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「Surface 2/Pro 2」の立ち位置とこれから進む道:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/3 ページ)

» 2013年11月01日 15時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]

ハードウェアとOSが相互に高めあうことで進化

Surface 2シリーズへの自信を見せるブライアン・ホール氏

 前出のホール氏に、マイクロソフトがSurfaceというハードウェアの開発をWindowsとともに行うことで、新たにどんなアプローチ、機能などが生まれたか? と尋ねてみた。

 すると「1つはSkyDrive。SkyDriveは完全にWindowsにビルトインされており、ローカルのストレージと同じようにアプリケーションから扱える。その使い勝手などについて、Surfaceの発売から学んだ部分は多かった。Skypeの対応も。単にSkypeが動作するだけでなく、うまく機能するようにハードウェアの機能を作り込んでいる。露出制御やノイズの処理、音声処理などをハードウェアとセットで最適化している。主要な改良はWindows 8.1の中にフィードバックされているが、いくつかの機能はSurface 2のハードウェアとともに最適化した」と話した。

 彼は新しいSurfaceに対する自信を隠さないが、一方でiPad対抗の戦略商品と言われることに対しては戸惑いも感じているようだ。ホール氏は「タブレットの市場では、我々が新参者であり、市場でまだ存在感を示せていないことは誰もが知っている」と話す。

 しかし、だからこそSurfaceを一生懸命やるのだ。Windowsを開発し、改良を重ねているマイクロソフト自身がWindowsベースのタブレットを作ることで、Windowsを採用するコンピュータメーカーの利益になるとホール氏は考えている。

 「我々がSurfaceシリーズに力を入れ、Windowsでのタブレット体験を高めれば高めるほど、出荷するSurfaceの数が増えるほどに、市場での存在感が増してくる。まったくゼロからの立ち上げは大変だが、そうした市場、立ち位置を確保することで、Windowsを供給するPCメーカーのよいチャンスになる。だからこそ、Surfaceシリーズはマイクロソフトにとって大切なんだ」(ホール氏)

タブレットとPCの両立は可能か?

 ホール氏にはタブレット機能とPC機能の両立に関する質問もしてみた。

 日本におけるSurface 2シリーズの発表は、アップルの新製品発表直後に行われた。そのアップルはMac OS Xの新バージョン「Mavericks」において、Macをタブレットに近づけるのではなく、PC用基本ソフトとしての性能、使いやすさを磨き込む道を選んだ。Mavericksは比較的地味なアップデートだが、さまざまな面で改良が進んでおり、バッテリー駆動時間からパフォーマンス、メモリの利用効率などが改善されている。

 一方、マイクロソフトはWindows 8でタブレットの要素を盛り込み、Windows 8.1でタブレット的なアプリ世界とPC的なデスクトップ世界をつなごうとしている。既存の多くのPCユーザーのことを考えれば、もう少し軸足を「一般的なパソコン」に置いてもいいのでは? と尋ねた。

 「マイクロソフトのタブレットに対するアプローチと、アップルのiPadに対するアプローチの最も大きな違いはオープン性だ。iOSは他社のアイディアに対して閉ざされており、部分的には独自の手順で機能が作られている。しかし、1社がすべてのパーソナルコンピューティングに関する文脈を語れるわけではない」とホール氏。

 さまざまな意見に耳を傾け、多様な技術トレンドを見ながら開発を続けることで、ホール氏はタブレットとPCの両方に最善の機能と価値を提供できると話した。どっちつかずになるのではなく、どちらも重要で改良を続ける。

 多様なニーズがある中で、1つの製品であらゆる用途をカバーできないのは、もちろんマイクロソフトにとっても同じだ。Surface 2ではカバーできない領域は、Surface Pro 2がカバーする。タブレット+αを狙ったのがSurface 2とするなら、PCのタブレット化を狙っているのがSurface Pro 2だ。

省電力性向上で実用度が高まったSurface Pro 2

Haswell世代に進化した「Surface Pro 2」

 インテルの第4世代Core i5(Core i5-4200U)を搭載するSurface Pro 2は、従来機からのアップデートはさほどない。最上位モデルとして512Gバイト版が追加されたり、価格が変更になったり、また搭載するメモリ容量も256Gバイト版以上は増量されているなどの違いはあるが、その辺りはスペック表で確認してほしい。

 では何が1番の違いかと言えば、それは30%以上向上したというバッテリー駆動時間だ。これはインテルのCore i5が第3世代から第4世代……すなわちIvy Bridge世代からHaswell世代へと進化したからだが、結果として実駆動時間で6時間以上も使えるようになった。

 タブレット型コンピュータは、電源コードをぶら下げて使う機会がほとんどなく、多くの時間をバッテリー駆動で利用する。それだけに、バッテリーの性能は重要だ。タブレット端末の多くが10時間を目安にバッテリー駆動時間を設定している(バッテリー容量を決めている)のは、そのぐらいでなければ安心して1日を過ごせないからだろう。

 Surface Pro 2の実働6時間ぐらい設定は、完璧ではないが、十分に実用レベルになる。ちなみに先代モデルでは4時間前後しかもたなかった。これでタブレットとしての使い出がやっと出てきたというところか。パフォーマンスに関しては、スペックから想像する通り、特に問題はない。

 256Gバイト以上のモデルならば、そのままメインマシンとしても使いたいという方がいるだろう。マイクロソフト自身も、Surface Pro 2はデスクトップからモバイルまでをカバーする、パーソナルコンピューティングのほぼ全領域をカバーする端末と位置付けている。そのためにドッキングステーションが用意されており、手軽にドッキングさせてデスクトップPCとしても使い、必要とあればそのまま持ち出すといった使い方が可能だ。なお、このドッキングステーションはSurface 2では利用できない。

Surface Pro 2にType Cover 2をセットにすると、1.2キロ弱の重さになる

 もっとも、Surface Pro 2の重さは約907グラム。これに打ちやすいType Cover 2をセットにすると、1.2キロをわずかに切るぐらいの重量となる。本体の約907グラムは、Surface 2にType Cover 2を付けた場合とほぼ同程度なので、抱えてタブレットとして操作する際にはカバーを外せば、タブレットとしても十分に使える。

 その上、Surface 2が対応していない電磁デジタイザペンによる筆圧検知入力に対応しているため、使い方の幅も広いという利点はある。

 しかし、クラムシェル型ならば1キロ程度で13型クラスのタッチ操作可能なノートPCもある日本市場では、やや微妙な位置付けだろうか。とはいえ、確かにホール氏の言うように、タブレットとPCの交わる点を意識しつつも、うまくWindows RTのSurface 2とは差異化がされている。

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