ストレージ負荷テストの「Iometer 1.1.0」を用いて、850 EVOの性能をもう少し詳しくチェックしていこう。テストサイズは25Gバイト、個別テストは10秒のインターバルで1分間ずつ実行した。
まず、シーケンシャルリード/ライトはブロックサイズを変えてテストした。リードは850 EVOと840 EVOでまったくといってよいほど同じスコアだ。64Kバイトで450Mバイト/秒、512Kバイトのブロックサイズで500Mバイト/秒に達している。
一方のライト性能は、32Kバイトまではリード同様にほとんど変わらないが、64Kバイト以上のサイズでは、サイズが大きくなるほど差が開いており、16Mバイトでは50Mバイト/秒以上も850 EVOのほうがよい結果となった。
Iometer 1.1.0/シーケンシャルリードのスコア 単位:Mバイト/秒 | |||
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製品名 | Samsung SSD 850 EVO | Samsung SSD 840 EVO | |
4Kバイト | 122.81 | 120.96 | |
8Kバイト | 201.28 | 199.20 | |
16Kバイト | 294.52 | 293.16 | |
32Kバイト | 383.06 | 384.97 | |
64Kバイト | 452.14 | 452.20 | |
128Kバイト | 434.46 | 433.48 | |
256Kバイト | 486.20 | 493.59 | |
512Kバイト | 521.46 | 522.68 | |
1Mバイト | 532.34 | 532.51 | |
2Mバイト | 538.34 | 538.69 | |
4Mバイト | 541.95 | 521.92 | |
8Mバイト | 542.77 | 543.62 | |
16Mバイト | 543.87 | 542.47 | |
Iometer 1.1.0/シーケンシャルライトのスコア 単位:Mバイト/秒 | ||
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製品名 | Samsung SSD 850 EVO | Samsung SSD 840 EVO |
4Kバイト | 114.95 | 113.63 |
8Kバイト | 189.95 | 185.71 |
16Kバイト | 277.09 | 268.48 |
32Kバイト | 361.54 | 359.27 |
64Kバイト | 426.09 | 404.20 |
128Kバイト | 397.90 | 380.15 |
256Kバイト | 456.62 | 424.31 |
512Kバイト | 477.69 | 430.93 |
1Mバイト | 484.55 | 432.54 |
2Mバイト | 489.15 | 442.42 |
4Mバイト | 492.99 | 433.28 |
8Mバイト | 498.34 | 448.32 |
16Mバイト | 503.53 | 449.61 |
ランダムアクセス性能のテストは、QD1、QD2、QD32とキューの深さを変えて実行した。コマンドキューイングに対応したSSDでは、コマンドを先行して発行し、並べ替えて実行することができるが、クライアントPCの利用環境ではこれらQD1とQD2のアクセスで大半が占められるという。
QD1リードは両者とも9400 IOPS前後と、公称スペックの10000 IOPSに近いスコアだ。ライトは公称の40000(840 EVOは33000)とは差があるが、850 EVOのほうがわずかによいか、単なる誤差か微妙なところだ。はっきり違いが出たのは、リード/ライトを50%混在させたテストの結果で、明らかに850 EVOのほうがよくなっている。同じような傾向は850 PROと840 PROとの比較でも見られた。
QD2もQD1と傾向は同じだ。そしてQD32では、リード/ライト混在処理での優位がよりはっきりと現れた。リードIOPSは約97000、ライトIOPSは約89000とほぼ公称スペック通りのスコアが出ている。
Iometer 1.1.0/ランダムアクセス(4K QD1)のスコア | ||
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製品名 | Samsung SSD 850 EVO | Samsung SSD 840 EVO |
100%リード(IOPS) | 9400.89 | 9354.87 |
50%リード、50%ライト(IOPS) | 11571.06 | 9870.05 |
50%リード、50%ライト(リードIOPS) | 5782.86 | 4934.40 |
50%リード、50%ライト(ライトIOPS) | 5788.21 | 4935.64 |
100%ライト(IOPS) | 27532.83 | 27020.83 |
Iometer 1.1.0/ランダムアクセス(4K QD2)のスコア | ||
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製品名 | Samsung SSD 850 EVO | Samsung SSD 840 EVO |
100%リード(IOPS) | 16685.92 | 16821.28 |
50%リード、50%ライト(IOPS) | 20916.54 | 19928.04 |
50%リード、50%ライト(リードIOPS) | 10466.40 | 9965.38 |
50%リード、50%ライト(ライトIOPS) | 10450.14 | 9962.66 |
100%ライト(IOPS) | 56709.28 | 56125.36 |
Iometer 1.1.0/ランダムアクセス(4K QD32)のスコア | ||
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製品名 | Samsung SSD 850 EVO | Samsung SSD 840 EVO |
