同じくIFA 2014でもアピールしていた「RealSense」の3D認識技術では、より分かりやすいデモでそのメリットを訴えていた。RealSenseに搭載した深度センサにより、カメラ側の視点を移動することで、対象物の立体的で正確なデータを取得できるようになる。これにより、対象物の全体を撮影することで「3Dスキャニング」が可能になったり、3Dモデルを静止画撮影だけで抽出できたり、物体の正確なサイズを静止画撮影で測ることができるようになったりする。
米Intel CEOのブライアン・クルザニッチ氏が行ったデモは、このRealSenseの特性をよく示している。クルザニッチ氏がRealSense搭載デバイスを使って撮影した画像は、サンフランシスコのチャイナタウンで撮影した普通の記念ショットのようにも思えるが、写真の個々の要素について“レイヤー”情報を付記しており、立体的な相関関係をもっている。
個々のレイヤーについてモノクロ処理を行うエフェクトをかけるとき、スライダー操作で画像の“深さ”に応じてエフェクトの効果範囲を指定できる。これにより、背景をモノクロ調にしつつ、手前のカラフルな飾りは鮮やかな色をそのまま保持した状態の写真を作成できる。このツールを使えば、RealSenseで撮影した写真から人物や特定のオブジェクトのみを切り出すことも簡単に行えそうだ。
RealSense紹介の中で米Dell CEOのマイケル・デル氏が登場し、デモストレーションに使っていた「RealSense Snapshot」の3Dカメラを搭載したタブレット「Dell Venue 8 7000 Series」を披露した。Intelの基調講演ということで、Dell Venue 8 7000 Seriesを手にしながら、デル氏はRealSense Snapshotの威力をアピールしている。
デル氏が撮影したというサンフランシスコ名所のゴールデンゲートブリッジが映る写真では、スライダーによって後からピントの位置が調整できる。これにより、背景と手前の人物のどちらを主役とするか撮影の後でも決定できるわけだ。また、対象物のサイズを計測する機能も使い勝手がいい。家のソファの写真を撮っておけば、あとでソファにかけるちょうどいいサイズのシーツを購入するときに、ここで計測したサイズを提示するだけでいい。事前にメジャーなどでサイズを計測する必要はない。
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