それでは定番のベンチマークテストでNEXTGEAR-NOTE i410の性能をチェックしていこう。今回の評価機は、4モデル用意される標準構成のうち、CPUにCore i7-4700MQ(2.4GHz/最大3.4GHz)、8Gバイトメモリ、128GバイトSSD+1TバイトHDDを搭載する、下から2番目の「NEXTGEAR-NOTE i410SA1」だ。
Haswell世代のモバイル向けクアッドコアCPUであるCore i7-4700MQは、Hyper-Threadingで8スレッド同時処理が可能なほか、Turbo Boost 2.0時はクロックが最大3.4GHzまで跳ね上がる。また、GeForce GTX 765MもGPU Boost 2.0時には、定格の850MHzを超えるクロックで動作する。これらの強力なシステムを13.3型ボディに詰め込む一方で、システムドライブ用の128GバイトSSDと、データ用の1TバイトHDDを組み合わせることにより、性能と価格のバランスをうまくとっているのが本機だ。
NEXTGEAR-NOTE i410のラインアップ | ||||
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モデル名 | NEXTGEAR-NOTE i410BA1 | NEXTGEAR-NOTE i410SA1 | NEXTGEAR-NOTE i410GA1 | NEXTGEAR-NOTE i410PA1 |
CPU | Core i7-4700MQ(2.4GHz/最大3.4GHz) | Core i7-4700MQ(2.4GHz/最大3.4GHz) | Core i7-4800MQ(2.7GHz/最大3.7GHz) | Core i7-4900MQ(2.8GHz/最大3.8GHz) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 765M(GDDR5 2GB) | NVIDIA GeForce GTX 765M(GDDR5 2GB) | NVIDIA GeForce GTX 765M(GDDR5 2GB) | NVIDIA GeForce GTX 765M(GDDR5 2GB) |
メモリ | DDR3L 4GB(PC3-12800) | DDR3L 8GB(PC3-12800) | DDR3L 16GB(PC3-12800/デュアルチャンネル) | DDR3L 16GB(PC3-12800/デュアルチャンネル) |
ストレージ | 320GB HDD(5400rpm) | mSATA SSD 128GB + 1TB HDD(5400rpm) | mSATA SSD 128GB + 1TB HDD(5400rpm) | mSATA SSD 256GB×2(RAID 0) + 1TB HDD(5400rpm) |
チップセット | Intel HM87 Express | Intel HM87 Express | Intel HM87 Express | Intel HM87 Express |
ディスプレイ | 13.3型ノングレア液晶(1920×1080ドット) | 13.3型ノングレア液晶(1920×1080ドット) | 13.3型ノングレア液晶(1920×1080ドット) | 13.3型ノングレア液晶(1920×1080ドット) |
OS | 64ビット版Windows 8 | 64ビット版Windows 8 | 64ビット版Windows 8 | 64ビット版Windows 8 |
価格 | 11万9700円 | 13万9860円 | 16万9890円 | 22万9950円 |
テストしたのは、日常操作をシミュレートしてシステムの総合性能を測るPCMark 7と、3D描画性能を測る3DMark、3DMark 11、3DMark Vantageの4つ。これに加え、ゲームベンチとしてFINAL FANTSY XIVベンチマークワールド編、ストリートファイターIVベンチマーク、MHFベンチマーク【絆】も実施している。
なお、一部のテストでは、Core i7-4700MQ(2.4GHz/最大3.4GHz)と、モバイル向けの最上位GPUであるGeForce GTX 780M(GDDR5 4Gバイト)を搭載する17型ゲーミングノートPC「NEXTGEAR-NOTE i980BA1」(ただし評価機はSSD搭載)を比較対象として挙げている。価格は8万円近くNEXTGEAR-NOTE-i410SA1のほうが安いがどのくらいの性能差があるだろうか。
