そもそも“PCオーディオ”って何だろう?特集“PCオーディオ”へのお誘い(1)(2/3 ページ)

» 2012年10月15日 14時36分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 具体的な製品としては、オーディオテクニカの「AT-HA40USB」や、ラトックシステムの「RAL-24192HA1」など。もう少し予算が許すのなら、HRTの「MusicStreamerシリーズ」あたりもケーゲットに入ってくる。いずれにしても、コストパフォーマンスの高い製品たちだ。

オーディオテクニカの「AT-HA40USB」(左)とラトックシステムの「RAL-24192HA1」(右)

 さて、システムプランを考えるうえで、まず最初に決めなければならないのが、

  • 手軽さ、省スペース重視(一体型に近いコンポーネント)
  • 拡張性重視(機能ごとに個別のコンポーネントをそろえる)

 というチョイスだ。一体型にすれば、スペース的には大変有利だが、アイテム数がかなり限られてしまうし、なによりもグレードアップしていく楽しみをあきらめてしまうことになる。それをふまえた上で、現在市場に存在する製品から4パターンのシステムを提案したい。

1. 一番お手軽、一体型スピーカープラン

PC→USB DAC機能付きパワードスピーカー

2. 最も省スペース、手持ちのヘッドフォン活用プラン

PC→USB DAC機能付きヘッドフォンアンプ→ヘッドフォン

3. パワードスピーカープラン

PC→USB DAC→パワードスピーカー

4. 拡張性抜群 全機能単体プラン

PC→USB DAC→アンプ→スピーカー

 要するに、どんなスピーカーを使うかが最初の選択になる。PCオーディオもオーディオの1つ、やはり音の出口であるスピーカーのチョイスが最も重要なポイントとなっているのだ。

 スピーカーには、大きく分けて、PCで使われているものと同じくアンプを内蔵したパワードスピーカー(アクティブスピーカー)と、オーディオの世界でメインとなっているアンプ非内蔵のもの(パッシブスピーカー)という2タイプがある。これらはあくまでも形式が異なるだけで、方式そのものに優劣があるわけではない。特に近年はDTM(デスクトップミュージック)の盛況ぶりもあって、良質なパワードスピーカーも数多く存在する。ゆえに、まずはスピーカーの音を聴いて気に入った製品を選び、それがどちらの形式化によって、システムプランを考えるのが得策だろう。

 1を選んだ場合のオススメ製品は、オラソニック「TW-S7」やクリプトン「KS-1HQM」など。どちらもUSBケーブルで接続するだけという、PC付属のスピーカーと大差ない手軽さだが、音質的には格段の違いを見せてくれる。手軽にPCオーディオの可能性や醍醐味を味わいたい場合は、これらの“高級PCスピーカー”的製品をチョイスするのが望ましい。

オラソニック「TW-S7」(左)とクリプトン「KS-1HQM」(右)。最近、オラソニックからは小型版の「TW-S5」が登場。クリプトンは上位モデルとして192kHz/24bitまでサポートする「KS-3HQM」をリリースした

 スピーカー選びにちょっと迷いそう、もしくは今まさに迷っている最中という人は、まずは手持ちのヘッドフォンでPCオーディオを楽しむという、2のプランを推薦したい。このプランの場合、USB DAC機能の付いたヘッドフォンアンプ(ヘッドフォンアンプ付きUSB DACと紹介されている製品もある)を入手するだけで、PCオーディオを始められるからだ。

 先にUSB DACとしてあげたもののうち、オーディオテクニカの「AT-HA40USB」やラトックシステムズの「RAL-2496HA1」は、ヘッドフォンアンプも搭載しているので、そういった価格帯の製品をチョイスするのが最もオススメとなる。しかしながら、そのほかのアイテムを購入しなくても良いのだったら、思い切って一点豪華主義に徹するのも良いだろう。

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