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復活した“モンスターPC”の驚くべき性能とは?――新生「VAIO Z」徹底検証(前編)性能、スタミナ、騒音、発熱をじっくりテスト(3/6 ページ)

» 2015年02月24日 11時00分 公開

モバイルPCの枠を突き抜けたパフォーマンスに驚く

 まずは最高性能が引き出せるクラムシェルノートPCスタイル(キーボードモード)での標準設定でパフォーマンステストを行う。Windowsの電源プランは「バランス」(バランス以外の電源プランは用意されていない)、「VAIOの設定」で選べる「CPUとファンの動作モード」は「パフォーマンス優先(cTDPによる35ワット設定)」の設定だ。

CPU性能評価(CINEBENCH R11.5/R15)

 まずはCINEBENCHのレンダリングスコアをみてみよう。CPUのみに多大な負荷がかかるテストであり、CPUのスコアはマルチスレッド性能(CPUのピーク性能)、CPU(シングルコア)はシングルスレッド性能の目安になる。過去の製品や32ビットOS搭載製品との比較用に旧バージョンのR11.5も実施しているが、ここでは最新のR15のスコアのみ言及する。

 VAIO Zは、CPUが350、CPU(シングルコア)が137というスコアだった。Core i5-4200Uを搭載したVAIO Fit 13Aの1.6倍以上、Core i7-4510Uを搭載したVAIO Pro 13のハイスペック構成と比べてもCPUでは33%よいスコアを出している。

 参考までに、VAIO Zと同じ第5世代Core UプロセッサのCore i7-5600U(2.6GHz/最大3.2GHz、TDPは15ワット)、8Gバイトメモリ、Intel HD Graphics 5500(CPU統合)、PCI Express x4接続の256GバイトSSDを搭載したスリムノートPCで計測したCPUスコアは266だった。VAIO ZがモバイルノートPCとしては突出したCPU性能であることが分かる。

CINEBENCH R11.5のスコア
CINEBENCH R15のスコア

ストレージ性能評価(Crystal Disk Mark 3.0.3)

 CrystalDiskMarkで計測したストレージのスコアも、完全に突き抜けている。VAIO Zが搭載するPCI Express 2.0 x4接続の第2世代High speed SSDは、シーケンシャルリードが1371Mバイト/秒、シーケンシャルライトが1489Mバイト/秒と、Serial ATA接続のSSDを搭載した他の2台を圧倒するスコアをマークした。

 このスコアはSerial ATA 6Gbps接続のSSDを3台くらいRAID 0で使ってやっと出せるくらいの数字である。ランダム4Kリードの43.18Mバイト/秒というのもまた最新世代のSSDでしか出せない極めて優秀なスコアだ。

 ちなみにVAIO Pro 13のPCI Express 2.0 x4接続SSD(第1世代High speed SSD)でも、シーケンシャルリードは1000Mバイト/秒程度、シーケンシャルライトは850Mバイト/秒程度、ランダム4Kリードは30Mバイト/秒程度、ランダム4Kライトは75Mバイト/秒程度となっており、VAIO Zのストレージ性能が圧倒している。

Crystal Disk Mark 3.0.3のスコア
VAIO ZのCrystal Disk Mark 3.0.3スコアは圧倒的だ

PC総合評価(PCMark 7 1.4.0/PCMark 8 2.282)

 PCMark 7の総合スコアでは、VAIO Pro 13から11.4%、VAIO Fit 13Aからは33%のスコアアップを果たしている。今となっては比較的ライトな処理が中心のテストであることを考えれば上々だろう。

PCMark 7 1.4.0のスコア

 より重い処理も含まれるPCMark 8 Homeスコアは3236だ。VAIO Pro 13から28.9%、VAIO Fit 13Aからは62%のスコアアップとなった。VAIO Fit 13Aはメモリが4Gバイトしかないことが響いたのか、少し低すぎる気もするが、VAIO Pro 13から30%近いスコアアップは、やはりモバイルノートPCの枠を超えた性能と言える。ちなみに前述のCore i7-5600U搭載スリムノートのスコアは2762であり、これと比べても17.2%よい。

PCMark 8 2.282のHome Accelerated 3.0スコア
Home Accelerated 3.0スコアの詳細
製品名 VAIO Z (VJZ13A1) VAIO Pro 13 (VJP1311) VAIO Fit 13A (SVF13N29EJS)
Home Accelerated 3.0 Score 3236 2510 1997
Web Browsing - JunglePin(s) 0.346 0.336 0.359
Web Browsing - Amazonia(s) 0.144 0.14 0.147
Writing(s) 4.78 4.21 6.04
Photo Editing v2(s) 0.235 0.793 0.921
Video Chat v2 / Video Chat Playback 1 v2(fps) 30 29.3 30
Video Chat v2 / Video Chat encoding v2(ms) 65.7 86 297.7
Casual Gaming(fps) 32 22.5 19.7
Benchmark duration 35分43秒 39分41秒 42分49秒

3D性能評価(3DMark 1.4.828)

 Intel Iris Graphics 6100のグラフィック性能も注目だ。3DMarkのスコアはご覧の通りで、すべてのテストでVAIO Pro 13をはっきりと上回るスコアをマークしている。Cloud GateではVAIO Pro 13に比べて30%、VAIO Fit 13Aに比べて86.8%もよいスコアだ。高い描画負荷がかかるテストほど差が大きく、FireStrikeでは、VAIO Pro 13より59.2%、VAIO Fit 13Aより116%もよい。

3DMark 1.4.828のスコア

3Dゲーム性能評価(FF14ベンチキャラクター編)

 FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコアも優秀だ。他の2台では「設定変更を推奨」される標準品質/1920×1080ピクセルでの計測でも2212(普通)と、標準レベルの動作が見込めるスコアが出た。

FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコア

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