ビジネスシーンに強いThinkPadシリーズが「変わらずに、変わる」理由変化できるから生き残る(1/2 ページ)

» 2014年01月28日 21時00分 公開
[ITmedia]

「変わらず、変わる」BYOD時代に向けたThinkPad新シリーズ

photo ThinkPadは「恐れなく変化する」──

 レノボ・ジャパンは1月28日、2014年度ビジネスシーン導入を想定したThinkPadシリーズ新モデル3機種を発表。2014年1月28日より順次販売する。

 ThinkPadは、国内企業向けノートPCシェアでトップクラス(過去2年実績は1位2回、2位3回/IDC調べ)の実績を持つ、国内有数のビジネスノートPCシリーズ。特に企業での一括導入、貸与マシンとして選ばれる理由の1つにどんな特徴も「ビジネスの効率を高めるため」へ通じていることが挙げられる。そのストイックな特徴により旧来よりコンシューマー/エンドユーザー層にもファンが多い。

 そんな層から最近「キーボード/トラックポイントが大きく変わってしまった」と嘆く声が聞かれる。例えば、アイソレーションキー仕様への変化、7列→6列配列「6列プレシジションキーボード」への変化、トラックポイントボタンも一体化した5ボタンクリックパッドの採用などか。そして今回も新モデル「新しいThinkPad X1 Carbon」へさらに変化度の大きい新キーボード「Adaptiveキーボード」を採用したが、すでに“こだわり層”からはいろいろな意見が上がっているようだ。


photophotophoto レノボ ThinkClient Brand Managerの土居氏「ThinkPadシリーズは昨年20周年を迎えた長く続くシリーズ。製品としての姿勢は変わらないが、むしろその時代の最新テクノロジーをいち早く取り入れ、その時代に適した仕様に変化してきた」

 ただ、それはThinkPadにむしろ必要なこととレノボ・ジャパン ThinkClient Brand Managerの土居憲太郎氏は説明する。「ThinkPadシリーズは昨年20周年を迎えた長く続くシリーズ。製品としての姿勢は変わらないが、変化という意味では、むしろその時代の最新テクノロジーをいち早く取り入れ、その時代に適した仕様に変化してきた。近年は社内/外出先といった固定の場所のみで使うシーンから、さまざまな場所でそこに適したデバイス/スタイルで使い分ける“マルチデバイス”の時代へ移りつつある。ビジネス環境の変化に応じて、ThinkPadも変化しなければならない──この答えを今回の新モデルで表した」(土居氏)

 ThinkPadシリーズの変化の理由の1つ、それが「入力方法の変化」。PCユーザーは、PC黎明時のフルキーボード入力、ポケベル時代の2タッチ入力、ケータイ時代の10キー入力、そしてスマートフォン時代のフリック入力など、これまでも新たなデバイスに応じて新たな入力方法で使用してきた経緯がある。特に日本語は日本独自の進化としてIMEの進化課程も複雑に絡みつつ、昨今はタッチ、ペン、タブレット、2in1デバイスなど新しい利用シーンを創造するデバイスの多様化、そしてコミュニケーションの方法もキーボード入力+電子メールから、SNSやVoIPといったそれ以外の方法をとることもあたり前になってきている。「時代に合った入力方法」にすることが業務効率の向上につながるという考え方だ。

photophotophoto ThinkPadシリーズの変化の理由の1つに、昨今の「入力方法の変化」がある。マルチデバイスでの利用シーン/新ワークスタイルの導入が進むにつれ、企業と個人(エンドユーザー)のニーズの境目も薄れてくる

 新しいX1 Carbonで採用した「Adaptiveキーボード」もこの考え方に沿うものだ。これまでのファンクションキーを廃し、内容を動的に切り替えるタッチセンサー型の仕組みを新たに取り入れた。こちら、旧来のユーザー/ATOKユーザーは「F7でカナ変換する。なぜなくすのだ」と思ったりもしてしまうが、こう思う層以上に「普段よりOS標準のIME。というかファンクションキーって何のためにあるの?」という層が多い事実がある(IMEを必要としない諸外国では特に)。Adaptiveキーボードはこういった層に、さらに「F7」な人にもホームモード/Webブラウザモード/Web会議モード/レイフラットモード/ファンクションモードなど、使用するソフトウェアやディスプレイ開度の状態に応じて動的に機能が切り替わり、そのときにユーザーが必要とするアクションを視覚的に表示し、直感的に扱えるよう工夫した。

photophotophoto 左から、新しいThinkPad X1 CarbonのJIS配列キーボード、同US配列キーボード、第1世代X1 CarbonのJIS配列キーボード

 ただ、日本ユーザーはとはいえ特別だ。かなり大きく変わってしまったUS配列仕様と異なり、日本語JIS配列仕様は仮名漢字変換もともなう日本人の日本語入力環境に合わせて最適になるよう、ThinkPadシリーズの開発を担うレノボ・ジャパン大和研究所の開発チームがユーザーの使い方を深く研究し、工夫を凝らした。

 例えばUS配列との違いが目立つDeleteとBackSpaceキーの位置。US配列の左:BackSpace/右:Deleteに対し、日本語JIS配列は左:Delete/右:BackSpaceと逆に並べられている。これはなぜか。一般的なUS配列のBackSpaceキーはかなり幅広のキーであり、統計的に幅広いBackSpaceキーの左部を押す例が多い。このためAdaptiveキーボードでは行き場がなくなってしまったDeleteを右に置いても大丈夫という判断がなされ、この配列となった。対して日本語JIS配列はそもそもBackSpaceキーは幅広でなく、押す場所として指が覚えているのは“上段の右端”。また、文字消去時に使用する例が多いのもBackSpacekキー。覚えているキー(よく使用するキー)の場所を変えてしまうと作業性に支障が出るという判断で左右逆の配列にした。¥/Home/Endなどがこの場所となったのも、“統計的にあまり使用しないキー(場所を覚えていない程度の使用頻度となるキー)”だからだ。

photophotophoto 新しいThinkPad X1 Carbonで採用した、タッチセンサー搭載「Adaptiveキーボード」。日本語JIS配列は、日本ユーザーの使い方を深く研究して採用した独自の配列となっている
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