iPadは、自分がやりたいと思ったことをパソコンよりもずっとシンプルな方法でかなえてくれるデバイスだ。
例えば、出先のカフェでちょっと株価動向などが気になったときも、いちいちノートパソコンを取り出してきて、サスペンドから起きるまでしばらく待って、モバイルWi-Fiルーターの電源を入れ、無線LANへの接続を確認してから、Webページを表示する、なんていう手順をふまずに、iPadをカバンからさっと取り出して、一瞬でロックを解除して、見たい情報を見て、さっとまたカバンに戻せてしまう。
同じことはiPhoneでもできるが、一体どこが違うのか?
iPhone 6 PlusとiPad miniが、それなりにサイズが近づいてきたこともあり、iPad miniの存在は危ないんじゃないか、という声も聞こえてきた(筆者も少しだけそう思っていた)。
しかし、しばらく使い込んでみると、あの「画面の大きいiPhone」であるiPhone 6 Plusと、「画面の小さいiPad」であるiPad mini 3の間に明確な区分けがあることに気がついた。それは雑誌や漫画などのコンテンツを拡大せずにそのまま読めるか、ついつい拡大表示してしまうかの違いだ。
確かにiPhone 6 Plusでも漫画や雑誌を読むことができる。そして高解像度のRetina Displayならば、おそらく写真のディテールや文字の形状もしっかり画面に表示されているはずだ。しかし、画面のサイズが小さいと、それほど目が悪くない人でも、目に近づけて凝視して読むようになる。これでは長時間読むのには辛い。
今回、この記事のために漫画家のヤマザキマリさんと講談社から特別に許可をいただき現在、講談社の雑誌「ハツキス」で連載中の漫画「スティーブ・ジョブズ」(原作:ウォルター・アイザックソン/画:ヤマザキマリ)の単行本1巻の同じページを開いてみた。
実はiPad mini 3は単行本にかなり近いサイズで、iPad Air 2は横向きで見開き表示をした状態で単行本とほぼ同じサイズ。一方、「大きい」と思っていたiPhone 6 Plusでは、漫画や雑誌の縦横比4:3に近い紙面サイズが、せっかくのiPhone 6 Plusのワイドスクリーンをもてあましてしまい、何も調整しない標準サイズだと単行本の1/4くらいのサイズになってしまう。これでも目がよければ読めないことはないが、疲れてくるとついつい拡大してしまう。
画面が大きいということは、それだけ多くの情報をストレスなく見渡せるということ。経済系の番組への出演も多い櫻井彩子さんに、彼女がよく使っている経済指標などの確認サイトをみてもらったところ、iPhone 6 Plusは、これまでのiPhoneと比べてやはりかなり見やすくなっているようだが、iPad Air 2ほどの大きさがあるとより多くの情報が見渡せて快適だという。
画面が大きいと快適なのは、写真の閲覧や映画の視聴、Webブラウジングも同じだ。
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