データストレージにはPCI Express 2.0 x4接続のM.2型SSDを採用。同社が「第2世代High speed SSD」あるいは「3倍速SSD」と呼ぶ高速なSSDを新たに搭載する。一般的なSerial ATA SSDの性能を1.0とした場合、先々代のVAIO Z(Z1)は同等、先代のVAIO Z(Z2)は1.9倍、VAIO Pro 13の第1世代High speed SSDは2.3倍、VAIO Zの第2世代High speed SSDは3.3倍に至るという。
SSDの容量は128Gバイト/256Gバイト/512Gバイトの3種類から選択可能だ。評価機は最上位の512Gバイトを搭載していたが、デバイスマネージャで型番を確認したところ、「SAMUSUNG MZHPV512HDGL-00000」と表示されていた。
これはSamsung Electronicsが供給するM.2フォームファクタの最新SSD「SM951」というモデルの型番だ。PCI Express 2.0 x4接続での公称値は、シーケンシャルのリードが1600Mバイト/秒、ライトが1350Mバイト/秒と爆速で、さらにランダムアクセスもリードが13万IOPS、ライトが8万5000IOPSと非常に速い。
通常のSerial ATA 6Gbps接続のSSDは、速くてもシーケンシャルリード/ライトが500Mバイト/秒な前後だけに、体感でも速度差は歴然としており、違いがはっきりと分かるほどだ。CPUに加えて、このSSDも高速なレスポンスに大きな影響を与えている。
プリインストールOSは、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateまたは64ビット版Windows 8.1 Updateの2種類から選べる。付属ソフトウェアは、Autodeskのスケッチツール「SketchBook Starter」、内蔵カメラをスキャナ代わりに使える文書電子化ツール「CamScanner recommended by VAIO」、PDFリーダーの「Adobe Reader XI」が付属する程度とシンプルな構成だ。
そのほか、購入時に追加できるソフトウェアは、Microsoft Officeの各エディション(Office Premiumも旧2013シリーズも選択可)、セルシスのイラスト/マンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PRO」が用意されている。
それでは、VAIO Zの性能を定番ベンチマークテストで確かめていこう。
評価機の構成は、購入時に選択できる最強のハイスペック仕様で、Core i7-5557U(3.1GHz/最大3.4GHz、4Mバイト3次キャッシュ)、Intel Iris Graphics 6100、16Gバイトメモリ、512GバイトSSD、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateという内容だ。
VAIOノートの世代間で性能比較を行うため、今回はVAIO新会社から2014年7月に発売された「VAIO Pro 13(VJP1311)」のハイスペック構成と、ソニー時代の2014年3月に発売された「VAIO Fit 13A(SVF13N29EJS)」(店頭モデル)も用意した。VAIO Pro 13は現行の主力モバイルノート、VAIO Fit 13AはVAIO Zの基となったマルチフリップによる変形機構を備えたVAIOノートだ。いずれも13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載する。
なお、今回VAIOから借用できた比較用のVAIO Pro 13(VJP1311)は、現行製品と異なり、SSDがPCI Express 2.0 x4接続ではなく、速度で劣るSerial ATA接続の評価機だった(ソニー時代の店頭モデルと同様)。ストレージ性能は差し引いて考える必要があるが、それでも後述するように、VAIO Zのパフォーマンスは圧倒的だ。
横並びでテストした3機種の主なスペックは下表にまとめた。
ベンチマークテスト結果を比較する新旧VAIOノート | |||
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製品名 | VAIO Z (VJZ13A1) | VAIO Pro 13 (VJP1311) | VAIO Fit 13A (SVF13N29EJS) |
発売時期 | 2015年2月発売 | 2014年7月発売 | 2014年3月発売 |
CPUの世代(開発コード名) | 第5世代Core(Broadwell) | 第4世代Core(Haswell Refresh) | 第4世代Core(Haswell) |
CPU | Core i7-5557U | Core i7-4510U | Core i5-4200U |
CPUコア/同時処理スレッド | 2コア/4スレッド | 2コア/4スレッド | 2コア/4スレッド |
標準クロック | 3.1GHz | 2.0GHz | 1.6GHz |
最大クロック | 3.4GHz | 3.1GHz | 2.6GHz |
3次キャッシュ | 4Mバイト | 4Mバイト | 3Mバイト |
TDP | 28ワット (cTDP 35ワット) | 15ワット | 15ワット |
グラフィックス | Intel Iris Graphics 6100 | Intel HD Graphics 4400 | Intel HD Graphics 4400 |
GPUコア実行エンジン | 48基 | 20基 | 20基 |
GPUクロック | 300〜1100MHz | 200〜1100MHz | 200〜1000MHz |
メモリ | 16Gバイト(デュアルチャンネル) | 8Gバイト(デュアルチャンネル) | 4Gバイト(デュアルチャンネル) |
液晶ディスプレイ | 13.3型IPS(タッチパネル) | 13.3型IPS(タッチパネル) | 13.3型IPS(タッチパネル) |
解像度 | 2560×1440ピクセル | 1920×1080ピクセル | 1920×1080ピクセル |
データストレージ (フォームファクタ) | 512GバイトSSD(M.2) | 512GバイトSSD(M.2) | 128GバイトSSD(M.2) |
ストレージインタフェース | PCI Express 2.0 x4 | Serial ATA 6Gbps ※ | Serial ATA 6Gbps |
バッテリー容量 (CPUID HWMonitorで調査) | 58.28ワットアワー | 37.5ワットアワー | 36.23ワットアワー |
バッテリー駆動時間 (JEITA 2.0) | 約15.2〜15.5時間 | 約10.5時間 | − |
バッテリー駆動時間 (JEITA 1.0) | 約19.3〜20.2時間 | 約12.5時間 | 約12時間 |
OS | 64ビット版Windows 8.1 Pro Update | 64ビット版Windows 8.1 Pro Update | 64ビット版Windows 8.1 Pro Update |
テスト時の「電源ブラン」 | バランス | バランス | バランス |
テスト時の「CPUとファン動作モード」 (VAIOの設定) | パフォーマンス優先 | パフォーマンス優先 | パフォーマンス優先 |
本体サイズ (幅×奥行き×高さ) | 324.2×215.3×15.0〜16.8ミリ | 322×216×12.8〜17.2ミリ | 325.4×223.4×14.3〜17.9ミリ |
重量 | 約1.34キロ | 約1.08キロ | 約1.31キロ |
※VAIO Pro 13(VJP1311)の製品版はPCI Express 2.0 x4を採用 |
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