100%リード(IOPS) | 97169.43 | 96298.68 |
50%リード、50%ライト(IOPS) | 83392.13 | 64338.17 |
50%リード、50%ライト(リードIOPS) | 41699.28 | 32144.46 |
50%リード、50%ライト(ライトIOPS) | 41692.84 | 32193.71 |
100%ライト(IOPS) | 89226.41 | 89238.31 |
PCMark 7は、OS標準のアプリケーションを利用してPCで行なう一通りの操作をシミュレートとしてそのレスポンスタイムからスコアを出すベンチマークテストだ。ドライブを指定してストレージの性能を計測できる「Secondary Storage」、および「Raw Secondary」のスコアを掲載した。
前者のSecondary Storageはシステム構成の影響を排除するため、システムのビジータイムを考慮した調整を行なっているスコア、後者のRaw Secondaryは調整前のスコアだ。参考までに前者も掲載するが、今回はシステムを統一してストレージのみを比較しているので、後者のみ言及する。
トータルスコアは、850 EVOが2.9%よいスコアをマークした。項目別では、video editing(Mバイト/秒)で13%、Windows Media Center(Mバイト/秒)で7.2%よいスコアが出ており、840 EVOとの差が目立つ。
前者のvideo editingはリード処理が大半で64Kバイトのシーケンシャル/ランダムリード、128Kバイトのランダムリードが多いテスト内容だ。後者のWindows Media Centerはライト処理が多く、特に4Kバイトと1Mバイトのランダムライトが多いが、1Mバイトのシーケンシャルリードも多く含まれている。
850 PROと840 PROでもこの2項目は差が大きかった部分だが、総じて世代間の差は少ない。特に後者の差は縮まっている。これは、TurboWriteバッファがあるために、NANDそのものの性能差がある程度隠蔽(いんぺい)されているからだろう。
PCMark 7 1.4.0/Second Storageのスコア | ||
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製品名 | Samsung SSD 850 EVO | Samsung SSD 840 EVO |
Secondary Storage score | 5566 | 5505 |
Windows Defender(Mバイト/秒) | 5.69 | 5.71 |
importing pictures(Mバイト/秒) | 30.66 | 29.88 |
video editing(Mバイト/秒) | 23.76 | 23.8 |
Windows Media Center(Mバイト/秒) | 8.28 | 8.27 |
adding music(Mバイト/秒) | 1.41 | 1.41 |
starting applications(Mバイト/秒) | 64.28 | 60.85 |
gaming(Mバイト/秒) | 17.44 | 17.45 |
PCMark 7 1.4.0/Raw Second Storageのスコア | ||
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製品名 | Samsung SSD 850 EVO | Samsung SSD 840 EVO |
Raw Secondary Storage score | 7326 | 7117 |
Windows Defender(Mバイト/秒) | 72.68 | 75.15 |
importing pictures(Mバイト/秒) | 151.85 | 134.41 |
video editing(Mバイト/秒) | 299.02 | 306.22 |
Windows Media Center(Mバイト/秒) | 407.01 | 379.6 |
adding music(Mバイト/秒) | 146.37 | 151.02 |
starting applications(Mバイト/秒) | 126.49 | 113.86 |
gaming(Mバイト/秒) | 149.9 | 150.66 |
PCMark 7の後継であるPCMark 8のStorageテストでは、メジャーなアプリケーションのアクセスパターンをシミュレートしてスコアを出す。こちらは850 EVOのほうが、少しよいスコアではあるが、項目を細かく見てもほとんど差がなかった。
PCMark 8 2.0.228/Storageのスコア | ||
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製品名 | Samsung SSD 850 EVO | Samsung SSD 840 EVO |
Storage score | 4992 | 4990 |
Storage bandwidth(Mバイト/秒) | 285 | 280.64 |
World of Warcraft(秒) | 58.2 | 58.2 |
Battlefield 3(秒) | 132.9 | 132.8 |
Adobe Photoshop light(秒) | 113.1 | 113.2 |
Adobe Photoshop heavy(秒) | 360.3 | 359 |
Adobe InDesign(秒) | 56.9 | 57 |
Adobe After Effects(秒) | 70.6 | 70.8 |
Adobe Illustrator(秒) | 71.6 | 71.5 |
Microsoft Word(秒) | 28.2 | 28.3 |
Microsoft Excel(秒) | 9.1 | 9.1 |
Microsoft PowerPoint(秒) | 9.1 | 9.1 |
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