より薄く、優美に――林信行が「iPad Air 2」の魅力に迫る世界で最も“悩ましいタブレット”に進化(2/5 ページ)

» 2014年10月22日 10時01分 公開
[林信行(写真:篠原孝志、撮影協力:平河町ライブラリー),ITmedia]

ついにiPadのカメラも本格派に

 2011年のiPad 2登場以来、世界中でiPadで写真を撮る人が増えている。筆者はiPhoneで写真を撮る派だが、目の弱くなってきた年配の方はもとより、意外に20〜30代の若い男女でもiPadで写真を撮る人が多い。

 iPadで写真を撮るというと「え、そんなのかっこ悪い」とか「おかしい」と変なこだわりを見せるのは、実はITに精通してソーシャルメディアで声の大きい“IT度が高い人”たちくらいで、世の中のほとんどの人は「え、カメラ付いているし、撮ったらいけないの? やはり、画面が大きくて見やすくて撮りやすいよね。カメラの画素数が少ない? でも、私にはこれで十分」という程度の反応で、そんなところに変な執着は見せない。

iPadで写真を撮る姿は変、と大騒ぎする人がいるが、実際にはそれほど変ではない。実際に観光地などに行くと大勢やっている人がいる。例えばよちよち歩きの幼児などの顔を撮影したりするときも、かなり原寸大に近い大きさで確認できるiPadで撮影すると、写真の撮り方が少し変わってくる部分もある。写真はiPad mini 3(写真=左)とiPad Air 2(写真=右)で撮影している図

 ロンドンやパリ、バルセロナや京都などで、町歩きの地図としてiPadを使いながら、きれいな観光スポットに行くと、iPadの大きなスクリーンで撮像を確認しながら撮影をしている人は多い。東京ファッションウィークに集まるファッションブロガーや東京デザイナーズウィークを訪れるデザイナーや家族連れを見ていてもそうだ。疑う人はこうした場所に足を運んでみてほしい(ちょうど東京デザイナーズウィークは今週の土曜日からだ)。

 もっとも、変な執着を見せない一般の人も、カメラの写りがきれいになったらきれいになったで喜ばないはずがない。そしてiPad Air 2では、ついにiPadのカメラが画素数でもiPhoneに追いついた。

iPad Air 2では、背面に内蔵されるiSightカメラが、iPad Airの500万画素から800万画素に進化した

 iPhoneのカメラといえば、光学ズームこそできないものの、高画質のコンパクトデジタルカメラに負けない画質を備えている、おそらく今日、世界で最も使われているデジタルカメラの1つだ。

 新しく進化したiPadのカメラは、フラッシュがなかったり、レンズがほんのやや暗めだったりと、iPhone 6と比べると少しだけ見劣りはするものの、これまでのiPadに比べれば劇的に進化している。

 もちろん、iPhoneユーザーの間ですっかり定着したスローモーション撮影やタイムラプスといった特殊撮影にも対応しており、メインのカメラとしても、iPhoneのバッテリーが切れた時の代わりの1台としても十分に役立ってくれそうだ。なお、数時間後に何枚かサンプル写真を追加する予定。

心地よさを裏支えする飛躍的な性能の向上

 実はiPad Air 2には、もう1つ劇的に進化した部分がある。デジタル技術好きな人は、むしろ、こちらに喜ぶかもしれない。iPad Air 2は、元々高速なパフォーマンスを備えたこれまでのiPad Airと比べても、圧倒的に速くなっているのだ。

 プロセッサ速度を計測するGeekbench 3というソフトで計測したところ、1.51GHzのA8xプロセッサを搭載するiPad Air 2では、3つあるCPUコアの1個だけでもスコアが1812という結果で、前機種より21%高速。さらにCPUコアをすべて使うとスコアが4519となり前機種に対して69%増しになっている。iOS 8.1に対応していないのか、スコアの表示は行われなかったが、GFXBench 3.0という性能計測アプリを使ってみても画面に表示されるアニメーションの滑らかさに驚かされた。

 技術に興味がない人には、この数字がどれくらいすごいか分からないかもしれない。実際、iPad Air 2を使っていて、これらの数字が表す性能を実感することはほとんどない。

 なぜなら、ゲームなどのアプリは、ほかのiPadでのプレイと平等にするために、あえてiPad Air 2だけ動作を速くさせるようなことはしていない(ただし、App StoreのMetal対応アプリコーナーに並ぶ一部のゲームでは、iPad Airでは霧や舞い上がる砂などより繊細な映像表現が行われるようになっているようだ)。

 また、すでにiPad Airが十分高速だったので、iPadでは、そもそも何かの処理が終わるまで待たされる、ということがほとんどない(特定の分野の処理に5分程度の時間がかかるアプリを知っている人には逆にTwitterなどで教えて欲しい。次回以降、ぜひ、比較用に使わせてもらいたい)。

 このため、せっかくiPad Air 2が驚くほどの性能を備えていても、そのピークの性能を味わえる機会は、先に紹介したような性能測定アプリの中の世界くらいでしかない。どんなにスピードが速いスポーツカーを買っても、日本の公道を走っている限り最大速度を出すことがないのと同じことだ。

 ただし、優れたエンジンのスポーツカーが、日頃のドライブでも快適な走りに貢献するのと同じことで、iPad Air 2の高性能プロセッサは、iPadを普段使いしている間でも、数値にはしにくい「ちょっとした使い心地のよさ」といった形で現れる。

 ちなみにiPad用のアプリで一番、性能の良し悪しが出るのは、おそらく3Dのアクションゲームだが、筆者が唯一、ハマっているEA SportsのFIFAシリーズだ(最新のFIFA 15がUltimate Teamだけになって機内でプレイできなくなったことを残念に思っているのは筆者だけではないはずだ)。このゲームに関しては、すでに前モデルのiPad Airで画面上を駆け回る実在選手の走りが十分滑らかになっていたため、気持ち的に動作が軽快になった印象はあるが、プレイしてはっきりとわかる変化はそれほどなかった。

 実はEA Sportはパソコンや専用ゲーム機用に一瞬、テレビ映像と見間違えるほどにリアルなFIFAシリーズを出しているが、これがiPad対応でもしない限り、iPad Air 2の本来の性能は実感できないのかもしれない(EA Sportsには、ぜひベンチマークテストも兼ねて対応を試みて欲しい)。

 今のiPad Air 2には、すでに数年前の高性能ゲーム機並みの性能が備わっている。これまでテレビにつないでいたあの巨大な箱が、雑誌ほどの大きさのわずか6.1ミリの薄さの本体にディスプレイごと収まっており、しかも、その9.7型のディスプレイは、リビングの40〜50インチのハイビジョンテレビよりも高解像度だというのだから、まったくもって驚かされる。

 iPad Air 2の、この性能はこれまでのタブレットからは想像がつかなかったレベルの高精細アプリケーションなどが誕生するきっかけとなるだろう。

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