まずはWindowsエクスペリエンスインデックスの結果だ。個別にみると、CPUとメモリが7.8、グラフィックスが最も低い5.1、ゲーム用グラフィックスが6.8、ハードディスクのスコアが8.1と8の大台を超えた。システムドライブにSSDを採用している影響もあって、アプリケーションの起動が速く、快適にWindows 8の操作が行えた。
次にCrystalDiskMarkを実施し、ストレージの性能についても検証した。結果はシーケンシャルリードが約329Mバイト/秒、シーケンシャルライトが180Mバイト秒と、昨今のSSDとしては振るわない結果となってしまった。最近ではSATA 3.0(6Gbpps)の限界を超える、PCI Express接続のM.2 SSDも出始めており、やや惜しい部分ではある。なお、BTOメニューには、2基のSSDによるRAID 0の構成がプラス1万5750円で用意されているので、性能にこだわるのであればそちらを選びたい。
PCMark 7の結果を見ると、CPUとともにGPU演算性能が影響するComputationのスコアでNEXTGEAR-NOTE i980BA1に差をつけられているものの、NEXTGEAR-NOTE i410SA1も全体的に高いスコアで肉薄している。比較対象がゲーミングノートPCの最高峰であることを考慮すれば、素晴らしい結果といえるだろう。
一方、3D描画性能を測る3DMark、3DMark 11、3DMark Vantageでは、GeForce GTX 780M(GDDR5 4Gバイト)を搭載するNEXTGEAR-NOTE i980BA1に大きく後れをとる結果となった。具体的には3DMarkのGraphicsで197%〜223%、3DMark 11のGraphicsで184%〜201%、3DMark Vantageで150%〜202%ほどの差になっている。とはいえ、Core i7-4700MQに内蔵されるIntel HD Graphics 4600や、GTXではない下位グレードのGT 740Mなどに比べれば、ゲーミングPCを名乗るにふさわしいスコアでもある。“プレイ可能”ではなく、“きちんと楽しめる”レベルで3Dゲームを動かせる性能は備えていると言っていいだろう。
FINAL FANTSY XIVベンチマークワールド編では、デフォルトの標準品質で1万を軽く突破し、1920×1080ドット/標準品質設定で7365(非常に快適)、1920×1080/高品質で4492(快適)、1920×/最高品質で3546(快適)と、それほどエフェクトに気をつかわなくても十分に楽しめることを示すスコアをマークした。また、ストリートファイターIVベンチマーク(1280×720ドット)は26520/259.89fps、MHFベンチマーク【絆】(1280×720)も12027と、古めのゲームであれば問題なくプレイできる性能を備えているのが分かる。
なお、システムに高い負荷をかけるベンチマークテスト中は、左側面の排気口から内部の熱い空気が勢いよく排出され、排気口付近は手で触るのがためらわれるほど熱くなった。ひざの上に置いて使用しても直に熱さを感じることはないが、底面部には吸気スリットが多いので密着したひざで穴をふさがないように気をつけたい。また、吸排気を行うファンの騒音もかなり大きくなる。不快な音ではないものの、騒がしいオフィスでも風を切る音がはっきりと聞こえてくるレベルだ。
最後にバッテリー駆動時間を実測した。ディスプレイの輝度を50%、電源プランを「バランス」にした設定で、60秒に1回無線LANでWeb巡回を行いつつ、10秒間隔で文字を入力するというテストを行ったところ、バッテリー残量が6%になって休止状態へ移行するまでにかかった時間は194分だった。モバイルPCとしては心許ない数字だが、本機の性格を考えればそれほど気にすることもないだろう。
Haswellで統合グラフィックスの性能が飛躍的に向上したことにより、これまでの“小型ゲーミングノートPC”に採用されてきた下位グレードの外部GPUは存在価値を問われ始めている。そんな中、持ち運びも可能な13.3型クラスのボディにGeForce GTX 765Mを詰め込み、ゲーミングPCにふさわしい性能を実現したマウスコンピューターの試みは注目に値する。「できるだけ小さいボディ」と「可能な限りの高性能」という、矛盾するニーズに答えを求めるなら、現時点での最適解は「NEXTGEAR-NOTE i410」と言っていいかもしれない。
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