9シリーズマザーフォトレビュー──「ASRock Z97 Extreme4」オリジナル機能も豊富なスタンダードモデル

» 2014年05月15日 14時57分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

Ultra M.2ではないが、スタンダードに機能をプラスしたミドルレンジ

 「Z97 Extreme4」は、M.2スロットやSATA Expressなど、9シリーズチップセットの新機能を楽しめるうえに、コストパフォーマンスも追求したモデルだ。実売価格はおよそ1万5800円(税抜き)。ASRockが訴求するより高速な「Ultra M.2」スロットには対応しないが、標準のM.2スロットは実装する。

 拡張スロットはPCI Express x16が3基で、レーン数は16/なし/なし、または、8/8/なし、8/4/4と切り替え可能なほか、3基のPCI Express x1スロットも装備する。マルチGPUのサポートは、SLI(Quadを含む)、および、3-way CrossFire(Quadを含む)に対応。なお、最上段のPCI Express x16スロットはコンタクトに金メッキを施している。

PCB基板がSapphire Black仕様となり、引き締まった印象を受ける。

 CPUフェーズ数も多めで、12フェーズ回路を搭載する。その上のヒートシンクも大型で、ASRockが「XXL Aluminium Alloy Heatsink」と呼ぶデザインを採用する。CPU電源回路の部品には、MOSFETのダイを2つ積層し1つのパッケージに収めた「Dual-Stack MOSFET」を使っている。周囲のコンデンサは1万2000時間(12K時間)の耐久性を持つ「12K Platinum Cap」、メモリ用には「NexMOSFET」と呼ぶ低RDS性能に優れたMOSFETを採用するなど、部品の質も重視している。

 PCI Express x16スロットは3本を搭載。SLI、および、3-way CrossFireが利用可能だ。その上で、拡張スロットやポート類は必要十分な構成で、SATA追加チップも搭載している。ひととおりの用途に対応できるだろう。

CPU電源回路は12フェーズ構成。XXLサイズの大型ヒートシンクを搭載し、その形状もかなり複雑だ(写真=左)。また、マザーボード上の固体コンデンサは12K仕様。10Kコンデンサの採用という流れができつつあるが、ASRockはその上の仕様を採用してきた(写真=中央)。バックパネルを見ると、USB 3.0が6基と多いほか、映像出力インタフェースも、DisplayPort、HDMI、DVI、アナログRGBと映像出力も豊富だ。ほかには、USB 2.0を2基、PS/2、LAN、オーディオ端子を用意する(写真=右)

 オーディオ機能はPurity Sound 2に対応。コーデックチップはS/N比115デシベルの「Realtek ALC1150」で、EMIシールドを装備する。オーディオ用コンデンサは、ニチコンのFineGoldシリーズを用いている。

Purity Sound 2準拠のオーディオ機能を導入。金色の電解コンデンサは、ニチコン製ハイグレード仕様オーディオ用コンデンサの「FineGold」(FG)シリーズだ。その足元に見える線は、デジタル回路とアナログ回路を分離するためのラインだ

 ハードウェアが関連する独自機能では、「HDD Saver」に対応する。HDD Saverは、専用コネクタに付属ケーブルを接続してそこに接続したSerial ATA対応データストレージの電源を制御する機能だ。プライベートなデータを保存したストレージを、普段隠しておく(物理的に切断した状態にする)といった活用方法があるとASRockのスタッフは紹介している。もちろん節電や、通電しないことによる製品寿命の延長効果もあり、ASRockは「Saver」という名称をつけている。

HDD Saverもサポート。SATAポート横にあるSATA_PWR_1とあるコネクタがこれだ。ソフトウェア上からここに接続したSATA HDD(最大2台)の電源を制御できる(写真=左)。SATA Expressも搭載する。Serial ATA自体は合計8基(写真=中央)。M.2スロットは2番目と3番目のPCI Express x16スロットの間にある。すべての長さのM.2デバイスに対応できるとASRockは説明している(写真=右)

マザーボード上、右下の角部分には電源/リセット/CMOSクリア用のボタン、2つのBIOS ROMとそれを切り替えるスイッチ、POSTコード表示用のLCDを備える

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年06月19日 更新
  1. Microsoftが「Windows Update後にPCが起動できない問題」に声明 PCメーカーと共に対処中 (2025年06月18日)
  2. マウスコンピューターの一部ノートPCで「Windows Update」を適用すると起動できない事象 一部機種で対策開始 (2025年06月17日)
  3. OSの大幅進化で近づいたMacとiPadの「立ち位置」 しかし「方向性」に違いあり (2025年06月18日)
  4. 富士通/FCCLが「Windows Updateを適用すると起動できない問題」の対象機種を公開 2015〜2016年発表モデルの一部が対象 (2025年06月17日)
  5. 夏を盛り上げろ! アンカー・ジャパンが最大50%オフのセール「Anker Power Week」を開催中 (2025年06月17日)
  6. FCCLと富士通が「7〜10年前の一部デスクトップPCが起動できない問題」で特設ページ開設 当該機種では原因の「Windows Update」を配信停止 (2025年06月15日)
  7. Appleが「スマホソフトウェア競争促進法」に12の提案 iPhoneの安全性はどうなる? (2025年06月19日)
  8. Easy Anti-Cheatを組み込んだ「Windows 11(バージョン24H2)」PCに6月更新を適用すると突然再起動する恐れ 差し替えの“不定期更新”を配信 (2025年06月12日)
  9. GIGABYTE(ギガバイト)の一部ノートPCが「Windows Update」後に起動できないトラブル 適用を見合わせるように呼びかけ (2025年06月17日)
  10. 2015〜2017年に発売された富士通製デスクトップPCで「Windows Update」後に起動できない事象 大塚商会 (2025年06月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー