東芝“本気”の超高解像度Ultrabook、その実力は?――「dynabook KIRA V832」徹底検証(後編)店頭モデルは本日発売(2/3 ページ)

» 2013年04月24日 09時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

Ultrabookでは最高クラスのパフォーマンスか

 それではベンチマークテストを行おう。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、容量8Gバイトのメモリが7.5、256GバイトSSDを搭載するプライマリハードディスクのスコアは8.0と高い一方で、グラフィックスが最も低く5.7となった。SSDの速度はCrystalDiskMark 3.0.2で測定したところ、シーケンシャルリード/ライトやランダム512Kの速度が400Mバイト/秒を超えるなど非常に高速であった。

photophoto Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(写真=左)と、CrystalDiskMark 3.0.2のスコア(写真=右)

 ベンチマークテストは、総合的な性能を評価するPCMark 7、3D描画性能をチェックする3DMark Vantageと3DMark06、そしてゲーム系のストリートファイターIVベンチマークとモンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】を実行した。

 参考までに2013年春モデルのUltrabookである「ZENBOOK Touch UX31A」と「VAIO Duo 11」とスコアを併記する。グラフィックス関係のスコアはZENBOOK Touch UX31AとVAIO Duo 11がやや勝るが、2013年春モデルのUltrabookとしては最高クラスのパフォーマンスを備えていると言える。

テストしたマシンの主な仕様
機種 dynabook KIRA V832 ZENBOOK Touch UX31A VAIO Duo 11
分類 Webオリジナル(直販)モデル 店頭モデル VAIOオーナーメード(直販)モデル
CPU Core i7-3537U(2.0GHz/最大3.1GHz) Core i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz) Core i7-3687U(2.1GHz/最大3.3GHz)
チップセット Intel HM76 Express
メモリ 8Gバイト(4Gバイト×2、DDR3-1600)
データストレージ 256GバイトSSD 512GバイトSSD
液晶ディスプレイ 13.3型ワイド(2560×1440ドット) 13.3型ワイド(1920×1080ドット) 11.6型ワイド(1920×1080ドット)
グラフィックス Intel HD Graphics 4000
photophotophoto PCMark 7(写真=左)と3DMark Vantage(写真=中央)、3DMark06(写真=右)のスコア。スペックがほぼ同等なこともあり、スコアに大きな違いはない
photophoto ストリートファイターIVベンチマーク(写真=左)とモンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】(写真=右)のスコア。大きな差はないものの、CPUの性能が最もよいVAIO Duo 11のスコアが最も高い

バッテリー実動作時間は7時間以上

 バッテリー動作時間はBBench 1.01(海人氏・作)を利用して測定した。無線LAN経由でネットに常時接続し、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」の設定でテストを行った。Bluetoothとキーボードバックライトはオンにし、電源プランは「バランス(ディスプレイ輝度40%)」を利用した。

 この条件で、バッテリー満充電の状態から残量2%で休止状態に入るまでの時間は約7時間22分だった。公称のバッテリー動作時間である約9時間30分には及ばないが、常時インターネットに接続してこれだけ持つならば、外出先の作業で使う場合でも及第点といえる。出先で写真を撮影し、Photoshopで編集するといった用途でも問題なく使えそうだ。

 さらにバッテリー動作時間を延長させたいならば、消費電力を確認しつつ省電力設定を行える「東芝ecoユーティリティ」を使うのもいい。電源プランをecoモードにすれば、ディスプレイの暗転やスリープへの移行までの時間が変わるほか、キーボードバックライトがオフになる。こうすることで、もう少しバッテリー動作時間を延長できる。

photophoto PCの消費電力を押さえる東芝独自のソフト「東芝ecoユーティリティ」。消費電力を確認しつつ、各種設定を行える。ecoモード使用前(写真=左)と使用後(写真=右)
photo ACアダプタは小型かつ軽量で、持ち運びも苦にならない。ケーブルが2ピンでかさばらないところもよい

 ACアダプタも82(幅)×35(奥行き)×25(高さ)ミリと小型で、重量もケーブル込みで208グラムと軽い。ACアダプタを持ち歩く場合も、バッグの中でじゃまになりにくい。

 一方で、発熱と騒音については気になる部分がある。dynabook KIRA V832はベンチマークテスト実行時など、高い負荷がかかると背面の排熱口から温風が勢いよく排出され、ファンの音がはっきりと聞こえる。PCMark 7実行中に本体手前5センチの位置で騒音を計測すると約45デシベル(暗静音時約30デシベル)だった。

 騒音とともにファンの付近はかなり発熱する。ディスプレイの下部やヒンジ中央部分の温度は最高で約46.5度まで上がり(室温23度)、熱くて触れないほどだった。とはいえ、3Dゲームでもしない限りはこれほどの負荷がかかることはまずないし、Webブラウズなどの用途では騒音や発熱は気にならない。仮にヒンジが発熱しても、パームレストまで熱は伝わらない。キートップが少し温かいという感覚はあったが、タイピングも問題なく行える範囲だ。なお、負荷がかかれば底面も発熱するが、排気口やCPUクーラー内蔵部が中心でキーボードの下やボディの端は高負荷時でも熱くならない。

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