富士通は9月18日、報道関係者向けに製品内覧会を開催し、2012年7月に開発を発表した法人向けWindowsタブレット「STYLISTIC Q702/F」を展示した。本製品は、2012年10月初旬に発売する予定で、価格は15万7290円(税込み)だ。
STYLISTIC Q702/Fは、OSにWindows 7 Professionalを採用した法人向けタブレットで、1366×768ドット表示対応の11.6型ワイド液晶ディスプレイを内蔵する。オプションで、着脱式のキーボード・ドッキングステーションを用意しており、タブレットスタイルとノートPCスタイルを状況に応じて使い分けられる。
CPUはCore i5-3427U(1.8GHz/最大2.8GHz)、メモリは4Gバイト(DDR3-1600)、ストレージは64Gバイトのフラッシュメモリを搭載する。仕様を選択して購入できるカスタムメイドモデルでは、暗号化機能に対応した128Gバイトフラッシュメモリを選択したり、インテルのvProテクノロジーに対応するセキュリティチップを搭載可能だ。
インタフェースはUSB 3.0、USB 2.0、HDMI出力、音声入出力、内蔵マイク×2、SDカードスロット(SDXC対応)、500万画素のリアカメラ、92万画素のフロントカメラなどを備える。
無線機能はIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0を利用可能で、センサー類は3軸加速度センサー、ジャイロセンサー、照度センサー、デジタルコンパス、GPSを搭載するほか、本体裏面に指紋センサーを搭載した。
ドッキングステーション側のインタフェースは、ギガビットLAN、アナログRGB出力、USB 2.0×2を装備する。キーボードは日本語86キー配列で、主要キーのキーピッチは約17ミリ、キーストロークは約1.7ミリだ。
実際に文章を打ってみたが、このサイズのモバイルノートPCと比べれば、キーピッチは広く、キーストロークも深めなので、快適にタイピングが行えた。キーの反発も適度で、強めにタイプしてもたわみは感じない。充実したインタフェースやキーボードの仕様からは、仕事における使いやすさにこだわったことがうかがえる。
タブレット本体に内蔵するバッテリーの容量は34ワットアワーで、バッテリー動作時間は約4.6時間。キーボードドックに内蔵するバッテリーの容量は45ワットアワーで、ユーザーによるバッテリーの着脱が可能だ。キーボードドック装着時には、バッテリー動作時間が約10.2時間まで増加する。
本体サイズは302(幅)×195(奥行き)×12.7(厚さ)ミリで、重量は約850グラム。キーボードドック装着時には、厚さが26.1ミリ、重量は約1750グラムとなる。キーボードドックを装着した状態で手に取ってみたが、片手で持ち上げるのは厳しかった。ただし、11.6型のノートPCとして考えれば決して重くはない。タブレット単体で持ち歩くのもいいが、キーボードドックと合体したまま持ち歩くことも十分可能だと感じた。
STYLISTIC Q702/FはWindows 8に対応しており、ユーザー自身でアップデートできる。対応するドライバも富士通が用意する予定だという。OS発売後にはWindows 8を搭載するモデルも発売されるが、「使用するOSが切り替わるのには時間がかかる」(説明員)ことを考慮し、Windows 7搭載モデルとの併売となる。
本製品は、発表後の反響が大きく、さまざまな企業から製品の詳細な仕様の説明や、製品のデモを求められたという。「社内にいるときはノートPCのように使い、外出時はタブレットとして使えるという点が好評で、多くのニーズを満たせるところが注目された」(説明員)そうだ。
CPUやメモリといった基本性能が高く、アプリケーションもサクサクと動くものの、タブレット向けのOSではないため、やはりタブレット単体での操作性はあまり良くない。となるとWindows 8の導入が期待されるが、業務においてタッチ操作を使うのか、アプリストアはいらないんじゃないか、などという意見もあり、「Windows 8を導入しても、しばらくは今までと同じような使い方をすることが多いのでは」(説明員)と考える人も多いという。
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