代のモバイルGPUの登場で可能になるのがな「ゲームができる」Ultrabookだ。Acerの「Aspire Timeline Ultra M3」(以下、Timeline M3)は、CPUにCore i5-2467M(1.6GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大2.3GHz)を、GPUにGeForce GT 640Mを搭載する“Ultrabook”だ。上位モデルでは、さらにCore i7シリーズを搭載するモデルも登場する。

 液晶ディスプレイのサイズが15.6型ワイドで光学ドライブ内蔵、そして、ボディの厚さが20ミリで重さが2.3キロ以下という仕様は、従来ならUltrabookとは呼べなかったが、インテルはCeBIT 2012で、新しいUltrabookのガイドラインとして、“BASELINE”という基準を設けて、その中で、14型以上のディスプレイを搭載する場合、ボディの厚さは21ミリ以下という許容範囲を示している。このBASELINEの基準において、Timeline M3もUltrabookの仲間になる。

 この、厚さ20ミリのボディにTimeline M3は外付けGPUのGeForce GT 640Mを搭載する。CPUのほかに、CPUと同じようなTDPを設定するチップがもう1つ存在するのに、BASELINE基準とはいえ、これまでのゲーミングPCでは想像できないほどにボディを薄くできるのがKepler世代のモバイルGPUの特徴をよく示している。

15.6型ワイド液晶ディスプレイと光学ドライブを搭載する“新基準”のUltrabookとしてCeBIT 2012で登場した「Aspire Timeline Ultra M3」は(写真=左)、GeForce GT 640Mを搭載したことで20ミリの薄型ボディでもゲームが実用的な速度で動く3D描画性能を得た(写真=右)

 Timeline M3の本体サイズは、実測で373(幅)×251(奥行き)×19〜20(厚さ)ミリだった。同じAcerのAspire S3は、13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載して本体サイズは323(幅)×218.5(奥行き)×13.1〜17.5(厚さ)ミリと一回りコンパクトだ。重さも2.1キロに対してAspire S3は1.4キロと、同じUltrabookと称しながら、700グラムもの差がある。ただ、従来の15.6型液晶ディスプレイ搭載ノートPCやゲーミングノートPCとTimeline M3を比べるならば、確かに薄く軽い。

 15.6型ワイドの液晶ディスプレイだが、解像度は1366×768ドットだ。15.6型という大画面なのに1920×1080ドット以上に対応しない。UltrabookのTimeline M3ゆえにバッテリーは交換できないのが建前だが、底面のネジを3個外すと底面全体を覆うパネルが取り外せ、メモリスロット、Mini PCI Expressカードスロット、データストレージにアクセスできる。メモリスロットは1基で、評価機は1枚の4Gバイトモジュールを載せていた。Mini PCI Expressカードスロットには、mSATA対応SSDが1基と、無線LANモジュールを実装する。HDDはHGSTのTravelstar Z5K500「HTS545050A7E380」を搭載しているので、mSATA SSDはそのキャッシュとして利用する。

Acerは、Timeline M3をUltrabookで初めて光学ドライブを内蔵するモデルと訴求する。光学ドライブを内蔵する左側面にはメモリカードリーダも用意する(写真=左)。右側面はインタフェースがなく、主要なものは背面に集中している。USB 3.0に2基のUSB 2.0、HDMI、有線LANなど種類はそろっている(写真=右)

バッテリー交換が簡単にできない点は従来のUltrabookと同様だが、Timeline M3は底面のパネルを外してメモリスロットやデータストレージにアクセスできる。システムメモリはオンボードの2GバイトとSO-DIMM1枚の組み合わせ。2.5インチストレージは7ミリ厚タイプを内蔵する

GeForce GT 640MのCUDAコアは384基!

 GeForce GT 640Mは、CUDAコアを384基内蔵し、リファレンスデザインにおいてGPUのコアクロックは625MHzとされている。グラフィックスメモリは、DDR3、またはGDDR5を利用でき、バス幅は128ビットだが、GDDR5利用時には64Gバイト/秒の帯域が実現するという。NVIDIAの統合型グラフィックスコアと外付けGPUを起動するアプリケーションによって自動的に有効無効を切り替えるOptimus Technologyや、PhysX、CUDA、3D Visionなどに対応するほか、デスクトップPC向けのKepler世代GPUで導入したPCI Express 3.0にも対応する。

 とはいえ、Kepler世代のノートPC向けGPUには、一部の省電力タイプでPCI Express 3.0に非対応なモデルもある。モバイルノートPCでそこまでのグラフィックスデータの帯域が必要になるのか、という意見もあるが、スペック上、注意したいところだ。

GPU GeForce GT 640M GeForce GTX 560M GeForce GTX 460M GeForce GTX 285M
CUDAコア 384基 192基 192基 128基
シェーダクロック 625MHz 1550MHz 1350MHz 1500MHz
GPUコアクロック 625MHz 775MHz 675MHz 750MHz
テクスチャフィルレート 20billion/秒 24.8billion/秒 16.1billion/秒 38billion/秒
メモリ DDR3/GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR3
メモリ転送レート(DDR3) 2.04Gbps
メモリ転送レート(DDR5) 4Gbps 2.5Gbps 2.5Gbps  
メモリ接続バス幅 128ビット 192ビット 192ビット 256ビット
メモリ帯域幅(最大) 64Gバイト/秒 60Gバイト/秒 60Gバイト/秒 61Gバイト/秒
プロセスルール 28ナノメートル 40ナノメートル 40ナノメートル 55ナノメートル

 Kepler世代のGeForce GT 640Mを、GeForce GTX 560M、GeForce GTX 460M、GeForce GTX 285Mの仕様と比較してみた。GPU回りはアーキテクチャが異なることもあり、数の大小で評価できない面もあるが、例えば、GeForce GT 640MとGeForce GTX 560Mを比較すると、CUDAコア数が2倍となり、シェーダクロックは半分をやや下回るまで減っている。テクスチャフィルレートはおよそ同等となる。一方、グラフィックスメモリに関しては、どれも帯域で60Gバイト/秒強で横並びだ。

 GeForce GT 640Mは、グラフィックスメモリにGDDR5を用い、かつ、GPUコアが高クロック動作であることで、グラフィックスコアのバス幅が128ビットと減っているのに、帯域幅は最大になっている。冒頭で紹介したように、NVIDIAは、GeForce GT 640Mのパフォーマンスについて、GeForce GTX 460MやGeForce GTX 285MといったこれまでのノートPC向けGPUで最上位モデルに相当すると主張しているが、少なくとも、帯域幅のスペックでは、そのことの一端を示している。

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