「Z97 Extreme4」は、M.2スロットやSATA Expressなど、9シリーズチップセットの新機能を楽しめるうえに、コストパフォーマンスも追求したモデルだ。実売価格はおよそ1万5800円(税抜き)。ASRockが訴求するより高速な「Ultra M.2」スロットには対応しないが、標準のM.2スロットは実装する。
拡張スロットはPCI Express x16が3基で、レーン数は16/なし/なし、または、8/8/なし、8/4/4と切り替え可能なほか、3基のPCI Express x1スロットも装備する。マルチGPUのサポートは、SLI(Quadを含む)、および、3-way CrossFire(Quadを含む)に対応。なお、最上段のPCI Express x16スロットはコンタクトに金メッキを施している。
CPUフェーズ数も多めで、12フェーズ回路を搭載する。その上のヒートシンクも大型で、ASRockが「XXL Aluminium Alloy Heatsink」と呼ぶデザインを採用する。CPU電源回路の部品には、MOSFETのダイを2つ積層し1つのパッケージに収めた「Dual-Stack MOSFET」を使っている。周囲のコンデンサは1万2000時間(12K時間)の耐久性を持つ「12K Platinum Cap」、メモリ用には「NexMOSFET」と呼ぶ低RDS性能に優れたMOSFETを採用するなど、部品の質も重視している。
PCI Express x16スロットは3本を搭載。SLI、および、3-way CrossFireが利用可能だ。その上で、拡張スロットやポート類は必要十分な構成で、SATA追加チップも搭載している。ひととおりの用途に対応できるだろう。


CPU電源回路は12フェーズ構成。XXLサイズの大型ヒートシンクを搭載し、その形状もかなり複雑だ(写真=左)。また、マザーボード上の固体コンデンサは12K仕様。10Kコンデンサの採用という流れができつつあるが、ASRockはその上の仕様を採用してきた(写真=中央)。バックパネルを見ると、USB 3.0が6基と多いほか、映像出力インタフェースも、DisplayPort、HDMI、DVI、アナログRGBと映像出力も豊富だ。ほかには、USB 2.0を2基、PS/2、LAN、オーディオ端子を用意する(写真=右)オーディオ機能はPurity Sound 2に対応。コーデックチップはS/N比115デシベルの「Realtek ALC1150」で、EMIシールドを装備する。オーディオ用コンデンサは、ニチコンのFineGoldシリーズを用いている。

Purity Sound 2準拠のオーディオ機能を導入。金色の電解コンデンサは、ニチコン製ハイグレード仕様オーディオ用コンデンサの「FineGold」(FG)シリーズだ。その足元に見える線は、デジタル回路とアナログ回路を分離するためのラインだハードウェアが関連する独自機能では、「HDD Saver」に対応する。HDD Saverは、専用コネクタに付属ケーブルを接続してそこに接続したSerial ATA対応データストレージの電源を制御する機能だ。プライベートなデータを保存したストレージを、普段隠しておく(物理的に切断した状態にする)といった活用方法があるとASRockのスタッフは紹介している。もちろん節電や、通電しないことによる製品寿命の延長効果もあり、ASRockは「Saver」という名称をつけている。


HDD Saverもサポート。SATAポート横にあるSATA_PWR_1とあるコネクタがこれだ。ソフトウェア上からここに接続したSATA HDD(最大2台)の電源を制御できる(写真=左)。SATA Expressも搭載する。Serial ATA自体は合計8基(写真=中央)。M.2スロットは2番目と3番目のPCI Express x16スロットの間にある。すべての長さのM.2デバイスに対応できるとASRockは説明している(写真=右)
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