札幌の九十九電機DEPOツクモ札幌駅前店で、QNAP製NAS「TurboNAS」シリーズの特徴を解説する「QNAPセミナー in Sapporo」が11月29日、30日に開催された。
QNAP国内代理店のユニスターが主催するQNAPイベントは、8月に名古屋で行われた「QNAPセミナー in Nagoya」に続いて今年2回目。初日が法人、2日目が個人のユーザーを対象に、最新ファームウェア(QTS 4.0)の新機能や導入事例などをQNAP製品スペシャリストの越沼哲史氏が紹介した。
QNAPのTurboNASシリーズは、個人向けのシングルベイタイプから、16ベイを備える企業向けのラックマウントタイプまで、非常に幅広い製品ラインアップをそろえているのが特徴の1つだ。ただ、それぞれの用途にあった最適な製品を選べる一方で、モデル数が多すぎるために、かえってどの製品が自分にあっているのか分かりづらいという声もある。
これに対して越沼氏は「最初の数字がベイ数を表し、ホームユースなら『x20/x21』シリーズ、SMBは『x69 Pro』シリーズ、エンタープライズ向けなら『x79 Pro』シリーズが向いています」と、製品型番による簡単な指標を挙げたうえで、「十数人規模の部署内での簡単なファイル共有が目的ならx21シリーズで問題ありません。逆にWebサーバや仮想化などで導入を検討しているのであれば、性能の高いIntel系チップを搭載するx69 Pro以上が望ましい。また、x79 Proシリーズは容量を最大40Tバイトまで増やせる拡張ユニットや、10Gビットイーサネットに対応するので、より高速なストレージを求める場合に最適です。例えば、動画制作などの業務ではストレージから直接編集できるために、制作期間を短縮化できるというメリットがあります」と説明した。
続いて、最新ファームウェアQTS 4.0で実装された企業向け機能の特徴として、大容量のボリュームを一元管理できる新UIや、異なるRAIDグループがあっても1つのプールとして全体容量を把握できるストレージプール、ブラウザベースでファイルを管理しダウンロードリンクを簡単に発行できる点などを紹介。また、Dropboxのようなオンラインストレージや高価な監視カメラと同等の機能をQNAPで安価に実現できる点を強調した。
「例えば、外部の人とファイルの受け渡しを行う際にファイル単位でダウンロードリンクを作成できるうえに、(有効期間の)日付指定やアクセス回数、パスワードで管理することも可能です」と越沼氏。「また、一般的なオンラインストレージは、無料サービスでは容量が少なく、有料はランニングコストがかかりますが、QNAPのQsyncを使えばQNAPの容量すべてをオンラインストレージとして活用できます。容量を増やしたい場合も増設するHDDの金額だけなのでコストを抑えられますし、サーベイランスステーションを使えば、複数のIPカメラに接続して、リアルタイム監視システムを構築できます」。
一方、企業導入事例では、リモートレプリケーション機能を使って、複数の系列病院で保存しているデータを中央病院で集中管理している医療機関や、QNAPを使った監視カメラシステムを採用する個人経営の飲食店などを紹介。このほか、営業職が客先でQNAP内に保存した資料を提示したり、Vmobile(サーベイランスステーションのモバイル版)でスマートフォンを使ったリアルタイム監視など、モバイルデバイスと連携した活用方法をアピールしていた。
最後に越沼氏は、企業用途のNASにQNAPを選ぶべき理由として、「B社やI社など同価格帯の製品に比べ性能と信頼性が高い点、個人から大企業までをカバーするラインアップをそろえている点、350万人というユーザーコミュニティによって日々機能が強化されていく点」という3つのポイントを挙げ、「QTS 4.0によって初心者にはより簡単に、Linuxに詳しい上級者はこれまで通りとことんいじることができるNASです。システム(ファームウェア)のサポート期間も長いので、NASの導入を検討している人は安心してQNAPを選んでください」とセミナーを結んだ。
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