2014年、インテルは何を目指す?2013年第4四半期は堅調

» 2014年01月17日 18時19分 公開
[ITmedia]
インテル代表取締役社長の江田麻希子氏

 インテルは1月17日、米国で発表された2013年第4四半期の決算内容、および2014年度に同社が注力していく今後の事業について、国内報道関係者向け説明会を実施した。

 2013年第4四半期の売上高は前年同期比3%増の138億ドル、営業利益は12%増の35億ドル、純利益は6%増の26億ドル(1株当たりの利益は51セント)と増収増益。一方、通年で見ると、売上高は前年比1%減の527億ドル、純利益は13%減の96億ドルとなった。

 2013年第4四半期の業績を事業部門別にみると、PCクライアント事業の売上高は86億ドルと前年同期比でほぼ横ばいだったのに対し、データセンター事業の売上高は8%増の30億ドルと好調。米Intelのブライアン・クルザニッチCEOは「第4四半期はPC市場が安定化の兆しをみせ、業績も対前年比で成長し、堅調だった」とコメントしている。

 説明会に登壇したインテル代表取締役社長の江田麻希子氏は、今後同社が注力する分野として「データセンター」「PCエクスペリエンス」「モビリティ」「テクノロジー」の4つを挙げ、各分野の展望を語った。

インターネット接続デバイスは2015年までに150億台まで伸びるという予測。年間16%の市場成長を見込む

 「データセンター」では、今後インターネットに接続される機器が2015年までに150億台、2020年までに500億台へ到達するという予測を示し、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やビッグデータをはじめとする分野で成長が続くと述べ、インテルが唯一、そうした幅広い分野にソリューションを提供できると強調。江田氏は「ネットに接続するデバイスが増加するにつれて、高機能化や省電力化の要求も増える。ここへ信頼性と拡張性とともに、優れた電力効率を発揮できる製品を投入していく。また、教育、医療、ウェアラブルデバイスといった多種多様なデバイスに向けて、超小型製品への取り組みも拡大していく」と述べた。

 2つ目に挙げた「PCエクスペリエンスの進化」では、2in1デバイスのカテゴリをより幅広い価格帯で訴求していくとともに、感覚的に操作できるパーセプチャル・コンピューティング(知覚コンピューティング)の例として、Intelが2014 International CESで発表した「RealSense」テクノロジーに言及。「PC市場は微減傾向と考えているが、PCはなくてはならないものであり、まだまだ発展する余地がある。パーセプチャル・コンピューティングを通じて、今後もよりよいPC体験の提供に取り組んでいく」とした。

 「モビリティ」の分野で同社が特に注力していくのは、IA搭載タブレット製品のさらなる普及だ。Coreアーキテクチャ搭載製品だけでなく、Bay Trailをはじめとする多彩なAtomラインアップで「品ぞろえを豊富」(江田氏)にし、Windows、Android、Linuxなど、OSもユーザーが選択できるような状況を作り出していく。一方、「テクノロジー」のトピックは、世界初の14ナノメートルSocであるBroadwellの投入だ。Broadwellは第1四半期より製造を開始し、2014年後半には出荷を開始するとしており、インテルにとって製造技術の移行でも挑戦の年となる。

2014 International CESでは、組み込み向けSoC「Quark」を搭載するウェアラブルデバイス向けの「Edison」が注目を集めた(写真=左)。「RealSense」の組み込み用3Dセンサーモジュール。CESではUltrabookに内蔵した試作機も展示された(写真=右)

 最後に江田氏は、デバイス間で同一のユーザー体験を得られること、シームレスな接続性がコンピューティングにおいて重要だと述べ、「インテルベースのアーキテクチャであればそれらすべてを実現できる。人々に最上の体験を提供できるよう目指していく」と抱負を語った。

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