同社でNUCのマーケティングを統括するジョン・デサレージ氏(John Deatherage、Director of Marketing, Intel NUC Team)は、同製品の発表とともに、NUCのロードマップも披露した。
これによると、2014年後半に14ナノメートルプロセスを採用するBroadwellベースのNUC“Rock Canyon”(ロック・キャニオン:開発コード名)2製品をコンシューマ市場向けに、“Maple Canyon”(メープル・キャニオン:開発コード名)2製品をコマーシャル市場(コーポレート市場)に投入する計画という。
この中で同氏は、「コンシューマー市場向けのRock Canyonでは、ボード単体の販売はしない計画だ」と説明。「現在、NUCの85%はキットによる販売で、ボードの割合は15%に過ぎない。しかも、その大半はコーマーシャル市場向けであるため、Broadwell世代ではコンシューマー市場向けにはボード単体の販売は見送る考えだ」と話す。
ただし、「コマーシャル市場向けのMaple Canyonではボード単体の販売も継続するため、すでにNUCを所有しておりボードによるアップグレードを検討するユーザーは、同製品を利用してほしい」(デサレージ氏)とのことだ。
このほか、デサレージ氏はチャンネル市場においてNUCのシステム採用が進んでいるとして、CitrixなどがNUCを利用した仮想デスクトップクライアントの評価が進めており、インド市場ではすでにCitrusが仮想デスクトップ環境「Fusion」をベースとした小規模ビジネスや学校をターゲットにしたシステムに、Thin Canyonを採用することを明らかにした。
また、同氏はHDビデオ会議システムを提供する米VIDYOが、NUCをHDビデオ会議用向けの端末として評価を進めていることを明らかにするとともに、「VIDYOからは、HDビデオ会議システムではシステムへの負荷が大きく、Core i7+Iris Proグラフィックス構成のNUCも求められており、同様の要望を持つパートナーも増えている」と、市場動向に応じてラインアップの拡張も検討していく意向を示す。
なお、ISSのショーケースでは、NUCにワイヤレス充電機能を統合したエンジニアリングサンプルや、HaswellベースのNUCを使った4Kディスプレイ表示なども披露され、NUCのエコシステムが確実に拡大していることをアピールしていた。
デサレージ氏は「NUCでは、マルチOS環境を容易に切り替えることができるVisual Boot Managerをサポートしており、WindowsをベースとするPC用途だけでなく、SteamOSをインストールしてゲームコンソールとして楽しんでほしい」とし、「NUCは、幅広いコンピューティング環境を享受できるデバイスにしたいという考えから、PCとは呼ばないようにしている」と、新しいコンピューティングデバイスとして、NCUを今後も進化させていきたい考えを示した。
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