数回に分けてお届けする「PC USERアワード」では、ITmedia PC USER編集部がジャンル別におすすめ製品を格付しながら紹介する。第3回のテーマは「ゲーミングPC」。ノートPCとデスクトップPCの区別なく、2014年上半期(1月〜6月)に登場した製品を中心にノミネートしている。また、対象には同期間に販売中の現行モデルも含めた。
2014年上半期のおすすめ「ゲーミングPC」――ITmedia PC USER編集部が選ぶ | |
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● GOLD | NEXTGEAR-NOTE i420SA1(マウスコンピューター) |
● SILVER | G-GEAR N1561J-720/E(ツクモ/ProjectWhite) |
● BRONZE | MASTERPIECE i1440PA1-SP-DOC-CL(マウスコンピューター) |
Recommended | GALLERIA XG-A 780Ti(サードウェーブ) |
Recommended | GE60 2PE-043JP(MSI) |
Recommended | G-Master Assault Z87(サイコム) |
Recommended | NEXTGEAR-MICRO im560(マウスコンピューター/PC USERコラボモデル) |
Recommended | ALIENWARE 18(デル) |
マウスコンピュータ−のNEXTGEAR-NOTE i420SA1は、モバイルサイズの13.3型ボディにMaxwell世代の「GeForce GTX 860M」を搭載したゲーミングノートPCだ。前身である「NEXTGEAR-NOTE i410」の特徴をそのまま引き継ぎつつ、最新GPUを採用することでグラフィックス性能を引き上げている。
前モデルのNEXTGEAR-NOTE i410が登場したとき、13.3型サイズで強力なGPUを搭載した製品の選択肢が少なかったため、コンパクトなゲーミングノートが欲しいと考える層からは、非常に高く評価された。実は個人的にもNEXTGEAR-NOTE i410を購入して愛用していたのだが、2014年3月に後継機のNEXTGEAR-NOTE i420が登場し、GPUをGeForce GTX 765MからGeForce GTX 860Mにリフレッシュしたこの製品を何とも言えない気持ちで眺めていた。
その中でもNEXTGEAR-NOTE i420SA1は、システムドライブに128GバイトのmSATA SSDを、データ用に1TバイトHDDを搭載するダブルドライブを採用したモデルで、性能とコストパフォーマンスを両立した“鉄板”構成になっている。
フルHD(1920×1080ドット)に対応する13.3型ワイドの液晶ディスプレイは、外光の映り込みを抑えたノングレアパネルを採用し、ゲームプレイだけでなく、強力な処理性能を生かせる画像編集や動画編集などを長時間するのにも向いている。ゲーミング以外の快適さも折り紙付きというわけだ。また、NEXTGEAR-NOTE i410を長期間使ってきた経験からすると、キーピッチ約19ミリ/ストローク約1.5ミリの余裕のあるキーボードは、ユニットがかっちりと固定されており、今も快適にタイピングできている(ただ、深夜はやや打鍵音が気になる)。同じキーボードユニットを採用するNEXTGEAR-NOTE i420SA1でも、この辺りの使用感は同様だろう。
13.3型クラスのコンパクトボディに圧倒的な性能を詰め込み、PCゲームのみならず、あらゆる用途をカバーできる点、何より個人的に最も欲しいと思わせた製品だったことから、今回ゴールドに選出した。ちなみに、現在はさらに2560×1440ピクセル表示のIGZOパネルを採用した「NEXTGEAR-NOTE i421」も登場している。物欲は尽きない……
2014年3月に登場したNEXTGEAR-NOTE i420に続いて、翌4月にツクモから投入されたのがこの「G-GEAR N1561J」シリーズ。上位モデルの「G-GEAR N1561J-720/E」は、CPUにCore i7-4710MQ(2.5GHz/最大3.5GHz)を採用し、8Gバイトメモリと、128GバイトSSD+500GバイトHDD、そしてGPUにGeForce GTX 860と、前述のNEXTGEAR-NOTE i420SA1に似たシステム構成になっている。
大きな違いはボディサイズと液晶ディスプレイで、NEXTGEAR-NOTE i420SA1がコンパクトではあるもののモバイルノートとしてかなり重いため、「どうせそんなに持ち運ばないなら大きな画面のほうがいいかも……」と、購入するならどちらを選ぶか迷った製品である。今回は“コンパクトで高性能”というロマンを求めるか、デスクトップPCの代替機として完全に割り切るかで前者に軍配が上がったが、このG-GEAR N1561J-720/Eも大いに物欲を刺激してくれた。
インタフェースはメディアカードリーダー、USB 3.0×3、USB 2.0、eSATA、HDMI出力、アナログRGB出力、ギガビットLANと豊富。10キー付きキーボードも備えており、ゲーミングブランドの「G-GEAR」を冠してはいるが、デスクトップPCの代替になるメインマシンとしても十分活躍してくれるはずだ。そして何より、11万9800円(税別/キャンペーン3000pt進呈対象)という、群を抜くコストパフォーマンスを高く評価してシルバーに選んでいる。ほんと安いですよね、これ。
ここ数年、筆者はノートPCを常用しており、長時間ビデオ編集をするときだけ自作マシンに火を入れる程度にしかデスクトップPCを使っていないが、2014年上半期に「おっ?」と思わせてくれたのがこの「MASTERPIECE i1440PA1-SP-DOC-CL」だ。
言わずと知れたマウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」の中でも、「MASTERPIECE」の名を冠する最上位モデルで、i1440PA1-SP-DOC-CLは、Core i7-4770K(3.5GHz/最大3.9GHz)に32Gバイトメモリ(DDR3-2400!)、RAID 0構成の1TバイトSSD(Samsungの840 EVO)×2、そしてGeForce GTX 780Tiというモンスタースペックを誇る。
最大の特徴は、ボタン1つでCPUとGPUのオーバークロックができる点。Abeeと共同で開発したスチル製ケースは非常に息の長い人気モデルで、このケースを特注で改良し、前面側にOC用のボタンを設置して、手軽に性能を引き上げられるのがポイントだ。また、OC仕様のメモリをはじめ、シーケンシャルリードで1000Gバイト/秒を超える超高速なストレージ、12センチ角のラジエーターを採用した水冷仕様、大容量の1200ワット電源(80PLUS Gold認証)を搭載するなど、そのほかの部分にも一切手抜きがない。
4K解像度で最新PCゲームが快適にプレイできてしまえるダブルオーバークロックの威力を手軽に体験できるのは非常に魅力的だ。価格は49万9800円(税別)と、正直手が出せるモデルではないものの、どうせデスクトップPCを使うのであればこんな製品を使ってみたい、宝くじが当たったら間違いなく購入する、誰か買ってくれないかなー、などと妄想が広がる製品として、今回ブロンズに選出している。
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