今回は、性能検証の速報値としてとして、PCMark 8とCINEBENCH R15、3DMarkのスコアを紹介しよう。
PCMark 8のスコアはHomeが4692、Creativeが5518、Workが4845だった。PCMark 8ではマルチコアが有効なようで、低クロックでありながらも、スコアは良好だ。より速い動作クロックのCore i7-4790Kと比較しても、これを上回っている。Workスコアはそこまで大差ないのだが、HomeやCreativeは1000ポイント以上差をつけた。
3DMarkのスコアは、Fire Strikeが10865、Sky Diverが30825、Cloud Gateが35244、Ice Stormが151955となった。Core i7-4790Kの計測と同じグラフィックスカードだが、スコアは大幅に高い。ただし、Graphicsのスコアで見ると、向上しているがそこまで大幅なものではない。主にPhysicsテストなどでの向上が大きいのだろう。
CINEBENCH R15は、CPUが1320cb、Single Coreが138cbだった。CPU側で1000ポイントをあっさり上回ったのは大きいだろう。一方で、Single Coreのスコアは、Core i7-4790Kの173cbと比べてかなり低い。マルチスレッド性能をとるならば8コアのCore i7-5960X、シングルスレッド性能をとるならば高クロックなCore i7-4790Kという、エンスージアスト向けプラットフォームとメインストリーム向けプラットフォームの方向性の違いが明確になってきた印象だ。
速報値的な性能検証ながら、Core i7-5960Xは良好なスコアを示した。ただ、これまでと同様、価格は高めに設定している。ハイエンドラインアップのさらに最上位モデルなのだから当然ではあるが、DDR4メモリも、容量単価で見てDDR3の2倍程度で、それを4枚セットで用意する必要がある。
また、8コア/16スレッドを活用するアプリケーションをどれだけ使うのかどうかという点もある。多くのアプリケーションでは、4コア以上を持て余すことが多い。
一方で、映像のソフトウェアトランスコードや3DCGレンダリングなどのアプリケーションを使っているのであれば、8コア/16スレッド対応の効果は期待できる。最大6コアから8コアへと増えたことで、マルチスレッド処理性能に与える影響は大きい。マルチスレッドアプリケーションに限れば、動作クロック以上に同時に処理できるスレッド数が重要であることが多い。
また、これは主観的な評価となるが、新しいソケット、新しいメモリはやはりいい。手にしたならば、思わずニヤけてしまうだろう。今後数年は現役であり続けられるという点も頼もしい。スレッド数に余裕があるから、万が一、トレンドが変わってきたとしても、しばらく対応できる。
かつて、PCを購入するなら最上位のCPUという流れがあった。そうしておかないと、新たなトレンドに対応して行けなかったからだ。いまもそう考えるコアな自作PCユーザーなら、十分に満足のいくプラットフォームといえそうだ。
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