「dynabook N51/NG」徹底検証――薄型軽量化した11.6型“ファンレス”ノートPCの魅力に迫るスペックに現れない「東芝品質」とは?(2/4 ページ)

» 2014年11月21日 09時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

低価格帯のノートPCながら有線LAN、11ac高速Wi-Fiを搭載

 通信機能は1000BASE-Tの有線LANとIEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.0を装備する。低価格帯のノートPCながら、最近のモバイルノートPCで省かれがちな有線LANをしっかり搭載し、無線LANも最大867Mbpsと高速なIEEE802.11acを利用できる点は見逃せない。

 本体にはSDメモリーカードスロット(SDXC対応、MMC対応)のほか、USB 3.0、USB 2.0が1基ずつと、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用端子を搭載。ディスプレイ出力としてHDMIとアナログRGB出力も1基ずつ備える。11.6型ノートPCとしては必要最小限に近い内容だ。画面の上部には約92万画素のインカメラも内蔵している。

前面には左側に電源やワイヤレス通信のインジケータを用意
背面は液晶ディスプレイが回り込むため、インタフェース類が何もない
左側面は手前からSDXC対応SDメモリーカードスロット、USB 3.0、HDMI出力、アナログRGB出力、電源ボタン、ACアダプタ接続用のDC入力を備えている
右側面には手前からヘッドフォン出力/マイク入力兼用端子、USB 2.0、有線LAN、盗難防止ロック用スロットが並ぶ。夏モデルからUSB 2.0が1基減っているのは、薄型化のトレードオフだ

Office Premium + Office 365も魅力の1つ

 OSは64ビット版Windows 8.1 Updateをプリインストール。オフィススイートは、日本市場に最適化した個人向けの新しいMicrosoft Officeである「Office Home and Business Premium プラス Office 365 サービス」(Office Premium)を導入している。

 これは、プリインストールPCを使い続ける限り最新版のOfficeデスクトップアプリを利用できるOfficeの永続ライセンスに加えて、クラウドストレージ「OneDrive」、iPhone/iPad/Android版のOfficeによるマルチデバイス利用、Skypeの月間60分までの無料公衆通話、無償アンサーデスクといった、Office 365が提供するサービスの1年間有効ライセンス(2年目以降は参考価格5800円で継続可能)が付加されたものだ。

 Office 365の1年間有効ライセンスにひかれるユーザーは限定されるだろうが、Office 365ユーザーはOneDriveの容量制限が撤廃されることが発表され、当初1Tバイトとされていた容量が今後数カ月ほどで使い放題となる点に注目したい。もちろん、Officeデスクトップアプリケーションの永続ライセンスは、長く使い続ける前提のユーザーには大きな魅力だ。

 現状でこのOffice Premiumは、低価格なWindowsタブレットや夏モデルから継続販売されているPCには採用されておらず、搭載しているPCが限られることもあって、dynabook N51/NGの強化材料になっている。

 そのほか、東芝おなじみの独自ユーティリティソフトなどが付属する。

プリインストールソフトの「おたすけナビ」は、やりたいことから各種設定やアプリケーションにアクセスできる(画面=左)。「デスクトップアプリメニュー」から東芝独自のユーティリティや各種設定にアクセスできる(画面=右)

TOSHIBAクオリティの打ちやすいキーボード

 キーボードの打ちやすさも強調できるポイントだ。アイソレーションデザインのキーボードは、主要キーのキーピッチが実測で約19(横)×17.5(縦)ミリと広い。左右の端にあるキーが細いほか、「半角/全角」キーが2段目ではなく最上段にあるなど若干変則的な配置だが、慣れでカバーできる範囲だろう。

 キーストロークは公称値で約1.2ミリと浅いものの、しっかりとクリック感がありながら低反発でスッと戻る絶妙なタッチ感を実現している。あえて強く押さない限りはたわみなども気にならない。低価格帯のノートPCとしては完成度の高いキーボードと言える。

 気になる点を強いて挙げれば、ボディのエッジが鋭角であることだが、パームレストは実測で67ミリと十分な奥行きが確保されており、また液晶ディスプレイを開くとわずかだが傾斜がつく(4度前後)ため、ボディのエッジに手の平が当たって痛いという心配は軽減されている。

 キーボードのホームポジション手前にあるタッチパッドも実測で85(横)×43(縦)ミリと狭い印象はなく、左右独立ボタンが用意されており、操作がしやすい。シナプティクスのドライバを搭載し、2本指を使ったスクロールや拡大/縮小、3本指や4本指を用いるジェスチャー操作も可能だ。タッチパッドの指の滑りもよい。

アイソレーションタイプのキーボードを搭載。「半角/全角」キーが最上段にある点は慣れが必要だが、キーピッチ、キーストローク、打ち心地のいずれも問題がなく、長文の入力にも耐える仕上がりだ
最上段のファンクションキーは、標準ではメディア操作や音量調整などの機能が割り当てられており、通常のファンクションキーはFnキーとの同時押しで使う。「デスクトップアプリメニュー」の「システムセッティング」でこの設定を反対にできる(画面=左)。キーボードの手前には2ボタン式のタッチパッドがある。チャーム表示などのスワイプ操作のほか、複数の指を使ったジェスチャー機能が利用できる(画面=右)

エントリークラスでも液晶はしっかりタッチ対応

 11.6型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は、WindowsノートPCで標準的な1366×768ピクセルだ。画素密度は135ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)となる。少し目を近づけるとドットがはっきり見え、精細感はいまひとつだ。上下の視野角は狭いが、左右の視野角はTN方式にしては健闘しているほうではある。

 低価格帯のノートPCながら、10点マルチタッチ対応の静電容量式タッチパネルを搭載し、Windows 8.1 Updateのスタート画面やWindowsストアアプリをタッチ操作で楽しめるのも大きな特徴だ。少し斜めの位置から操作すると、表面の光沢パネルの厚みが少し気になるが、あからさまに安っぽい見た目ではなく、タッチの感度や画面の滑り具合などはむしろよい部類と言える。

1366×768ピクセル表示の11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載。解像感、画質、視野角といった見た目は、エントリークラスのノートPCとして標準的といった印象だ。液晶ディスプレイ表面は光沢仕上げとなっている。画面の下にはWindowsボタンを配置している
液晶ディスプレイは約135度まで開く(写真=左)。タッチパネルの感度や滑りは良好だ(写真=右)。開いた液晶ディスプレイ部が底面に回り込んでスタンド代わりになる構造から、軽めにタッチしただけで画面が倒れてしまうようなことはない

 底面には手前側にステレオスピーカーを内蔵している。dynabookの上位機種と異なり、スピーカー用の音響効果ソフトウェアは特に導入していない。十分な音量はあるが、低音が弱く、厚みのなさは否めないところ。ネット動画をカジュアルに楽しむ程度ならば、特にガッカリはしないだろうが、CD以上の音楽コンテンツや映画コンテンツなどは物足りなく感じる場面もありそうだ。

底面の手前側にステレオスピーカーを内蔵(写真=左)。カナル型イヤフォン向けには独自の「イヤフォンエンハンサー」機能が導入されている(写真=右)。有効にすると確かに音のくもりが解消され、少し奥まったところで鳴っていたものが、前面に出てくるような感覚がある

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