インタビュー
» 2013年04月10日 09時00分 公開

「ProjectM」の挑戦:アキバの元カリスマ店員“M氏”が語る――今なぜ独自PCパーツブランドなのか? (2/2)

[後藤治,ITmedia]
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製品開発からアキバを支援したい

―― ProjectMの紹介を読むと、ターゲット層はPCマニアのほかに「初心者」も含まれていました。ブランド第1弾はいきなりmSATA関連でしたが、初心者向けにはどういったものを企画していますか?

森田氏 初心者向けにはHDDケースですね。2モデルあって、1つは7ミリ厚SSD限定のケース。これはケース側の厚さが8.8ミリと限界まで薄くしています。もう1つは2.5インチケースですが、こちらはUSBハブがついていて、NUCの本体の下に重箱のように重ねられる構造になっています。NUCはUSBバスパワーの電力供給が弱いという話があり、5ボルト/2アンペア出力に対応したUSB 2.0ポート(NUC自体がUSB 3.0非対応なのでUSB 2.0にしている)を載せて、充電にも便利に使えるようにしました。これは来月末予定で製品化に動いています。

―― 森田さんといえばやはりT-ZONE時代を思い出します。その後、FreeTも含めると2度の閉店がありましたが、自作の街としてのアキバの移り変わりをどう捉えていますか?

森田氏 最近になって縮小傾向は緩やかになったと思いますが、それでもこのまま何もしなければ、ただモノを売っているだけのお店は厳しいかもしれません。これは秋葉原がどうだからということではなく、インターネットが便利になって、わざわざショップに行かなくてもモノを買うことができるから。名物店員も少なくなりましたしね。

 でもその一方で、そのお店に行かないとない商品がそろっている、ゲームやストレージに特化している、接客に優れた優秀なスタッフがいる、そうした特徴のあるお店は生き残っていくと思います。お店に行く動機として、実際にモノを触らないと分からない質感的な部分を確認したり、経験豊富なスタッフのアドバイスを聞けるというのもそうですが、もっと単純に「あのショップには誰々がいるからまた行こう」と思ってもらえるのも重要です。

 PCパーツショップは小売りではなく、接客業だと思っています。ただモノを売るだけでなく、お客さまの立場になって考えて接客すること。例えば、「今これを使っているんだけどこういう用途で変えたい」「一部だけパーツを追加したい」「新規でコンパクトなマシンを作りたい」と相談されたときに、自分が客の立場なら何を案内されれば1番いいかを常に考えて接客してきました。

 だから場合によっては、「その用途だとオーバースペックなのでこっちでいいですよ」ともっと安い商品を案内する、あるいは「それならもう少し待って近日発売予定のこっちにする手もあります」と説明して、ごく短期的に見たらお店の利益にならない提案をすることもあります。相手が常連さんなら「最近かなり買ってますけど大丈夫ですか? 今回のは見送って次のにしましょうよ」と言ってみたり。でも逆に「いやー、コレ来ましたよ! 買うしかないでしょ!」と勧めることもできるんです。

 当たり前のことかもしれませんが、一回売って終わりということはないので、常にそのときのベストを提案して、最終的に気持ちよく買い物をしていただき、お客さまに「またくるよ!」とか「こないだのよかった!」と言ってもらえるのを目指していました。

 今回立ち上げたProjectMでは、それらの延長線上として、お客さまの買い物を楽しませる商品を企画、開発し、アキバの自作を応援していきたいと思っています。

―― ありがとうございました。



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