WiMAX 2+とHWD14の“惜しかった”ところ、低価格SIMサービスの「SMS対応」が意味することルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」(1/2 ページ)

» 2014年01月30日 17時42分 公開
[島田純,ITmedia]
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WiMAX 2+ルータで追加料金で使える「LTEオプション」が5カ月間無料に

 2014年1月現在、新世代モバイルデータ通信サービス「WiMAX 2+」に対応する唯一の機器が「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」(レビューまとめはこちら)である。

photo LTEオプションが5月末まで無料になったので、気兼ねなく「ハイスピードプラスエリアモード」に切り替えられる。(2014年1月時点)WiMAX 2+エリアではない京王線新宿駅で使った際に、au 4G LTEに切り替わった

 HDW14は、WiMAX 2+、WiMAX、そしてLTE(au 4G LTE)での通信をサポートする万能なトライブリッド機として展開するポータブルルータ。3880円/月の基本料金に含まれるWiMAX 2+およびWiMAXネットワークに対し、au 4G LTEネットワークにも切り替えて使用できる。切り替えにより追加料金(1055円/月)が自動加算され、月末まで通信量7Gバイトまで使用できる仕組みだ(手動で切り替えなければ加算されない)。これにより、速度や“ノーリミット”での利用はWiMAX 2+とWiMAXで、地方/ルーラルエリア(農山村地域)などWiMAXがどうしても入らない場所ではWiMAXよりエリアが広いau 4G LTEをサブネットワークとして使用できるわけだ。

 2014年1月より、このメリットを有効に活用できるキャンペーン「LTEオプション無料キャンペーン」が行われている。HWD14ユーザー向けに2014年1月1日から5月末までの5カ月間、上記のLTEオプション追加料金が無料になるというものだ。

 HDW14は、通信量制限を設けない「ハイスピードモード(WiMAX 2とWiMAX)」あるいは「ノーリミットモード(WiMAXのみ)」どちらかのモードで使用するのが基本と思うが、800MHz帯も使用するKDDIのau 4G LTEエリアは、WiMAX 2はもちろん他社のLTEネットワークより広いエリアで使えるメリットがあり、通信速度もかなり高速。筆者は現時点、エリアの広さと通信速度の快適さでかなり快適なネットワークであると評価している。

 さて、発売当初のHWD14についてのユーザー評価はなかなか厳しいものが多かった。この理由に、サービスイン間もないWiMAX 2+のエリアの狭さ、既存WiMAXルータに対する劣る機能(WiMAXハイパワー非対応)、不安定さ(強電界であるはずなのに速度測定サイトでよい値が出ない、WiMAX 2+にうまく切り替わらない)など、既存のWiMAXサービス/ルータと比べて、新サービスの期待以上にデメリットと感じてしまった部分が多かったためと想定される。

 こちら2013年12月19日に公開された2回目のソフトウェアアップデート(Ver.11.031.09.30.824)で、速度面でかなりの部分が改善されたのだが、仮に、LTEオプションの無料化キャンペーンをサービスイン当初から行ってくれていたなら……デメリットと感じる人ももう少し少なかったのかなと思うと惜しい。

 ともあれこれから5カ月間はLTEオプションが無料になったので、安心して「ハイスピードプラスエリアモード」に切り替えられる。年始の都内でHDW14をハイスピードプラスエリアモードで運用してみたところ、WiMAX 2+エリア外の場所でしっかりとLTE接続に切り替わってくれて、速度面も不満のない良好な使い勝手が得られた。今回のキャンペーンにおいて1つ注意したいのは「ハイスピードプラスエリアモード/LTE接続にて月の通信量が7Gバイトを超えると、LTEを使用しないハイスピードモードにおいても当月末まで速度規制の対象になる」こと。無料ではあるが、LTE接続はあくまでサブ用ととらえ、無意味な使いすぎには気を付けたいところ。なお、WiMAXのみを使用する「ノーリミットモード」では対象外である。

 WiMAX 2+は、2014年度中に下り最大220Mbpsのサービスを開始する予定。こちらはUQコミュニケーションズ野坂社長が2014年年頭所感でも改めて言及していた。今後のWiMAX 2+エリアの拡大、さらなる通信速度の高速化と使い勝手の向上、対応機器のバリエーション強化などには大いに期待したい。

NTTドコモが下り最大150Mbpsエリアを順次拡大、対応ルータは2月発売

photo Xiの下り150Mbps対応ルータ「Wi-Fi STATION L-02F」

 NTTドコモは、下り最大150MbpsのXi対応エリアを東名阪エリアより順次拡大している。

 こちら、2013年12月末までに都心部・JR山手線全駅で提供開始予定のところ、2013年12月末時点では未完了で対応は少し遅れているようだが、関西圏でもJR大阪環状線の全駅ホームで下り最大150Mbpsエリア化されるなど、やはり大都市圏でのエリア拡大はじわじわ進んでいる。

 NTTドコモの150Mbps通信対応ルータも2014年2月に「Wi-Fi STATION L-02F」が、2014年3月に「Wi-Fi STATION HW-01F」が登場予定となっており、ルータでも下り最大150Mbpsが利用可能になる日も近い。楽しみにしたいところだ。

 一方150Mbps対応エリア以外では、2014年4月以降に東名阪エリアで利用可能になる電波帯域が広がることで、1.5GHz帯(Band 21)を用いた下り最大112.5Mbps対応エリアが広がる予定となっている。こちらはNTTドコモが展開するXi速度別エリアマップでも確認できる。ちなみに東名阪エリアは、1.7GHz帯(Band 3)を使う下り最大150Mbpsエリアと、1.5GHz帯(Band 21)を使う下り最大112.5Mbpsエリアの両方が対応予定のため、全体的な通信速度の改善にも期待してよいと思われる。

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