スマホのUSB給電でノートPCが動作可能に――拡張規格「USB PD」の技術デモ:USB 3.0はさらに2倍速へ(1/2 ページ)

» 2013年04月19日 18時00分 公開
[本間文,ITmedia]
USB Power Deliveryのデモの様子

 USBの規格策定や互換性検証などを行なう普及促進団体USB Implementers Forum(USB IF)は、Intel Developer Forum Beijing 2013において、昨年7月に策定された最大100ワットのUSB給電を実現する拡張規格「USB Power Delivery」(以下、USB PD)の技術デモを披露した。

 USB-IFの議長兼COO(Chief Operating Officer)を務めるジェフ・レーベンクラフト氏は「USB PDは、USBの給電量を増やすだけではない。USB PDに対応したデバイス同士であれば、例えばスマートフォンをノートPCの非常用バッテリーとして電力を都合しあえるようになる」とその利便性をアピールする。

 IDF Beijing 2013のUSB PDのデモでは、デルの液晶ディスプレイを改造してUSB PDポートを搭載し、そこからUSBケーブル1本でThinkPadを充電・駆動する技術デモが公開された。しかも、同デモではUSB給電を行なっているデルの液晶ディスプレイをUSB接続のセカンドディスプレイとして動作させ、給電だけでなくデータ転送も並行して行なえるUSBの柔軟性を強調していた。

 なお、レーベンクラフト氏によれば、今回の技術デモでは、ThinkPadの充電ならびにAC駆動のために、デルの液晶側で19ボルトを生成し、本来はUSB BC専用の受け側コネクタを通じて電源回路に供給される電力を、外部基板を通して20ボルトに変換して供給しているとのことだった。むろん、将来的に市場投入されるUSB PD対応デバイスは、これらの回路を本体内部に搭載することになる。

デルの液晶ディスプレイの台座部にあるUSBポートを改造してUSB PD対応させ、ここからThinkPadにUSBケーブル1本で電力を供給。ThinkPad側はUSBケーブル以外接続されていないことが分かる

USBケーブルをACアダプタとして認識し、フルチャージされていることが確認できる(写真=左/中央)。ThinkPad側は、USB PDに対応した外部回路で電源供給を行なっていた(写真=右)

さらにデルのディスプレイをThinkPadのセカンダリディスプレイとして利用し、ビデオを再生。USB-IFの議長兼COOを務めるジェフ・レーベンクラフト氏は、「USBケーブル1本でデータも大容量のパワーも扱えるようになるので、さらに利便性が向上する」とアピールした

 USB PDの利用にあたっては、送り側と受け側にUSB PDに対応した電力コントロールICを搭載する必要があるほか、ケーブルもより高電圧・電流に対応した専用ケーブルが必要となる。また、各デバイスは搭載するバッテリー容量などに応じての以下の5種類のプロファイルが用意される。

Profile 1:10ワット(5ボルト×2アンペア)

Profile 2:18ワット(5ボルト×2アンペア、12ボルト×1.5アンペア)

Profile 3:36ワット(5ボルト×2アンペア、12ボルト×3アンペア)

Profile 4:60ワット(5ボルト×2アンペア、12ボルト×3アンペア、20ボルト×3アンペア)

Profile 5:100ワット(5ボルト×2アンペア、12ボルト×5アンペア、20ボルト×5アンペア)

 なお、microUSBコネクタの最大電源供給量はProfile 4の60ワットまでのサポートとなる。レーベンクラフト氏が語ったように、仮にスマートフォンがProfile 4に対応していれば、ノートPCから充電に必要な電圧や電流量がスマートフォンのUSB PD対応電源コントーラICに伝達され、ノートPCに最適な電力が供給されるという仕組みだ。

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