折り曲げ可能、クラウド接続、そしてAR――HPが考えるPCの未来:GIS 2012(1/2 ページ)

» 2012年05月14日 19時00分 公開
[池田憲弘,ITmedia]

液晶一体型PCの進化を振り返る

photo 液晶一体型PCの歴史と将来について説明したステイシー・ウルフ氏

 米Hewlett-Packard(以下、HP)が中国上海で行った事業戦略説明、および新製品紹介のイベント「Global Influencer Summit 2012」のトラックセッションでは、液晶一体型PCの歴史と将来についての説明が行われた。

 製品のデザインを担当するステイシー・ウルフ氏は、同社が1983年に発売したプリンタ内蔵型PC「HP150」を紹介した。ディスプレイはタッチ式で、当時の価格は3995米ドルだったという。当時は業務用に使用していたPCも、現在はライフスタイルに密接に関わる製品となり、価格も安くなった。「ニーズの変化が製品に影響を与える。長い時間をかけ、テクノロジーが生活に溶け込んできた」とウルフ氏は語る。

photophoto HPが開発したプリンタ内蔵型PC「HP150」(写真=左)。製品上部にプリンタを内蔵している(写真=右)

 日本では以前から省スペースを実現する液晶一体型PCへのニーズがあったが、2008年から2011年にかけて欧米でも大きく売り上げを伸ばした。ウルフ氏は大量生産により価格が下がったこと、そしてディスプレイサイズの選択肢が広がったことを理由に挙げた。ディスプレイのサイズは国によって人気が異なるという。例えば20型は中国、21.5型は日本、23型は欧米で人気が高い。

 ウルフ氏は今後、ディスプレイサイズの選択肢はさらに増えると予測している。「テレビには60インチ、70インチのモデルもある。ライフスタイルや文化的な要因で好まれるサイズは異なる。1つのサイズですべてがまかなえるわけではない」(ウルフ氏)

photophotophoto 2008年から2011年にかけて、液晶一体型PCのシェアは大きく増えた(写真=左、中央)。国ごとによって好まれる画面の大きさは異なる(写真=右)

ハードウェアキーボードは必要なくなる?

 ウルフ氏はタッチインタフェースへの対応についても言及した。「2011年から2012年にかけて、PCやタブレットなど、デジタルデバイス全体にタッチインタフェースを採用する流れがある。タッチインタフェースは直感的で、操作が楽。ゲームをしたり、紙に描くようにデッサンするなど、さまざまな用途に用いることができる」と述べた。

 キーボードとマウスを必要とするユーザーインタフェースから、タッチ操作によるインタラクティブなユーザーインタフェースへという流れによって、HPの液晶一体型PCは、リビングにおいても違和感がないようなデザインや、ボディの薄さを追求するとともに、タッチインタフェースに最適な形を目指してきた。

 2011年6月に発売した「HP TouchSmart 610PC」は、独自のスタンド機構「ピタゴラスイング」を採用し、ディスプレイをほぼ寝かせた状態(30度)まで傾けることで、画面をタッチしやすいよう工夫している。こうすることで、絵を描くなどよりクリエイティブな操作にも対応できるのだという。

photophotophoto ニーズや用途の変化とともに、液晶一体型PCの形状も変わってきた(写真=左)。HP TouchSmart 610PCはディスプレイを約30度まで傾けられる(写真=中央)。タッチインタフェースのトレンドの説明では、アイコンなどユーザーインタフェースの変化や、折り曲げ可能なディスプレイの登場について触れた(写真=右)

 PCにおけるタッチインタフェースはマイクロソフトが2012年秋に発売する新OS「Windows 8」で普及すると述べている。「アイコンが大きくなるなど、画面の表示がタッチ操作前提のものに作り替えられるほか、タッチ操作はさらに快適になるように進化する。折り曲げられるディスプレイが登場すれば、ねじる、回すなどの操作も可能となる。今後(従来型の)キーボードを使うことはなくなるだろう」とウルフ氏は語った。

photophotophoto コンシューマー向け液晶一体型PCの歴史(写真=左)。2007年に発売した「HP TouchSmart IQ770」(写真=中央)と、2011年1月に発表したHP Omni 27(写真=右)
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