「Samsung SSD Global Summit」は、Samsung Electronicsが世界各国のプレスを韓国に集めて行うSSDに特化したイベントだ。新製品の発表、業界の技術トレンド解説、そして同社の業界内におけるリーダーシップのアピールを行う場となっている。2012年、2013年に続き、今年で3回目を迎えた。
例年このイベントでは、2012年の「Samsung SSD 840 PRO/840」、2013年の「Samsung SSD 840 EVO」と、コンシューマー向け新SSDの発表会も開催されるが、今年もまたSerial ATA 6Gbps SSDの新モデル「Samsung SSD 850 PRO」が発表された。3次元構造のNANDフラッシュメモリ「3D V-NAND」を世界で初めて搭載したコンシューマー向けSSDとして大いに注目される製品だ。

モデルが手にしているのが、「Samsung SSD 850 PRO」(写真=左)。発表会場に展示されていたSamsung SSD 850 PRO(写真=右)。デザインはほぼ先代のSamsung SSD 840 PROを踏襲しているが、840 PROではオレンジだったアクセントカラーがレッドになっている3D V-NANDでは、平面方向の微細化のみで記録容量を増やしてきた従来の(プレーナ型)NANDフラッシュと異なり、メモリセルを縦方向に積み増す。隣接セルとの信号干渉などにより、微細化の限界に近づいていたNANDフラッシュメモリの記録容量のブレイクスルーとして期待されている技術だ。
メモリセルに1ビットの情報を記録するSLC(Single Level Cell)のほか、2ビットを記録するMLC(Multi Level Cell)、3ビットのTLC(Triple Level Cell=3ビットMLC)といった技術も併用できる。
平面的に極端な微細化は不要なため、書き込み性能が高いほか、耐久性、信頼性にも優れており、セル1つあたりの耐久性(書き換え可能回数)は従来型NANDの2〜10倍にまで向上している。

3D V-NANDフラッシュのイメージ(写真=左)。32層ならば、従来の1セルのスペースに32セルを実装可能だ。3D V-NANDでは、1セルを円形に形成し、円筒のように積み重ねることを可能にしている。レイヤーの数は第一世代で24層、850 PROシリーズに採用されているのは第二世代の3D V-NANDで32層だCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.