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費用対効果に優れるA4複合機「HP Officejet 5740」の実力をチェックするオフィスから家庭まで幅広く(3/3 ページ)

» 2014年10月29日 17時30分 公開
[小川夏樹,ITmedia]
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機能ごとにタブ分けされたプリンタドライバ

 プリンタドライバは、これまでのOfficejetシリーズと同様の構成とデザインだ。タブ形式で「レイアウト」「用紙/品質」「印刷ショートカット」に分かれている。各部のタブを切り替えることで必要な設定項目にアクセスできる。

「レイアウト」は、ドキュメント印刷の設定で印刷の向き、両面印刷の有無、印刷順序などを設定できる。さらに「詳細設定」をクリックすると細かい設定画面を呼び出せる(写真=左)。「詳細設定」から呼び出した画面。印刷用紙のサイズ、グレースケールの有無、シートごとのページレイアウトといった設定が可能だ(写真=右)

「用紙/品質」は、給紙方法や用紙種類の選択、品質の設定、モノクロとカラーの切り替えといった設定項目を用意している(写真=左)。「ショートカット」には、事前に用意しているプリセット設定を選べる。ここのプリセットは自分で変更できるほか、オリジナルの設定を決めて登録しておくことも可能だ(写真=右)

 ほかにも集中管理ツールとして「HPプリンタアシスタント」という総合管理ツールが付属する。また、本体内のHTMLメニューも継承している。Webブラウザからプリンタに割り当てたIPアドレスを指定してアクセスすると、OJ5740のほぼすべての機能にアクセスできる。

 ネットワークで接続していれば、AndroidデバイスやiOSデバイスからスキャンやプリントも可能だ。さらにOJ5740本体をインターネット接続しておけば、特定のメールアドレスに対応フォーマットの画像やドキュメントを送信するだけでOJ5740から印刷が行える。Wi-Fiダイレクトによる印刷もサポートするほか、NFC対応のデバイスであれば、無線LANに簡単接続が可能になっている。

 HPのプリンタで利用できる専用のWebページ「HP ePrint Center」にアクセスして、そこに用意している印刷用のアプリケーションをプリンタにダウンロードしインストールすることで、OJ5740の機能を増やすこともできる。

こちらはFAX用のドライバで非常にシンプル。最低限必要な項目だけを用意している(写真=左)。プリンタ本体に内蔵されているHTMLメニュー。Webブラウザ経由でほかのデバイスからアクセスすれば、プリンタのほぼ全機能にアクセスできる(写真=右)

インターネット経由でHPプリンタを活用できる「HP ePrint」サービス。ここにプリンタを登録しておくと、アクセスするだけでプリンタの状態を確認できる。また、ここに登録しているアプリをプリンタに導入して機能を増やすことも可能だ(写真=左)。Androidデバイス用の「HP ePrint」。iPhoneやiPadシリーズで使えるiOS版も用意している(写真=右)

複合機向けのアプリが「All-In-One-Remote」だ。スキャンや印刷といった複合機ならではの機能をモバイルOSデバイスで利用できる(写真=左)。プリンタの機能を総合的に管理できる「HPプリンタアシスタント」。印刷、スキャン、ファクスと項目が分かれている。必要な機能をクリックすると該当する機能を呼び出す(写真=右)

コスパ最高の5740に印刷速度をベンチマークで検証

 印刷速度をベンチマークテストで測定した結果を紹介しよう。テストは、Word 2013(JEITA J1/J9最初の1ページ印刷)の印刷画面で「OK」をクリックした瞬間から用紙が排出されるまでの時間を計測している。ドライバ設定は、ソートや拡大/縮小の機能がオフ、両面印刷以外の機能は標準のままだ。なお、テストに使用したPCの構成は以下の通りだ。

テストに使用したPCのスペック
CPU Corei 7 3770K(3.5GHz)
システムメモリ 8Gバイト
HDD Western Digital WD Caviar Green(WD20EARX、2Tバイト)
OS (2ビット版 Windows 8.1 Pro

 コピーのテストには、プリントテストで利用したJEITA J1/J9をそのままコピー原稿に利用した。計測時間は、本体のスタートボタンを押した瞬間から最後の用紙が排出されるまでをストップウォッチを使って手動で計測した。各テストを5回実施し、その中間値を採用している。

 最初の1枚目は検証に使ったPCが旧式のためPCの処理がボトルネックになってしまっているのか、プリンタ本来のエンジンの性能を引き出せていない。ところがプリンタ単体で処理できるコピー機能になった途端、その高速性を発揮。体感的にも不満を感じない速度といえる。

 2枚目となると速度が倍以上に跳ね上がる。モノクロであれば1枚あたり5秒程度で文書を出力、カラーでも12秒でビジネス文書を出力する。L判印刷も参考のために計測したが、こちらも速度的な不満は感じない。

1枚目の印刷(最初の1枚目)
プリント(モノクロ) 13.92秒
プリント(カラー) 22.95秒
コピー(原稿台使用モノクロ) 18.55秒
コピー(原稿台使用カラー) 26.23秒
コピー(ADF使用モノクロ) 18.88秒
コピー(ADF使用カラー) 30.14秒
1枚目の印刷(最初の1枚目含まず)
プリント(モノクロ) 05.60秒
プリント(カラー) 12.91秒
コピー(原稿台使用モノクロ) 05.96秒
コピー(原稿台使用カラー) 19.38秒
コピー(ADF使用モノクロ) 05.97秒
コピー(ADF使用カラー) 19.79秒
L版フチなし印刷(JEITA J8、300dpi、ビットマップ)
最初の1枚目 33.46秒
最初の1枚目含まず 22.92秒

1万8800円でこの性能なら最高の費用対効果

 以上、HP Officejet 5740を紹介してきたが、コストパフォーマンスに優れる製品であることは伝わったかと思う。FAX付きなので常に電源が入っている必要があるが、電力消費は、待機時が5.25ワット、省電力モード時が1.18ワット、電源オフ時待機電力が0.25ワットと低消費電力なのも魅力だ。メーカー公表値ながら、モノクロ印刷のコストがノーマルカートリッジで約7円/枚、カラー印刷のコストではノーマルカートリッジで10.5円/枚となる。増量カートリッジであれば、モノクロが4.5円/枚、カラーが6.5円/枚とさらに下がる。

 満足できる性能、そして優れたコストパフォーマンスとHP Officejet 5740は、実を取るユーザーにこそ選んでほしい製品だ。ビジネスユースだけでなく、ホームユースでもなるべくコストパフォーマンスを求めたいというのであれば、自信を持ってお勧めできる製品の1台だといえるだろう。

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