Dell、総額244億ドルでの株式非公開化を発表 Microsoftは20億ドル融資

» 2013年02月06日 06時24分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Dellは2月5日(現地時間)、創業者のマイケル・デル会長兼CEOと米投資ファンドのSilver Lakeが率いる企業グループが同社を買収し、非公開化することで合意に達したと発表した。買収総額は244億ドル。手続きは、デルの2014年第2四半期末(2013年7月末)までに完了する見通し。

 このLBO(Leveraged Buyout)では、うわさ通り米Microsoftが20億ドルを融資する。同社は声明文で「MicrosoftはPCエコシステム全体の長期的成功にコミットしている」と発表した。

 株主には、非公開化のうわさが伝えられる前の1月11日の終値(1株当たり10.88ドル)より25%高い1株当たり13.65ドルを支払う。

 dell マイケル・デル会長兼CEO

 株式の非公開化により、迅速な意思決定や長期的な開発戦略を可能にするねらい。非公開化後もデル氏がCEOを務める。同氏は発表文で「この買収は、Dellと顧客、従業員にとっての新たな章の幕開けだ」と語った。

 デル氏は1984年、19歳で同社を立ち上げ、1992年にはFortune 500社で最も若いCEOとなった。

 Dellはかつては米Hewlett-PackardとPC市場で首位を争っていたが、2011年第3四半期に中国Lenovoに抜かれ、3位に落ちた(米Gartnerの調査)。Gartnerによると、2012年通年の世界でのPC出荷台数は、タブレットやスマートフォンの普及の影響もあり、前年比3.5%減の3億5270万台。Dellはタブレット開発でも後れを取っている。

 HPは同日、Dellの非公開化についての声明文を発表し、「LBOはDellの顧客とイノベーションを置き去りにすることにつながる。Dellの顧客は代替を探すことになり、HPはこの機会を生かす計画だ」と語った。同社も2期連続の赤字と業績不振で、向こう数年にわたる再建計画に取り組んでいる。

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