AMDファン期待のモンスター級ゲーミングPC「MASTERPIECE a1500BA1」を徹底検証AMDの最強CPU&GPUをぶん回す(3/4 ページ)

» 2013年08月13日 18時24分 公開
[石川ひさよし(撮影:矢野渉),ITmedia]

整数演算性能を中心に一部で「Core i7-4770K」に肉薄

 それでは、MASTERPIECE a1500BA1を用いて、FX-9590システムのパフォーマンスを計測していこう。ただし、MASTERPIECE a1500BA1は製品前の評価機とのことで、まだ調整中とされている部分もある。製品版とは異なるパフォーマンスになる可能性があるのでご注意いただきたい。

 比較には、Intel Core i7-4770KとIntel Z87マザーボードを用意し、MASTERPIECE a1500BA1からRadeon HD 8990グラフィックスカードを移設した構成を用いた。

比較対象 AMD FX-9590 Core i7-4770K
定格クロック 4.7 3.5
メモリ(速度) DDR3-1600 DDR3-1600
メモリ 8GB×2 8GB×2
チップセット AMD 990FX+SB950 Intel Z87 Express
GPU Radeon HD 8990 Radeon HD 8990
ストレージ Samsung 840 PRO OCZ Technology Vector VTR1-25SAT3-128G
OS Windows 8 Pro 64bit Windows 8 Pro 64bit

 PCMark 7は、Core i7-4770Kのシステムに対し、各項目でおよそ1000ポイント程度下まわっていた。一方、PCMarkの最新版であるPCMark 8のスコアでは、かなり接近し、特にCreativeスコアでは互角に近い勝負になる。

PCMark 7(画面=左)とPCMark 8(画面=右)の結果

 SandraのCPU関連テストではDhrystone数演算テストを中心に好成績を収めた。プロセッサ性能テストのDhrystoneではあと1歩、.NET演算テストではなんとCore i7-4770Kを上回ってみせた。

 一方、Whetstoneやマルチメディア演算テストでは、依然としてまだ開きがある。メモリ帯域は、DDR3-1866メモリを使ってもなおCore i7-4770Kに及ばないが、これはCPU演算性能も影響するためと考えられる。

Sandra 2013.SP3aのプロセッサの性能とマルチメディア処理

Sandra 2013.SP3aの暗号処理と.NET演算

Sandra 2013.SP3aの.NETマルチメディア演算とメモリーの帯域

Sandra 2013.SP3aのキャッシュとメモリー

 CINEBENCH R11.5では、これもほぼ互角と言ってよい勝負になった。Multi CPUでは7.82対7.99となり、ほんのわずかに及ばない程度。Single CPUも1.27対1.75で、5GHzという高クロックがかなりの接戦を演じている。

 MediaEspressoによるトランスコードテストは、CPUを用いたソフトウェアデコードで424秒対377秒と、まだ47秒開きがある。Sandraテストのメルチメディア関連テストの結果からすると、妥当なところだろうか。一方、Radeon HD 8990(両システムとも同じ)を用いたハードウェアエンコードは、8秒の差が出たものの、この程度なら気にするほどではないだろう。

CINEBENCH R11.5(画面=左)とMediaEspresso(画面=右)の結果

 3Dグラフィックス関連の3DMarkでは、まず3DMark 11で見ると、Performanceで2000ポイント差、Extremeなら450ポイント差で、高負荷時であればそこまで大差ではないと判断することができる。3DMarkに関しても、低負荷のIce Stormに関してはCPUやバス帯域幅の制限からか、大きな開きが見られるものの、Cloud Gate以降はその差を詰めている。Core i7-4770Kシステムには及ばないが、このあたりの差もグッと縮めた印象ではある。

3DMark 11(画面=左)と3DMark(画面=右)の結果

 実ゲームタイトルのバトルフィールド3では、1920×1080ドットまでは確かに差が生じている。これは3DMarkと同様、低負荷なほどCPUやバスの影響が現れやすいという点に原因があるものとみられる。ただし、2560×1440ドットのように高解像度になれば話は別で、GPU性能がモロに表れるため互角という結果になる。ただ、CPU負荷はタイトル毎に異なる。次のトゥームレイダーでは、Core i7-4770Kシステムの方が上で、ゲームプレイ自体には十分なフレームレートを出しているものの、1920×1080ドット時で10fps超の開きがある。

バトルフィールド3(画面=左)とトゥームレイダー(画面=右)のフレームレート

 動作音と消費電力に関しては、直接比較できないため今回は省略するが、印象だけ触れておこう。まず動作音だが、ファン自体の数はかなり多めであるため、静かとは言いがたい。ただし、超高TDPのCPU、デュアルGPUカードを積んでいる点を考慮すれば、下手に自作するよりは静かに抑えられている。

 また、静かとは言えないとしても、ゲーム音楽をじゃまするほどの爆音ではないため、ゲーマー向けPCとしては優秀だ。消費電力に関しては高負荷時でおよそ500ワット台となった。電源ユニット自体は1200ワットなので約半分、高負荷時を最も変換効率のよい出力帯でまかなえる計算だ。さらに80PLUS Gold製品なので、数値的に抑えられている印象を受けるほか、高効率電源のもう1つのメリットとして、内部温度の上昇を抑える効果にも期待できる。

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