色調整済みの超高精細ディスプレイで、より美しいUltrabookへ――。
2013年PC春モデル最後の“大物”が東芝から登場した。同社が4月18日に発表した「dynabook KIRA V832」は、3月に発表済みの「dynabook V632」を大幅に強化した13.3型Ultrabookの上位モデルとなる。
2011年秋冬モデルから展開していた「dynabook R632/R631」がビジネス利用も視野に入れたUltrabookである一方、V632とV832は写真の編集や動画の視聴など、個人向けの利用シーンを強く意識したシリーズであり、音質や画質に注力しているのが特徴だ。
V832は13.3型ノートPCとしては「13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」の2560×1600ドットに次ぐ2560×1440ドットという超高精細なディスプレイを採用し、Windows搭載ノートPCでは最高クラスの画素密度を実現した。工場出荷時にカラーキャリブレーションを行う色再現性へのこだわりも見逃せない。また、V632では省かれていたタッチパネルを採用するなど、ノートPCのディスプレイとしては実にぜいたくなスペックに仕上がっている。
今回は東芝ダイレクト限定で販売される直販モデルを入手したので、使い勝手や液晶の美しさ、そして性能を見ていこう。
ボディの素材はマグネシウム合金で、天面から側面、底面に至るまですべてシルバーで統一している。底面から側面までを一体化し、ボディの剛性を高めるバスタブ構造により、堅牢性を強化しつつ継ぎ目がない外観を実現した。dynabookおなじみのねじれやひねりに強い「ハニカムリブ構造」も健在だ。
天板やパームレストには横方向のヘアライン加工を施し、金属の質感あふれるボディに仕上がっている。手触りもよく、指紋が目立ちにくいところはうれしい。光を反射して輝く一方で、落ち着きのある上品な雰囲気も兼ね備えたデザインだ。
ボディサイズは316(幅)×207(奥行き)×9.5〜19.8(厚さ)ミリとタッチパネル搭載Ultrabookとしては薄くはない。タッチパネルを搭載しないdynabook V632と比較すると、厚さは1.9ミリ、重さは約140グラム増えた。しかし、前方に向かって薄くなるくさび形のフォルムのおかげで手にすると見た目以上に薄く感じられるし、バッグへの出し入れも楽に行える。重量はカタログ値で約1.35キロ、評価機は実測で1.273キロだった。タッチパネル付きの13.3型Ultrabookとしては魅力的な重量で、長時間の持ち運びにも向く。
インタフェースは薄型のUltrabookとしては健闘している。特に合計3基のUSB 3.0(左側面のうち1基はスリープ時の給電対応)を両側面に詰め込んでいるのは目を引く。そのほか、HDMI出力、マイク/ヘッドフォン共用端子、SDXCメモリーカード/MMC対応カードスロットを装備し、ディスプレイ上部には92万画素のWebカメラを備える。
底面の左右にはハーマン・インターナショナルと共同開発した「harman/kardonスピーカー」を実装し、音質調整ソフトウェア「dts Studio Sound」を用意する。dts Studio SoundではPC本体のスピーカーと外部出力それぞれでイコライザーの細かい調節ができるほか、サラウンド効果などの設定も行える。自分好みの音質を設定することで、エンターテインメントコンテンツの視聴がさらに快適になるはずだ。
実際に音楽などを聞いてみると、消えてしまいがちな低音が効いており、Ultrabookとしては迫力がある音だと感じた。ただし、底面にスピーカーがあるので、机の上に置く場合はしっかりと音が響くが、ひざの上に置いて使うと音がこもりがちになる点は注意が必要だ。本製品もほかのdynabook製品と同様、スリープアンドミュージック機能に対応しており、PCのスリープ/電源オフ時に本機をスマートフォンなどの外部スピーカーとして利用できる。
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