「HP ENVY SPECTRE XT 13-2000」は、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のコンシューマー向けプレミアムブランド「HP ENVY」シリーズの13.3型Ultrabookだ。米Hewlett-Packardが2012年5月に上海で開催した「GIS 2012」で発表し、欧米では発売していた製品で、約4カ月が経過して日本市場に登場したことになる。
同社の13.3型Ultrabookとしては「HP Folio 13-1000」に続いて2モデル目となる。Folio 13-1000は、7万円台という価格が魅力的なUltrabookだったが、プレミアムブランドに属する本製品は性能や高級感も重視する。
製品ラインアップは、量販店向けモデル「HP ENVY SPECTRE XT 13-2013TU」と直販限定のHP Directplusモデル「HP ENVY SPECTRE XT 13-2014TU」の2種類で、CPUとストレージのスペックが異なる。今回はハイスペックな直販モデルの使い勝手をチェックした。
まずはボディデザインから見ていこう。本製品と同じくENVY SPECTREの名を冠するUltrabook「HP ENVY14 SPECTRE」は、素材にガラスを多用した、高級感のあるデザインだったが、ENVY SPECTRE XT 13-2000もデザインに注力している。
天面とパームレストはアルミニウム合金で、上品なヘアライン加工を施した美しい仕上がりとなっている。液晶ディスプレイの開閉などで天面を触っても、指紋が目立ちにくいところもいい。底面はマグネシウム合金を採用しており、本体を持ち上げたときに滑りにくくするため、ラバーコートを施してある。
本製品の大きな特徴はサウンド面へのこだわりだ。Beats Audioブランドのステレオスピーカーをキーボードの奥に内蔵しているほか、底面の左右にもスピーカーを1つずつ備えており、Ultrabookとしては珍しく計4つのスピーカーを搭載している。
小型のノートPCは、スピーカーを配置するスペースを取りづらいため、底面に配置する製品もあるが、その場合、どうしても音はこもってしまいがちだ。一方、ENVY SPECTRE XT 13-2000は音がこもることはなく、底面のスピーカーから低音域もしっかりと再生されるので、迫力や臨場感のあるサウンドが楽しめる。専用のツールを使い、音楽/映画などコンテンツに合わせてプリセットされた音響設定を利用できるほか、自分好みのチューニングも可能だ。
本製品の名称にある「XT」とは「eXtra Thin」の略であり、ボディの薄さをアピールするものだ。本体サイズは316(幅)×224(奥行き)×14.5〜17.7(厚さ)ミリで、重量は実測で約1.42キロだった。Folio 13-1000と比べると、3〜4ミリ程度薄くなっている(Folio 13-1000の厚さは18〜20.3ミリ)。
「dynabook R632」や「LaVie Z」といった薄型ボディを特徴とする国産Ultrabookと比べると、厚いものの、全体的にフラットな形状なので、バッグに入れやすい。また、ディスプレイのヒンジ部に傾斜が付いており、手に持って小脇に抱えると、手にちょうどよく収まって使いやすい。
インタフェースは、左側面にUSB 3.0、HDMI出力、ギガビットLAN、右側面にUSB 2.0を1基(電源オフ時の給電に対応)、音声入出力、メモリカードスロット(SDXC対応SDメモリーカードとMMCが利用可能)を備えるほか、液晶ディスプレイの上部に約92万画素のWebカメラとデジタルマイクを内蔵する。無線通信機能は、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0を装備する。
プリインストールOSは64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)だ。Adobe Photoshop Elements 10、Adobe Premiere Elements 10、Cyberlink YouCamなどのアプリケーションが付属する。Photoshop ElementsとPremiere Elementsは使用期限がある体験版でなく、製品版だ。一方、オフィススイートは付属しない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.