東芝“本気”の超高解像度Ultrabook、その実力は?――「dynabook KIRA V832」徹底検証(後編)店頭モデルは本日発売(3/3 ページ)

» 2013年04月24日 09時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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Ultrabookを次のステージに導く先進仕様が魅力

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 以上、3回に渡ってdynabook KIRA V832をレビューしてきた。最大のウリは、何といっても2560×1440ドットの高解像度ディスプレイだ。画面に目を近づけてもドットの1つ1つが判別できないほど表示は精細で、工場出荷前の色調整により、色合いも鮮やかだ。ここまで画質にこだわったUltrabookは他になく、高画素の写真やHD動画を表示したときの美しさには驚くだろう。

 本機は下位モデルの「dynabook KIRA V632」と異なり、10点マルチタッチに対応するタッチパネルも内蔵している。Windows 8のスタート画面やWindowsストアアプリなどの操作が楽に行える一方で、V632と比べて厚みは1.9ミリ、重さは140グラム増えた。「クラムシェル型のUltrabookでタッチ操作はしない。重くなるくらいならタッチパネルなんていらない」と思う人はいるかもしれない。

 しかし本機を利用すると、高精細なディスプレイとタッチ操作の相性がよいことに気付く。高画質の写真をパラパラとスワイプでめくったり、電子書籍(特に漫画)を読んでいると、高解像度のタブレットを操作しているような気分が味わえた。既存のUltrabookとは明らかに違った快適さがあり、実機を触ればタッチパネルの重要性がすぐに分かるはずだ。

 これまでのモバイル用Ultrabookは、どちらかといえば個人用途よりもビジネス色が強い製品が多かった。東芝の「dynabook R632」などもそうだ。シンプルなデザイン、持ち運びやすい薄型軽量なボディ、外出先でも使いやすい高速起動……これらの特徴がビジネスシーンと相性がよいのも事実だ。

 dynabook KIRA V832は、ここにマルチタッチ対応の超高精細ディスプレイという付加価値をもたらし、美麗なデザイン、低音域が効いたharman/kardonスピーカー、打ちやすいキーボード、3基のUSB 3.0なども盛り込むことで、プライベートユースにこだわり、差別化しづらいUltrabook製品において独自のポジションを開拓した。

 アップルの「MacBook Pro」が先行していたPCディスプレイの「高画素密度化」は、本機をもってついにWindowsのUltrabookにも適用されたことになる。これをきっかけに、今後Ultrabookでもディスプレイの高精細化が一層進むに違いない。ただ、他メーカーのUltrabookが解像度で追いついたとしても、REGZAブランドで東芝が培ってきた色調整技術というアドバンテージは残るだろう。

 本日(4月24日)、ついにdynabook KIRA V832の店頭モデルが発売される。価格は17万円前後と他のUltrabookに比べて少し高額だが、店頭で実機に触れれば価格に見合った価値があるとすぐに分かるはずだ。何よりフルHDを超える解像度を実現したUltrabookはこれしかない。2013年春モデルで最も注目すべきマシンの1つであり、今Ultrabookを買おうとするなら間違いなく筆頭候補となる1台だ。

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