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» 2015年03月13日 00時00分 公開

林信行の実機リポート:「新しいMacBook」を選ぶ本当の意味 (3/5)

[林信行,ITmedia]

指先の概念を変えるキーボードとパッド

 IT系の媒体を読む人には、自分の考えだけが唯一絶対に正しくて「その他の考え方は受け入れず攻撃する」という狭量な読者がいくばくかいる(ほかの業界では「へー、そういう考え方もあるのか。私はこうだけれど」で済むのだが……)。先にそんな人々の意見を目にしてしまったので前置きが長くなった。

 ここからは最新MacBookのタッチ&トライで感じたことをまとめよう。

 まずはキーボード。これは本当にストロークが浅く、素早く文字を打つにはそれなりの慣れが必要だ。


 21世紀に入ってからノートPCでパソコンを始めた人の中には「こんなキーボードでは打てない」と思うかもしれない。

 しかしこれは、20世紀にしっかりと指を沈めることができるデスクトップ型パソコンのキーボードで、激しい打鍵音を鳴らしながら文字を打ち込んできた人たちが通ってきた道でもある。

 ノートPCの登場によって本体が薄型化され、最初はストローク(押し込み幅)の浅いキーボードに抵抗があった人も多かったが、やがて浅いキーストロークにも慣れ、慣れたら慣れたで今度は「指の動きが少なくなった分、打つときの音も静かでスマートだし、長文を打ったときも指が疲れにくいよな」と身をもって学んできた人々だ。

 もっとも、すべての人が移行を果たせたわけではなく、いまだにストロークの深い外付けキーボードを愛用している人もいる。実際にどれくらいで新キーボードに慣れることができるかは、人によって適応力も違うので一概には言えないだろう。

 ただ、新しいMacBookのキーボードで1つ言えるのは、キートップのど真ん中に指を下ろしたときはもちろん、少し狙いが外れて端に着地しても、キートップ全体がまっすぐと下に沈む。しかも、キー自体もこれまでより17%大きくなり指をキャッチしやすくなっている。

 続いて感圧式のトラックパッド。これは多くの人が書いている通りで、2段階のクリック感を感じる。


 感圧タッチトラックパッドをクリックした際に、「あ、今、クリックが認識された」という機械的なクリック認識の仕掛けを感じる手応えがあった後、さらに強く押すと「強めのクリック」として認識され、もう1度、この手応えが指に伝わる。

 この強めのクリックのおかげで、新MacBook(や新MacBook Pro)では、例えば、動画の再生速度を2段階で切り替えたり、選択した単語の意味を表示したりと、メニューなどを介さずにより多種多様な操作ができる。

 すでにアップルストアの店頭では新型MacBook Proに搭載された感圧タッチトラックパッドを試せるので、可能な人は是非体験してみてほしい。これまでカチッとクリックできていたパッドが、ひとたび電源を落とした瞬間、何の反応もないガラス板になり、押し込んでいたように思えたクリック感が錯覚だと気付いて驚かされるはずだ。


 なんとも笑ってしまうではないか。世の中には多様化する操作を実現するために、トラックパッドに左右ボタンだけでなく、スクロール用のホイールだ、スティックだと次から次へと新要素を追加しているパソコンメーカーもあるのに、そもそもボタンすらなくしてしまったMacBookの、まったく余計な要素がないシンプルなパッドが、実はクリック、スワイプ、ピンチの操作を指の本数で区別して認識し、さらに2段階のクリックさえ認識する、多様な操作を実現しているのだから。

 まさに「less is more」の言葉通りだ。

 ちなみにクリックの判定が機械式から感圧式に変わったため、押す場所によってクリックが認識されづらいという問題もなくなっている。

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