グッと進化した802.11ac対応の最新ルータ「AtermWG1200HP」:買い換えにも買い増しにもこれがいい(3/4 ページ)

» 2015年03月06日 11時36分 公開

干渉の少ない5GHz帯の利用で、さらに強化したWi-Fi中継機能

 WG1200HPの新機能として最も注目したいのが、強化した無線LAN中継機能の「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」だ。無線LAN中継機能とは、無線LAN親機と中継機が無線LANで接続し、中継機も無線アクセスポイントとなることで無線LANの利用可能エリアを広げる機能だ。無線LAN親機のSSIDや共有キーを中継機が引き継ぐことで、無線LAN親機に接続できていた無線LAN端末は、そのまま中継機にも接続できる。ユーザーは無線LANの接続先を親機なのか中継機なのかを意識する必要がないのも使いやすさという点で重要だ。

 Atermシリーズでは、従来からWG1800HP2、WF1200HPで「Wi-Fi高速中継機能」としてWi-Fi中継機能をサポートしている。親機と中継機、中継機と無線LAN端末間で5GHz帯と2.4GHz帯を使い分けることで、それぞれの周波数帯の通信速度をフルに活用可能としていた。ただし、必ず2.4GHz帯を使用する必要があり、2.4GHz帯が非常に混雑している集合住宅やオフィスビルなどでは、本来あるべき高速性が生かせないこともある。

 「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」では親機と中継機間で5GHzと2.4GHz帯を選択可能で、親機と無線LAN機間は5GHzと2.4GHz帯のどちらも利用可能となったおかげでフレキシブルに周波数帯を活用できるようになった。中継機が1台、無線LAN端末が802.11ac対応の場合、親機と中継機間、中継機と無線LAN端末間で最大867Mbpsを分け合うので、親機と(中継機に接続した)無線LAN端末間では最大433Mbps(理論値)で通信が可能になる。5GHz帯非対応の無線LAN端末も、最大300Mbpsの2.4GHz帯で中継機に無線LAN接続できる。従来の「Wi-Fi高速中継機能」では、2.4GHz帯における最大通信速度の450Mbps(理論値)が 親機と(中継機に接続した)無線LAN端末の最大通信速度になるので、上位モデルにほぼ匹敵する通信速度を実現できる。

中継機として利用中のWG1200HPの基本設定画面。親機との無線LAN接続する周波数帯の選択、無線LANアクセスポイントとして使用する周波数帯のON/OFFなども可能だ。ここで親機との接続、無線LANアクセスポイントとして使用する周波数帯を別に設定することで、上位機種「AtermWG1800HP2」と同様の「Wi-Fi高速中継モード」として動作することになる。親機との通信速度や2.4GHz帯の混み具合などに合わせて中継機能も細かく設定できる

中継機として利用中のWG1200HPのWi-Fi詳細設定画面。SSIDや暗号化キーはボタン操作での中継機設定時に自動で無線LAN親機から継承するが、明示的な変更もできる。管理は複雑になるが、接続する無線LANアクセスポイントを明示的に使い分けたい、中継機に接続できる無線LAN端末を制限したいといった場合には有効に活用できる

 ここで重要なのは、2.4GHz帯に比較すればまだまだ干渉の少ない5GHz帯のみでも無線LAN接続が完結する点だ。2.4GHz帯が大混雑しているような集合住宅やオフィスビルなどでは非常にメリットが大きい。「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」を有効にすると単純に5GHz帯の帯域を分割して通信するわけではないので、「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」を利用中でも、親機に直接無線LAN接続した端末はIEEE802.11acなら最大867Mbps(理論値)の通信速度を利用できる。「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」を利用する“デメリット”は“ほぼ”ないといえる。

 「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」では、1台の親機に対して複数台の中継機を接続可能になった。例えば、最近は珍しくない3階建の個人家屋の場合、2階に親機があるなら1階と3階にそれぞれ中継機を設置することも可能になる。親機が住居中央付近にある場合にも、反対方向に中継機を設置して無線LANの中継を効率よく行うことが可能になっている。従来モデルでは住居全体で無線LANを使えるようにするために親機と中継機の位置をそれぞれ考慮しなければなならないような場合でも、中継機が2台並列で利用できることで、配置にあまり悩まずとも家全体で安定して効率のいい無線LANを利用できるようになった。

 最大3段までの多段接続も可能になったので、広い住居などでは1段目の子機は親機の電波の通り道、2段目の子機は1段目の子機の電波の通り道といった形で効率よく無線LANを中継できるようになっている。先に上げた3階建の家屋でブロードバンド回線の引込の都合で親機が1階(又は3階)といった場合でも、まず2階に中継機、さらに3階(又は1階)で中継機と中継機を接続すれば、各階で安定した無線LAN接続環境を構築できる。

 なお、並列接続と多段接続は併用もできる。一般の住居でそこまでの必要性はないが、親機が1階にある3階建の家屋で、半地下に電波の遮蔽性が高いガーレジがある場合など、2階、3階へは多段で中継機を接続、ガレージには入り口付近に並列で中継機を設置といったことも可能だ。このように、非常にフレキシブルに無線LAN接続環境を広げることができる。

 「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」では親機を選ばなくなったことも使い勝手の向上に貢献している。厳密には、親機はWPS対応の必要はあるが、親機がAtermシリーズ以外でもWG1200HPを中継機として導入できる。すでに同様の機能を持つ製品や、中継機能専用の製品などもあるが、WG1200HPほどコンパクトでIEEE802.11acの最大867Mbpsに対応する製品はまだまだ少ない。

 IEEE802.11ac対応端末の導入がまだなので親機はIEEE802.11n対応のままで十分といったユーザーでも、コンパクトで設置も容易な中継機としてWG1200HPを導入しておけば、将来的に親機と置き替えることもできる。親機をIEEE802.11ac対応製品に買い替えても、WG1200HPを継続して中継機として使えば性能面で不満なく使用できる。コンパクトで高性能な点はこんな所でもメリットを生む。

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