インテル、“Haswell-E”と「Intel X99 Express」を発表その性能は2割増し

» 2014年08月30日 01時01分 公開
[ITmedia]

最上位モデルでは8コア16スレッド対応に

 インテルは、8月29日(現地時間)に開発コード名“Haswell-E”のCore i7シリーズと、そのCPUに対応する「Intel X99 Express」チップセットを発表した。それにあわせて、PCパーツベンダーやPCメーカーはIntel X99 Expressチップセットを搭載するマザーボードやHaswell-EシリーズとIntel X99 Expressチップセットを採用したモデルを発表している。

最上位モデルで8コア16スレッドに対応する“Haswell-E”とチップセットの「Intel X99 Express」

 Haswell-Eでは、22ナノメートルプロセスルールとトライゲート3Dトランジスタ技術を導入した。ダイサイズは17.6×20.2ミリで構成トランジスタ数は26億個。CPUソケットはLGA 2011-v3に対応する。

Haswell-Eの最上位となる8コアモデル「Core i7-5960X」のダイ画像。上辺側に入出力インタフェースコントローラを収容し下辺側にメモリコントローラを統合する。左右に4基ずつコアを実装し中央にコアで共有する3次キャッシュメモリを載せている

 最上位モデルで物理コアを最大8基搭載し(下位モデルは6コア)、Hyper-Threading Technologyをサポートするので、8コアモデルでは最大16スレッド処理が可能になる。また、3次キャッシュメモリとして20Mバイトを内蔵する。マルチスレッド処理性能は従来のクアッドコアモデルと比べて79%向上したとインテルは説明している。

 統合するメモリコントローラでは、DDR4-2166をサポートし、クアッドチャネルメモリバスを利用できる。また、PCI Express 3.0で扱うレーンの数は40レーンとなり、4枚のグラフィックスカードによるマルチGPU構築も可能になった。

 今回登場するHaswell-Eのラインアップは「Core i7-5960X」「Core i7-5930K」「Core i7-5820K」の3モデルだ。それぞれの主な仕様は以下の通り。

プロセッサー・ナンバー ベースクロック 最大クロック コア数/スレッド数 3次キャッシュメモリ PCI Expressレーン数 メモリ TDP 1000ユニット購入時の単価
Core i7-5960X 3GHz 3.5GHz 8コア/16スレッド 20Mバイト 40レーン クアッドチャネル/DDR4-2133 140ワット 999ドル
Core i7-5930K 3.5GHz 3.7GHz 6コア/12スレッド 15Mバイト 40レーン クアッドチャネル/DDR4-2133 140ワット 583ドル
Core i7-5820K 3.3GHz 3.6GHz 6コア/12スレッド 15Mバイト 28レーン クアッドチャネル/DDR4-2133 140ワット 389ドル

 インテルの測定によると、Core i7-4960Xと比べたCore i7-5960Xのベンチマークテストスコアは、4K動画編集処理のAdobe Premiere Pro CCで20%、3Dレンダリング処理のCINEBENCH 15で32%、ゲームにおける物理演算処理とAI処理の3DMark Fire Strikeで14%とそれぞれ向上する。

 また、画質変換アプリのHandbrakeで4K動画をトランスコードした場合、Core i7-5960Xの処理時間は6コアのCore i7-4960Xと比べて34%、クアッドコアのCore i7-4790Kと比べて69%早くなっている。

Core i7-5960XとCore i7-4960X、そして、Core i7-4790Kのそれぞれで、アプリケーションを使った処理性能を比較する

 Intel X99 Expressチップセットは、6基のUSB 3.0と8基のUSB 2.0、そして、10基のSerial ATA 6Gbpsを利用できるほか、ギガビットイーサネットコントローラとIntel High Definition Audioを統合する。また、ビジネス利用で利用の多いIntel ME 9.1とオーバークロックなどのチューニング設定で利用するIntel Extreme Tuning Utilityをサポート、オプションでRapid Storage Technology 13.1も対応する。

Haswell-EとIntel X99 Expressチップセットを組み合わせたシステムで利用できるインタフェースとバスの構成(写真=左)。Ivy Bridge-Eに対応したIntel X79 ExpressチップセットとIntel X99 Expressチップセットで主な仕様を比較する。Intel X99 Expressでは、Thunderboltに対応したほか、オーバークロック設定も可能になった(写真=右)

TS13Xはインテルリテールの水冷ユニットだ。LGA 2011/1366/115Xに対応し、価格は85〜100ドル。ラジエータには12センチファンを内蔵して800〜1200rpmで回転数を制御できる。発生音は800rpmで21デシベル、2200rpmで35デシベル

(記事掲載当初、Thunderboltの記述に誤りがありました。おわびして訂正いたします)

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