9シリーズマザーフォトレビュー──「ASUS SABERTOOTH MARK I」エアフローも自由自在

» 2014年05月16日 16時07分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

SABERTOOTHの“よろい”は一層強力に

 ASUSTeKのTUFシリーズマザーボードは、“タフ”の名の通り、高い耐久性を重視したモデルだ。スタンダードシリーズにも、各種の高耐久性部品を採用しているが、TUFシリーズ独自の機能として、マザーボードの表面を覆う「Thermal Armor」や、実装数を増やした温度センサー、ファンコネクタ、それに合わせたコントロール機能なども豊富だ。スタンダードシリーズマザーボードよりもさらに高い耐久性、そして、システムのエアフローを細かく調整したいユーザーに適したマザーボードといえる。

TUFシリーズの特徴であるThermal Armorを装着

 「SABERTOOTH MARK I」も、こうしたTUFシリーズの特徴を盛り込んだモデルだ。Thermal Armorが表面を覆い、基板裏面にも「Fortifier」なるヒートシンクを兼ねた保護板を装着している。かなり無骨な、それこそ、TUFシリーズが当初から狙っているミリタリーチックな印象も強めている。今回のモデルで実装したThermal Armorも、2基の小型ファンを装着でき、マザーボード自体の温度を低く保つ。

 拡張スロットは、SLI、もしくは、CrossFire対応のPCI Express x16スロットが2基、4レーン対応のPCI Express x16スロットが1基、PCI Express x1スロットが3基だ。

基板裏面は裏面もFortifierがガードする(写真=左)。電源回路は8フェーズ構成だ。フェライトコアチョークにはスパイク状の形状をしたヒートシンクを装着している(写真=中央)。カバーを外して小型クーラーを装着できる(写真=右)

温度管理とファンコントロールのために専用チップを

 CPU電源回路付近のThermal Armorには、「with Flow Valve」と呼ぶ手動で開閉可能なスロットを設け、この部分に外気を送り込む機構も用意している。さらに、ファンを逆回転させてホコリを吹き飛ばす「Dust Defenders」にも対応する。

Thermal ArmorのCPU電源回路部分には、L字型にスリットを設けており(写真=左)、上のレバーを使うと手動で開閉できる(写真=中央)。搭載するコンデンサは10K(1万時間)クラスの耐久性を持つ「10K Ti-Caps」だ。このほかミリタリーグレードの低RDS(on) MOSFETなども採用している(写真=右)

 温度管理という点では、搭載する専用チップ「TUF ICe」を実装した。12基のセンサーから得たデータを処理し、ファンの管理も行うチップだ。温度センサーもファンもここまで増えると、CPUを用いたソフトウェア処理の負荷が増えてしまうため、ハードウェアで制御するのが効率的とASUSTekは説明している。

 また、「Thermal Rader 2」機能では、ファンの制御機能が進化し、より詳細に設定できるようになったほか、ASUSTeK製のグラフィックスカードとの組み合わせで、GPUファンを制御することも可能となった。さらにファン制御機能は、Windows上のユーティリティだけでなく、UEFIでも操作可能となったことで、非Windows環境でもファン制御が可能になった。

M.2には対応しないがSATA Expressは利用可能

 9シリーズチップセットでは、SATA ExpressポートとM.2スロットをサポートすることになったが、SABERTOOTH MARK Iが搭載するのはSATA Expressのみだ。Thermal Armorがあるため、M.2スロットをそのように実装するのかは、今後のモデルでの課題になるかもしれない。

 なお、TUFシリーズではPCB基板に10キロの荷重をかけても動作するだけの耐久性を設けたという。ネジ固定式のCPUクーラーなどで大きな力がかかったような状況でも、安定して動作するという意味でメリットとなりそうだ。

バックパネルには、USB 2.0が4基、USB 3.0が4基、DisplayPort、HDMI、デュアルギガビット有線LAN、オーディオ入出力、そして、Thermal Armorの給排気用スペースも確保している。なお、USB 2.0とUSB 3.0、オーディオ、LANはESDガード機能を備える(写真=左)。M.2には対応しないが、SATA Express1基を備える。SATAポート自体は合計で8基を用意する

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