米国でどっこい生きてたVirgin Mobile WiMAXを使ういまだ健在なり(1/2 ページ)

» 2015年02月02日 19時41分 公開
[長浜和也,ITmedia]

オンラインストレージ使いには容量無制限は安心

 海外出張でも、モバイルデータ通信手段の確保はいまや必須だ。お手軽なところでは、レンタルモバイルルータを日本で調達すればいいし、SIMロックフリー端末を持っているなら、現地で安いSIMを購入して使うこともできる(海外で購入できるSIM事情は、連載の海外プリペイドSIM導入マニュアルで世界各国の最新事情を紹介している)。

 日本の移動体通信事業者も、海外で利用できる定額のデータ通信サービスを提供している。以前は料金が高く、1週間近い海外滞在で利用するのは現実的ではなかったが、最近では、1日単位の定額で米国なら980円であったり、ソフトバンクモバイルの「アメリカ放題」なら、月額980円だったりと、料金も安くなってきた。アメリカ放題は2014年12月26日からLTEによるデータ通信が米国(Sprint網に限る)でもできるようになり、2015年1月初旬から始まる2015 Internatinal CESの取材で渡米した多くの関係者が利用していた(2015 CESの特集はこちら)。

 レンタルルータにしても海外SIMにしても“放題”にしても、高速データ通信の主流はLTEだ。しかし、LTEを利用するデータ通信プランでは、高速通信で転送できる容量に制限がある。ほとんどの場合、“ギガバイト”クラス(1〜5Gバイトのプランが多い)なので、1週間程度の滞在で使いきることはない。ただ、仕事で高解像度画像や動画の転送が多かったり、オンラインストレージを利用して、データ転送が常時発生したりすると、「もしかすると使い切ってしまうかもしれない」と不安になる。これは、けっこうストレスだ。

 日本では、(期限限定ながら)容量無制限のモバイルデータ通信手段としてUQコミュニケーションズが提供するWiMAXを選択できる。日本以外でWiMAXを利用できる国は限られてしまうが、その数少ない国の1つが米国だ。2012年のCES取材では、短期利用のプランを用意してプリペイドカードで利用料金が支払えるClearwireのWiMAXサービスを利用した。50ドルの1カ月利用プラン(ほかに25ドルの1週間ブランもあったが、初回契約時は1カ月契約が必須)と99.99ドルのモバイルルータを購入して、2013 CESの取材を乗り切った。ホテルの有料LANやプレスルームのLANが重くて使い物にならなかったときでも、ClearwireのWiMAXで高速なデータ通信を利用できた。

ClearwireのモバイルWiMAXルーター「CLAER Spot 4G Apollo」は、重さが約125グラム、バッテリー駆動時間が約6時間だ

 2013年のCES取材でも、(99.99ドルで購入したモバイルルータを無駄にしないためにも)Clearwireを契約するつもりだった。2回目以降は25ドルの1週間利用プランの契約できるので、さらにコストを抑えることができるはずだ。しかし、先行してラスベガス入りした関係者から衝撃的な報告が入った。「米国契約のクレジットカード以外で利用再開できん!」 うおおおおん、これは困った。なにがClearwireを変えてしまったのか。

 いや、そんなことを分析しても何もならない。先行した関係者は、まさに人柱となって情報を収集し検証したうえで、「Virgin MobileのWiMAXルータならBest Buyで購入して契約できる」という貴重な報告を流してくれた。プランは1カ月35ドルで、WiMAXは無制限、3Gデータ通信は2Gバイトまで高速転送が可能だ。こうして2013 CESの取材では、3新たに119ドルで購入したVirgin MobieのWiMAX/3G対応モバイルルータ「OVERDRIVE PRO 3G/4G MOBILE HOTSPOT」で取材を乗り切ることができた。

1カ月35ドルをチャージするTopUpカードとともに「OVERDRIVE PRO 3G/4G MOBILE HOTSPOT」を購入した

OVERDRIVE PRO 3G/4G MOBILE HOTSPOTは、本体サイズが68(幅)×68(奥行き)×18(高さ)ミリで重さが93グラム。バッテリー駆動時間はアイドル状態で240時間、通常の使い方(Standard Use)で4時間。SSIDはカスタマイズ可能だ

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