さすがに調教した2画面MacBook Airは格が違ったオレはOn-Lap 1302の使い手(2/2 ページ)

» 2012年06月01日 18時30分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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MacBook AirとOn-Lapの発色を比較

 まず、MacBook AirとOn-Lapの色域を比べるため、それぞれのICCプロファイル(輝度は120カンデラ/平方メートルに固定した状態)をi1Proで作成し、Mac OS XのColorSyncユーティリティで表示した。色が付いた部分が再現できる色の範囲、グレーで重ねて表示しているのが比較対象で再現できる色の範囲となる。

photophoto MacBook Air(写真=左)とOn-Lap(写真=右)の色域とsRGBを比較した。i1Proで作成したMacBook AirのICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで読み込んだ結果。色が付いている範囲がMacBook Air/On-Lapで再現できる色の範囲で、グレーの範囲がsRGBで再現できる色の範囲を示す
photophotophoto MacBook Airの色域とOn-Lapの色域を比較した。色が付いている範囲がMacBook Airで再現できる色の範囲で、グレーの範囲がOn-Lapの色域で再現できる色の範囲を示す。画面左は上から、画面中央は右から、画面右は左から見た図だ。On-Lapのほうが全体的に色域が大きい。MacBook Airは青などの寒色ではOn-Lapの色域を上回る

 MacBook AirもOn-Lapも、sRGBと比較すると色域は狭く、両者を比較するとOn-Lapのほうが色域が広い。赤や黄色などの暖色で差がある一方で、紫から青にかけての寒色は一部MacBook Airの色域が広い部分もある。

 輝度120カンデラ/平方メートル、色温度6500Kを目標にキャリブレーションした結果のガンマカーブは下図の通り。MacBook AirもOn-Lapも青が1:1のラインから大きく下に外れており、その度合いはMacBook Airのほうが大きい。つまり、MacBook Airのほうが中間調でグレーバランスが崩れやすいといえる。

photophoto MacBook Air(写真=左)とOn-Lap(写真=右)のガンマカーブ。どちらも青が1:1のラインから大きく下に外れており、その度合いはMacBook Airのほうが大きい

2画面の表示傾向を近づけて作業効率アップ

photo Mac OS Xだとカラープロファイルが簡単に切り替えられるほか、ディスプレイごとに別々の壁紙を設定できるところもちょっとうれしい

 オフィス内など、蛍光灯がある屋内で使うぶんには、輝度は低めに設定するほうが目が疲れない。さまざまな輝度で作業をしたところ、MacBook Airの輝度を中間から1〜2つ上くらい(輝度は75〜90カンデラ/平方メートル)に設定すると個人的には違和感なく作業できた。On-Lapの輝度も目視でMacBook Airと合わせるといいだろう。6500Kにキャリブレーションした状態では、輝度の設定は45〜50くらいとなる。

 キャリブレーションを行う前の状態では、MacBook AirよりOn-Lapのほうが色温度が高かったが、On-Lapの設定でRGBをそれぞれR=52、G=50、B=44としたら見た目の色温度がかなり近づいた。輝度と色温度を合わせることで、2画面間の表示の違和感がかなり減り、作業に集中しやすくなったのは収穫だ。今回はMacBook AirとOn-Lapの表示傾向を探るため、測色器を利用したが、目視でOn-Lapの輝度やRGBを微調整するだけでも、ノートPC内蔵ディスプレイとの2画面環境が快適になる。On-Lapのユーザーには、接続するノートPCの表示傾向に合わせた設定のカスタマイズをおすすめしたい。

 ただ、MacBook AirもOn-Lapも色域がsRGBより狭いため、本格的なフォトレタッチや動画編集には別途色再現性の高いディスプレイやキャリブレーションツールを用意したほうがベターだ。

 最後に、Mac OS XにもWindows 7にもディスプレイの色を調節する簡易キャリブレーション機能があるものの、色温度を〜Kに、輝度を〜カンデラ/平方メートルに、色域を〜規格に、といった厳密な調整はできず、勘に頼るとかえってクセの強い発色になってしまう可能性もあるので注意したい。

※なお、今回の測定結果は評価した個体での話であり、製品ごとに表示性能に差がある場合があります

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