Samsung Electronicsは9月24日、韓国ソウルにて世界各国のプレスやブロガーを集めたイベント「2012 Samsung SSD Global Summit」を開催し、SSDの新製品「Samsung SSD 840 PRO」と「Samsung SSD 840」を発表した。
これらはSerial ATA 6Gbpsインタフェースを採用した7ミリ厚の2.5インチSSDだ。自社製のコントローラ、NANDフラッシュ、キャッシュDRAMをいずれも刷新し、100000 IOPS(Input Output Per Second)のランダムアクセスなど現行最速といえる性能を達成するとともに、従来の「Samsung SSD 830」シリーズでも定評のある「性能の持続力」にもさらに磨きをかけた意欲作となっている。
840 PROシリーズの容量は128/256/512Gバイト、840シリーズの容量は120/250/500Gバイト。保証期間は840 PROシリーズが5年間、840 PROシリーズが3年間だ。840シリーズでは830シリーズ同様、データ移行用ソフトやケーブルなどが付属するKitモデルと、これらが付属しないBasicモデルが用意される。840 PROシリーズはBasicモデルのみでの提供だ。
北米での実売想定価格は、840 PROシリーズの128Gバイトが149.99ドル、256Gバイトが269.99ドル、512Gバイトが599.99ドル(いずれもBasicのみ)。840シリーズの128Gバイトが109.99ドル(Basic)/129.99ドル(Kit)、250Gバイトが199.99ドル(Basic)/219.99ドル(Kit)、500Gバイトが449.99ドル(Basic)/469.99ドル(Kit)だ。日本では10月中旬に発売する予定で、価格は未定という。
従来のSamsung SSD 830は1シリーズであったのに対し、今回はITプロフェッショナル/エンスージアスト向けのSamsung SSD 840 PROとメインストリーム向けのSamsung SSD 840の2シリーズで展開される。
SamsungはSSDメーカーであると同時に、ファームウェア、コントローラ、NANDフラッシュメモリ、DRAMキャッシュのメーカーでもあり、SSDのコンポーネントすべてを内製する垂直統合モデルを強みだとアピールしているが、今回はSerial ATAインタフェースを含めた全体の基本設計を引き継ぎつつ、これらのコンポーネントを刷新した。
トリプルコアのコントローラをARM 9(220MHz)からARM Cortex-R4(300MHz)へ強化したほか、NANDフラッシュメモリのインタフェース速度を133Mbps(Toggle DDR)から400Mbps(Toggle DDR2.0)へ高速化。さらに、キャッシュメモリに省電力なLPDDR2 SDRAMを採用するとともに最大容量も512Mバイトと従来の2倍になっている。
Samsung SSD 840 PROシリーズのスペックとして100000 IOPSを最も強調するように、ファームウェアはランダムアクセスを重視してチューニングされているという。また、840シリーズのNANDフラッシュはTLC(トリプルレベルセル:1つのセルに3ビットのデータを記録する)であることも明らかにされた。一方、840 PROシリーズのNANDフラッシュはMLC(1つのセルに2ビットのデータを記録)を採用する。
一般的に、TLCはMLCに比べて集積度が高く、大容量化やコスト面で有利になるが、書き換え可能回数や保存性では不利になる。そこで、840シリーズでは競合より高性能なTLCタイプのNANDを採用し、オーバープロビジョニング(主に性能低下防止に使われる予備領域)を取ることで、信頼性を高めたという。そのため、840シリーズは840 PROシリーズに対して記録容量が少し小さく、保証期間も短くなっている。
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