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復活した“モンスターPC”の驚くべき性能とは?――新生「VAIO Z」徹底検証(前編)性能、スタミナ、騒音、発熱をじっくりテスト(2/6 ページ)

» 2015年02月24日 11時00分 公開

SATA SSDより3倍速い「第2世代High speed SSD」も爆速

 データストレージにはPCI Express 2.0 x4接続のM.2型SSDを採用。同社が「第2世代High speed SSD」あるいは「3倍速SSD」と呼ぶ高速なSSDを新たに搭載する。一般的なSerial ATA SSDの性能を1.0とした場合、先々代のVAIO Z(Z1)は同等、先代のVAIO Z(Z2)は1.9倍、VAIO Pro 13の第1世代High speed SSDは2.3倍、VAIO Zの第2世代High speed SSDは3.3倍に至るという。

 SSDの容量は128Gバイト/256Gバイト/512Gバイトの3種類から選択可能だ。評価機は最上位の512Gバイトを搭載していたが、デバイスマネージャで型番を確認したところ、「SAMUSUNG MZHPV512HDGL-00000」と表示されていた。

 これはSamsung Electronicsが供給するM.2フォームファクタの最新SSD「SM951」というモデルの型番だ。PCI Express 2.0 x4接続での公称値は、シーケンシャルのリードが1600Mバイト/秒、ライトが1350Mバイト/秒と爆速で、さらにランダムアクセスもリードが13万IOPS、ライトが8万5000IOPSと非常に速い。

 通常のSerial ATA 6Gbps接続のSSDは、速くてもシーケンシャルリード/ライトが500Mバイト/秒な前後だけに、体感でも速度差は歴然としており、違いがはっきりと分かるほどだ。CPUに加えて、このSSDも高速なレスポンスに大きな影響を与えている。

今回入手したVAIO Zのデバイスマネージャ画面。SSDは「SAMUSUNG MZHPV512HDGL-00000」とある

ソニー時代と異なり、付属ソフトウェアはシンプルな構成に

 プリインストールOSは、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateまたは64ビット版Windows 8.1 Updateの2種類から選べる。付属ソフトウェアは、Autodeskのスケッチツール「SketchBook Starter」、内蔵カメラをスキャナ代わりに使える文書電子化ツール「CamScanner recommended by VAIO」、PDFリーダーの「Adobe Reader XI」が付属する程度とシンプルな構成だ。

 そのほか、購入時に追加できるソフトウェアは、Microsoft Officeの各エディション(Office Premiumも旧2013シリーズも選択可)、セルシスのイラスト/マンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PRO」が用意されている。

今回入手した評価機は64ビット版Windows 8.1 Pro Updateを搭載していた。そのスタート画面(画像=左/中央)とデスクトップ画面(画像=右)
今回入手した評価機のアプリ一覧。独自アプリを豊富にそろえていたソニー時代のVAIOとは異なり、シンプルな構成になった

新生VAIO Zの性能を定番ベンチマークテストで検証

 それでは、VAIO Zの性能を定番ベンチマークテストで確かめていこう。

 評価機の構成は、購入時に選択できる最強のハイスペック仕様で、Core i7-5557U(3.1GHz/最大3.4GHz、4Mバイト3次キャッシュ)、Intel Iris Graphics 6100、16Gバイトメモリ、512GバイトSSD、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateという内容だ。

 VAIOノートの世代間で性能比較を行うため、今回はVAIO新会社から2014年7月に発売された「VAIO Pro 13(VJP1311)」のハイスペック構成と、ソニー時代の2014年3月に発売された「VAIO Fit 13A(SVF13N29EJS)」(店頭モデル)も用意した。VAIO Pro 13は現行の主力モバイルノート、VAIO Fit 13AはVAIO Zの基となったマルチフリップによる変形機構を備えたVAIOノートだ。いずれも13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載する。

 なお、今回VAIOから借用できた比較用のVAIO Pro 13(VJP1311)は、現行製品と異なり、SSDがPCI Express 2.0 x4接続ではなく、速度で劣るSerial ATA接続の評価機だった(ソニー時代の店頭モデルと同様)。ストレージ性能は差し引いて考える必要があるが、それでも後述するように、VAIO Zのパフォーマンスは圧倒的だ。

 横並びでテストした3機種の主なスペックは下表にまとめた。

ベンチマークテスト結果を比較する新旧VAIOノート
製品名 VAIO Z (VJZ13A1) VAIO Pro 13 (VJP1311) VAIO Fit 13A (SVF13N29EJS)
発売時期 2015年2月発売 2014年7月発売 2014年3月発売
CPUの世代(開発コード名) 第5世代Core(Broadwell) 第4世代Core(Haswell Refresh) 第4世代Core(Haswell)
CPU Core i7-5557U Core i7-4510U Core i5-4200U
CPUコア/同時処理スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド
標準クロック 3.1GHz 2.0GHz 1.6GHz
最大クロック 3.4GHz 3.1GHz 2.6GHz
3次キャッシュ 4Mバイト 4Mバイト 3Mバイト
TDP 28ワット (cTDP 35ワット) 15ワット 15ワット
グラフィックス Intel Iris Graphics 6100 Intel HD Graphics 4400 Intel HD Graphics 4400
GPUコア実行エンジン 48基 20基 20基
GPUクロック 300〜1100MHz 200〜1100MHz 200〜1000MHz
メモリ 16Gバイト(デュアルチャンネル) 8Gバイト(デュアルチャンネル) 4Gバイト(デュアルチャンネル)
液晶ディスプレイ 13.3型IPS(タッチパネル) 13.3型IPS(タッチパネル) 13.3型IPS(タッチパネル)
解像度 2560×1440ピクセル 1920×1080ピクセル 1920×1080ピクセル
データストレージ (フォームファクタ) 512GバイトSSD(M.2) 512GバイトSSD(M.2) 128GバイトSSD(M.2)
ストレージインタフェース PCI Express 2.0 x4 Serial ATA 6Gbps ※ Serial ATA 6Gbps
バッテリー容量 (CPUID HWMonitorで調査) 58.28ワットアワー 37.5ワットアワー 36.23ワットアワー
バッテリー駆動時間 (JEITA 2.0) 約15.2〜15.5時間 約10.5時間
バッテリー駆動時間 (JEITA 1.0) 約19.3〜20.2時間 約12.5時間 約12時間
OS 64ビット版Windows 8.1 Pro Update 64ビット版Windows 8.1 Pro Update 64ビット版Windows 8.1 Pro Update
テスト時の「電源ブラン」 バランス バランス バランス
テスト時の「CPUとファン動作モード」 (VAIOの設定) パフォーマンス優先 パフォーマンス優先 パフォーマンス優先
本体サイズ (幅×奥行き×高さ) 324.2×215.3×15.0〜16.8ミリ 322×216×12.8〜17.2ミリ 325.4×223.4×14.3〜17.9ミリ
重量 約1.34キロ 約1.08キロ 約1.31キロ
※VAIO Pro 13(VJP1311)の製品版はPCI Express 2.0 x4を採用

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