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» 2014年07月11日 13時30分 公開

SSDの容量、性能、耐久性、電力効率を高める「3D V-NAND」とは何か?NANDフラッシュは1Tビット時代へ(1/4 ページ)

SSDに使われるNANDフラッシュメモリは記録密度向上のスピードが鈍化し、プロセスルールの微細化も限界が見えてきた。Samsungは3次元構造のNANDフラッシュメモリ「3D V-NAND」により、こうした問題を解消する。

[鈴木雅暢,ITmedia]

NANDフラッシュには新しいアプローチが必要

 Samsung Electronicsが韓国ソウルで開催したSSDのプレスイベント「2014 Samsung SSD Global Summit」では、新製品である「Samsung SSD 850 PRO」の発表に先立ち、3次元構造のNANDフラッシュメモリ「3D V-NAND」の技術解説や市場トレンドについて講演が行なわれた。

 開会の挨拶を行なったキム・オンス氏に続いて登壇したジム・エリオット氏は、ITマーケットのトレンドについて解説。ノートPC、スマートフォン、タブレットなどのモバイルデバイスの普及、SNSの浸透などによって、モバイルのデータトラフィックが爆発的に増加しており、それに伴い、ITストレージの容量要求も上昇し続けていると紹介した。

 こうしたモバイルデータ爆発の時代において、省電力、省スペースかつハイパフォーマンスなNANDフラッシュメモリは、最適なソリューションであるという。

キム・オンス氏(ブランドプロダクトマーケティングチームの担当上級副社長)は、2014 Samsung Global Summitにて開会の挨拶を行なった(写真=左)。続いて登壇したジム・エリオット氏(メモリマーケティングの担当副社長)は、モバイルデータ爆発の時代に向け、NANDフラッシュメモリの容量/記録密度向上における新しいアプローチの必要性を説いた(写真=右)
PC、スマートフォン、IOT(Internet of Things)とIT市場が拡大し、2020年には500億デバイスに達する見込み(写真=左)。1日にFacebookは87億ページが更新され、Kakao Talkは50億メッセージがやりとりされ、Twitterでは5億ツイートが書き込まれているという(写真=右)
モバイルデータのトラフィックは成長を続け、2018年には10億以上のデバイスがインターネットに接続され、190Eバイト(エクサバイト)にも上るデータがやりとりされる見込み(写真=左)。190Eバイトという数字がいかにすごいか? 例えば、人類誕生から2003年までに作られたデータの合計が5Eバイトであるという(写真=右)。また、1Eバイトは、HD動画1万3300年分、電子書籍4.7兆冊分に相当する
2011年から2020年までの10年でモバイルトラフィックは100倍に、ITストレージは21倍の容量になると予想される(写真=左)。省電力、省スペース、ハイパフォーマンスなNANDフラッシュは、モバイルデータ爆発の時代に最適なソリューションである(写真=右)

 実際にNANDフラッシュメモリは、PC、サーバ、スマートフォン、家電製品などさまざまな機器に搭載されている。その容量ニーズも増え続けており、SSDを中心に今後もさらに増えると予測した。

 そのうえで、同社がNANDフラッシュメモリ、SSDのいずれもトップシェアを獲得しているリーディングカンパニーであることを強調。これまでに市場のニーズに応えるため、プロセスルールの微細化とともに、MLC、TLC(3ビットMLC)といった新たな技術を業界の先頭に立っていち早く導入し、成功させてきたと主張した。

 一方で、同氏が指摘するのが、NANDフラッシュメモリにおける記録密度向上のスピードが鈍化し、収益性が下降傾向にあることだ。このまま従来のプロセスルールの微細化を続けても生産設備などに莫大なコストがかかる割に、記録密度の向上は限界が見えており、NANDフラッシュメモリには新しい挑戦、新しいアプローチが求められていることを強調した。

 その新しいアプローチこそが、NANDフラッシュメモリの3次元構造化、そして同社が実用化してSSD 850 PROに初採用した「3D V-NAND」というわけだ。

NANDフラッシュ容量の需要はこれからも上昇し続け、中でもSSDの容量需要が伸びると予測する(写真=左)。SSD容量需要の成長について、2018年にはPC市場で4.7倍、エンタープライズ/データセンター向けで8.4倍に伸びると予測する(写真=右)
同社は、NANDフラッシュメモリ市場で34.7%、SSD市場では46.6%ものシェアを獲得しているリーディングカンパニーであるとアピール(写真=左)。NANDフラッシュ/SSDのリーディングカンパニーとして市場のニーズに応え続けてきた。2006年、世界初のSSD搭載PCに32GバイトSLCのSSDを提供した際のGバイト単価は約14ドルだった(写真=右)
2008年には世界初のMLC SSDを投入(写真=左)。当時の容量は128GバイトでGバイト単価は約5.1ドルだった。2012年には世界初の3ビットMLC(TLC)SSDをリリース(写真=右)。当時最大容量は500Gバイト、Gバイト単価は0.79ドルまで下げることに成功した。当時は信頼性に疑問を持たれていたが、現在までの実績が証明していると胸を張った
その一方で、記録密度の向上ペースは鈍化している(写真=左)。微細化を続けていくには大きな投資コストが必要になり、その投資の割に得られる記録密度向上のリターンが少ない。NANDフラッシュには新しいアプローチが求められているとした。その新しいアプローチが3次元構造であり、同社が世界に先駆けて実用化した3D V-NANDだ(写真=右)
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