ASUSTeKのTUFシリーズマザーボードは、“タフ”の名の通り、高い耐久性を重視したモデルだ。スタンダードシリーズにも、各種の高耐久性部品を採用しているが、TUFシリーズ独自の機能として、マザーボードの表面を覆う「Thermal Armor」や、実装数を増やした温度センサー、ファンコネクタ、それに合わせたコントロール機能なども豊富だ。スタンダードシリーズマザーボードよりもさらに高い耐久性、そして、システムのエアフローを細かく調整したいユーザーに適したマザーボードといえる。
「SABERTOOTH MARK I」も、こうしたTUFシリーズの特徴を盛り込んだモデルだ。Thermal Armorが表面を覆い、基板裏面にも「Fortifier」なるヒートシンクを兼ねた保護板を装着している。かなり無骨な、それこそ、TUFシリーズが当初から狙っているミリタリーチックな印象も強めている。今回のモデルで実装したThermal Armorも、2基の小型ファンを装着でき、マザーボード自体の温度を低く保つ。
拡張スロットは、SLI、もしくは、CrossFire対応のPCI Express x16スロットが2基、4レーン対応のPCI Express x16スロットが1基、PCI Express x1スロットが3基だ。
CPU電源回路付近のThermal Armorには、「with Flow Valve」と呼ぶ手動で開閉可能なスロットを設け、この部分に外気を送り込む機構も用意している。さらに、ファンを逆回転させてホコリを吹き飛ばす「Dust Defenders」にも対応する。
温度管理という点では、搭載する専用チップ「TUF ICe」を実装した。12基のセンサーから得たデータを処理し、ファンの管理も行うチップだ。温度センサーもファンもここまで増えると、CPUを用いたソフトウェア処理の負荷が増えてしまうため、ハードウェアで制御するのが効率的とASUSTekは説明している。
また、「Thermal Rader 2」機能では、ファンの制御機能が進化し、より詳細に設定できるようになったほか、ASUSTeK製のグラフィックスカードとの組み合わせで、GPUファンを制御することも可能となった。さらにファン制御機能は、Windows上のユーティリティだけでなく、UEFIでも操作可能となったことで、非Windows環境でもファン制御が可能になった。
9シリーズチップセットでは、SATA ExpressポートとM.2スロットをサポートすることになったが、SABERTOOTH MARK Iが搭載するのはSATA Expressのみだ。Thermal Armorがあるため、M.2スロットをそのように実装するのかは、今後のモデルでの課題になるかもしれない。
なお、TUFシリーズではPCB基板に10キロの荷重をかけても動作するだけの耐久性を設けたという。ネジ固定式のCPUクーラーなどで大きな力がかかったような状況でも、安定して動作するという意味でメリットとなりそうだ。
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