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「Surface 2/Pro 2」の立ち位置とこれから進む道本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)

» 2013年11月01日 15時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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新しいキーボード機能付き画面カバーの違い

 ベンチマークテストの結果を含む製品レビューについては、PC USERの別記事で近日公開予定とのことなので、そちらに任せたいが、本体と同時発売された新しいキーボード機能付き画面カバーについては簡単に触れておきたい。

 まずTouch Cover 2。圧力センサーを使ってキーボード機能を実現しているこのカバーだが、バックライトシートを間にラミネートしたうえ、圧力センサーの数を大幅に増やしている(100個以上とのこと)。これにより、多少キーのセンターを外しても反応しないといったことがなくなり、格段に入力しやすくなった。機能が上がっているのに重くもなっていない(むしろ数グラム軽くなった)。

 とはいえ、Type Cover 2のようにタッチタイプができるわけではない。キーを見ながらポチポチと入力する……すなわち、スクリーンキーボードよりもちょっと使いやすいぐらいのイメージで使うならば、薄く軽量なTouch Cover 2も好きになれると思うが、PC的にバリバリと入力したいなら、やはりType Cover2を選ぶべきだろう。

 そのType Cover 2。初代版は218グラムだったのだが、キーボードバックライト装備のためか、手元にある紫色のType Cover 2は262グラムあった。とはいえ、Touch Cover 2との重量差は90グラム前後。キー入力を重視するならば、これを使わない手はない。

 結局のところ、両方ともよいところと弱点がある。予算があるなら両方買ってしまって使い分けるというのも、また1つの選択肢だ。キーボードが進化したとき、へたったとき、簡単に交換できるのはSurfaceの大きな長所だと思う。

厚さ2.75ミリと薄くて軽い感圧式キーボード搭載のTouch Cover 2(写真=左)。厚さ5.4ミリでメカニカルキーボード搭載のType Cover 2は、4色のカラーが選べる(写真=中央)。いずれもバックライト付きの近接検知式キーボードを備えている(写真=右/こちらはType Cover 2)

これからSurfaceが進む道

 さて、レビューをここまで進めてきたが、せっかくホール氏に話が聴けたので、これからのSurfaceについても尋ねてみた。さすがに将来の製品については口が硬いが、いくつかのヒントはもらうことができた。

 まず、セルラー機能内蔵モデルについて。記者会見では「今は何も話せることはない」と言っていたのだが、次のように表現した。

 「残念ながら、今は何もアナウンスすることはない。Surfaceシリーズのユーザーは、多くの人がWANモデムやテザリング可能なスマートフォンを同時に持ち歩いており、常にネットワークにつながっていること……はとても重要だと認識している。いつなのかは分からないが、セルラーモデルが時間の経過とともに追加されるのは自然なことだと思う。ただし、繰り返しになるが現時点での計画はない」(ホール氏)

 最後に尋ねたのは次のようなことだ。

 マイクロソフトが率先して新しい領域を開拓することで市場を盛り上げ、PCメーカーとともに適応領域を広げていく。これがSurfaceの目的とするなら、今のSurfaceが目的を達成したのなら、次、新しい使い方提案を別のフォームファクタですることになるのでは? というものだ。これはSurfaceというブランドを、今後、どう扱っていくか、という話でもある。

 これに対してホール氏は、「現時点ではベスト・オブ・PCタブレット。PCだけどタブレット。この両方を追い求めるときに、どこがベストなバランスポイントかを見極めることを目指した。タブレットとPCの、最もよい部分を組み合わせ、生産性を高める製品が今のSurface。カジュアルに使いたいならSurface 2は最適だし、Surface Pro 2はタブレットとラップトップの両方を持ち歩く必要性をなくす製品だ」と現状を整理。

 さらに「1つのサイズと形状、構造ですべての人にフィットする製品は存在しない。今はこれが1つのベストな形だが、もっと違う要素を製品に盛り込む必要性が出てくるかもしれない。そのときには、Surfaceの形も当然ながら変化するのだろう」と続けた。

 SurfaceがPC業界に持ち込んだアイデアも、2世代目でこなれてきた。では次にどこに向かうのか? マイクロソフトが次に、どんな挑戦をするのか、今から楽しみである。

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