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費用対効果に優れるA4複合機「HP Officejet 5740」の実力をチェックするオフィスから家庭まで幅広く(1/3 ページ)

» 2014年10月29日 17時30分 公開
[小川夏樹,ITmedia]
ココが「○」
・価格1万8800円から
・高速出力速度
・多彩な接続環境
ココが「×」
・両面印刷がやや手間
・ちょっと大柄
・交換カートリッジが高い

最近のHPらしい丸味を付けたデザイン

 日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)のビジネス向けインクジェット「HP Officejet」シリーズは、3つのグレードに分かれている。下からビジネスにも使えるが個人向けエントリーモデルの「HP Officejet」シリーズ、ミドルレンジでSOHOやSMB向け2〜3人で利用する「HP Officejet Pro」シリーズ、そして、5人以上の小規模事業所や中小企業で使う「HP Officejet Pro X」シリーズだ。

 どのモデルでもビジネスユースに耐える十分な性能を持ち、同価格帯のライバル製品と比較すると、印刷速度だったり、本体価格だったり、インクなどのランニングコストだったりと、何がしか競合製品より有利なポイントを持っている。

 特にHP Officejetシリーズの複合機(MFP:マルチ・ファンクション・プリンタ)は、同価格帯の競合モデルと比較すると搭載されている機能が多いにもかかわらず価格は安かったりする。HP Officejet 5740(以下、OJ5740)は、ビジネス向けA4インクジェット複合機として必要な機能(ADF/FAX/カラーコピー/スキャナー/自動両面印刷)を備えながら、HP DirectPlusの価格は1万8800円と2万円を切っている。

オフィスだけでなく過程利用もターゲットにしたミドルレンジ複合機の「Officejet 5740」

 OJ5740のプリント部は、最大印刷解像度が4800×1200dpi、スキャナ部の読み取り方式はCISでスキャン時の光学解像度は1200×1200dpiだ。印刷、および、コピー機能は、拡大/縮小印刷&コピー、25〜400%までのコピー、最大99枚までの連続コピー、両面コピーといったビジネスユースに十分な機能を用意している。

 利用可能な用紙のサイズはA4/B5/A5/A6/郵便はがき/郵便往復はがき/封筒(長形3号、長形4号)、10?×15?、L判、2L判だ。利用可能な用紙の種類は普通紙、そのほかのインクジェット用紙、写真専用紙、はがきだ。

 普通紙トレイの上部に写真用紙をセットできるフォトトレイが乗る「2トレイ構成」となっている。標準の給紙トレイには125枚がセットでき、フォトトレイにはL判用紙で15枚がセット可能だ。

 標準で搭載するADFは片面読み取りで最大25枚セットできる。印刷の速度はカラーがA4で8枚/分、モノクロが12枚/分。なお、両面印刷機能を標準で搭載するが、用紙の取り回しが必要なため、その分のオーバーヘッドでかなり時間がかかる。

 ファクス機能はSuper G3に対応し、内蔵メモリに標準的なA4原稿で最大約100枚の代行受信が可能だ。グループダイヤルと短縮ダイヤルを合わせて99件、ほかにPCからのファクスの送信と受信(モノクロのみ)も可能だ。ビジネスユースでも必要十分なファクスの送受信環境と言えるだろう。

 エプソンのビジネスインクジェットでほぼ同スペックのモデルと比較して価格で4000円ほど安い。インクカートリッジの黒とカラーが各1個購入できる。キヤノンのFAX付きモデルとなるとさらに2000円ほど高くなる。ブラザー製品に至ってはADFとFAX付きとなるとOJ5740より1万円ほど高い。こうして比べてみると製品のスペックに対する価格でOJ5740は優れていることが分かる。

 HPのプリンタの本体デザインは、ここ数年のOfficejetシリーズで取り入れてきた全体的に丸みを帯びた形状を採用している。複合機の基本構造を考えるとインクジェットプリンタの上にフラットベッドスキャナユニットを乗せ、ADF付きの天板を乗せている構造にならざるを得ないため、OJ5740も基本的にはデザインの傾向は変わっていない。色はかなり濃い目の黒で落ち着いた印象だ。個人事務所やSOHOオフィスには違和感なく収まるだろう。

 本体サイズは454(幅)×410(奥行き)×193(高さ)ミリで重さは約7.7キロだ。A4インクジェット複合機としては、やや大柄で重い。ただし、その重さゆえ、印刷時でも本体の揺れを抑えていて、机の上に置いていて大量に印刷したときでも印刷の振動が気になるというようなことはなかった。

正面と背面

左側面と右側面

主なインタフェースは左側面の円いカバーで覆った部分と(写真=左)、背面右寄りに配置している(写真=右)

 印刷速度を訴求するインクジェットプリンタの場合、印刷する用紙のページ幅に合わせてヘッドが高速で往復するため、どうしても振動が発生してしまう。印刷速度が高速であればあるほど振動も大きくなり、その振動が設置している机に伝わってユーザーが不快になる面があった。最近のインクジェットプリンタでは、ヘッドに移動に伴う本体の振動も可能な限り抑えるようになってきている。

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