プリンタドライバは、これまでのOfficejetシリーズと同様の構成とデザインだ。タブ形式で「レイアウト」「用紙/品質」「印刷ショートカット」に分かれている。各部のタブを切り替えることで必要な設定項目にアクセスできる。
ほかにも集中管理ツールとして「HPプリンタアシスタント」という総合管理ツールが付属する。また、本体内のHTMLメニューも継承している。Webブラウザからプリンタに割り当てたIPアドレスを指定してアクセスすると、OJ5740のほぼすべての機能にアクセスできる。
ネットワークで接続していれば、AndroidデバイスやiOSデバイスからスキャンやプリントも可能だ。さらにOJ5740本体をインターネット接続しておけば、特定のメールアドレスに対応フォーマットの画像やドキュメントを送信するだけでOJ5740から印刷が行える。Wi-Fiダイレクトによる印刷もサポートするほか、NFC対応のデバイスであれば、無線LANに簡単接続が可能になっている。
HPのプリンタで利用できる専用のWebページ「HP ePrint Center」にアクセスして、そこに用意している印刷用のアプリケーションをプリンタにダウンロードしインストールすることで、OJ5740の機能を増やすこともできる。
印刷速度をベンチマークテストで測定した結果を紹介しよう。テストは、Word 2013(JEITA J1/J9最初の1ページ印刷)の印刷画面で「OK」をクリックした瞬間から用紙が排出されるまでの時間を計測している。ドライバ設定は、ソートや拡大/縮小の機能がオフ、両面印刷以外の機能は標準のままだ。なお、テストに使用したPCの構成は以下の通りだ。
テストに使用したPCのスペック | |
---|---|
CPU | Corei 7 3770K(3.5GHz) |
システムメモリ | 8Gバイト |
HDD | Western Digital WD Caviar Green(WD20EARX、2Tバイト) |
OS | (2ビット版 Windows 8.1 Pro |
コピーのテストには、プリントテストで利用したJEITA J1/J9をそのままコピー原稿に利用した。計測時間は、本体のスタートボタンを押した瞬間から最後の用紙が排出されるまでをストップウォッチを使って手動で計測した。各テストを5回実施し、その中間値を採用している。
最初の1枚目は検証に使ったPCが旧式のためPCの処理がボトルネックになってしまっているのか、プリンタ本来のエンジンの性能を引き出せていない。ところがプリンタ単体で処理できるコピー機能になった途端、その高速性を発揮。体感的にも不満を感じない速度といえる。
2枚目となると速度が倍以上に跳ね上がる。モノクロであれば1枚あたり5秒程度で文書を出力、カラーでも12秒でビジネス文書を出力する。L判印刷も参考のために計測したが、こちらも速度的な不満は感じない。
1枚目の印刷(最初の1枚目) | |
---|---|
プリント(モノクロ) | 13.92秒 |
プリント(カラー) | 22.95秒 |
コピー(原稿台使用モノクロ) | 18.55秒 |
コピー(原稿台使用カラー) | 26.23秒 |
コピー(ADF使用モノクロ) | 18.88秒 |
コピー(ADF使用カラー) | 30.14秒 |
1枚目の印刷(最初の1枚目含まず) | |
プリント(モノクロ) | 05.60秒 |
プリント(カラー) | 12.91秒 |
コピー(原稿台使用モノクロ) | 05.96秒 |
コピー(原稿台使用カラー) | 19.38秒 |
コピー(ADF使用モノクロ) | 05.97秒 |
コピー(ADF使用カラー) | 19.79秒 |
L版フチなし印刷(JEITA J8、300dpi、ビットマップ) | |
最初の1枚目 | 33.46秒 |
最初の1枚目含まず | 22.92秒 |
以上、HP Officejet 5740を紹介してきたが、コストパフォーマンスに優れる製品であることは伝わったかと思う。FAX付きなので常に電源が入っている必要があるが、電力消費は、待機時が5.25ワット、省電力モード時が1.18ワット、電源オフ時待機電力が0.25ワットと低消費電力なのも魅力だ。メーカー公表値ながら、モノクロ印刷のコストがノーマルカートリッジで約7円/枚、カラー印刷のコストではノーマルカートリッジで10.5円/枚となる。増量カートリッジであれば、モノクロが4.5円/枚、カラーが6.5円/枚とさらに下がる。
満足できる性能、そして優れたコストパフォーマンスとHP Officejet 5740は、実を取るユーザーにこそ選んでほしい製品だ。ビジネスユースだけでなく、ホームユースでもなるべくコストパフォーマンスを求めたいというのであれば、自信を持ってお勧めできる製品の1台だといえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.